社会性不安障害は克服できる。改善するポイントとは

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
shutterstock_442983847

「犬の散歩中に近所の人と挨拶するのが怖いです。それ以外にもスーパーで買い物中に知り合いに会って会話するのが怖いので、遠くのスーパーまで買い物に行っています」とご来店になったのは40代の女性(Yさん)です。

 Yさんは人と会話をすることが怖くなったのは結婚した30代の頃からでした。それまでは、仕事での電話の対応、会社での人間関係に困ったことはなかったそうです。子供が小学生になって学校で先生や保護者との会話が増えるのではないか、なんとかしたいということでご来店になりました。

人との会話も困難になり、さらに人に注目されることが怖くなり、人が多いところにいる場所をも、強い不安や苦痛を感じる症状を社会性不安障害と言います。社会不安障害は、自分でも、そんなふうに恐怖を感じるのは変だな自覚はしていますが、その気持ちを抑えることが難しくなります。徐々に、恐怖を我慢しながら生活したり、外出や人と会うこと(怖いと感じること)を避けるようになったりします。

 「コミ症」や「引きこもり」と呼ばれる方がいますが、これらの方の多くがこの社会性不安障害に含まれるのではないかと思います。

1.社会性不安障害の原因

社会性不安障害は人とのコミュニケーションがうまくいかない方達が多いため、性格の問題だと思われている事が多いです。私は、社会性不安障害は脳の働きが乱れるためにおこるものだと考えています。それでなければ、Yさんのように、急に人との会話が怖くなるというのはおかしい話です。

私は社会性不安障害の原因は脳の栄養不足と体調不良による、脳の興奮だと考えています。この2つが主な原因だと考える理由を詳しく説明します。

1-1.脳の栄養不足

私が今までの相談の経験で、社会性不安障害の方の共通点があります。それが栄養不足です。

食事の量が少ない。胃腸が弱い。栄養バランスが崩れている。この3つのどれかしらが原因で栄養が不足しています。

 脳が栄養不足になると、私達の身体はストレスを感じることになります。それによって、アドレナリン・ノルアドレナリンといったホルモンを放出します。この2つのホルモンは飢餓状態の身体を活発に動かし、やる気や意欲を出します。

 

しかし、慢性的な栄養不足が続くとアドレナリン・ノルアドレナリンの分泌量は過剰となり、アドレナリンは怒り・イライラ、ノルアドレナリンは不安・緊張・恐怖という負の方向に働くことになります。

社会性不安障害の方が、意味もなく不安や緊張を感じるのは、この2つのホルモンのうちのノルアドレナリンの働きが活発になりすぎているからだと考えられます。

 1-2.体調不良

脳が栄養不足になることで、アドレナリン・ノルアドレナリンが大量に分泌される事で自律神経の働きが悪化します。

 何故ならアドレナリン・ノルアドレナリンは興奮物質であり、これらの物質が分泌されると自律神経の交感神経の働きが活発になるからです。交感神経の働きは、心臓の鼓動を早くし、血圧をあげます。さらに胃腸の働きは低下します。

自律神経には交感神経と副交感神経があり、この2つの働きは相反するものです。身体を活発に動かしたい時は交感神経が働き、リラックスしたい時は副交感神経が働きます。

しかし、脳の栄養不足が続くと身体は交感神経の働きが優位になり自律神経失調症になります。それによって身体の体調不良がおこるのです。この体調不良によって身体はストレスを感じるようになります。

 ストレスを感じると、そのストレスに対抗しようとアドレナリン・ノルアドレナリンを分泌します。自律神経のバランスを悪化させたアドレナリンとノルアドレナリンをさらに分泌するのですから、坂を転げ落ちるように体調不良は悪化していきます。

 その結果、社会性不安障害の方の多くは

・めまいや耳鳴り

・立ちくらみ

・胸が締め付けられる感じがする。

・または胸がザワザワする感じが時々ある。

・息苦しくなるときがある。

・胃腸の調子が悪い

・肩こりや腰痛

・倦怠感

・慢性疲労

・睡眠障害

といった体調不良を複数持つことになります。

2.社会性不安障害の克服

社会性不安障害の原因は「脳の栄養不足」と「体調不良」です。だからこそ、まずはこの2つを改善する必要があります。

2-1.脳の栄養不足の解消

身体に必要な栄養は、5大栄養素として「炭水化物」・「脂質」・「タンパク質」・「ビタミン」・「ミネラル」があります。炭水化物は車で例えるとガソリンです。これは脳に関しても同じことです。脂質は脳において神経の伝達物質などになります。そして、タンパク質・ビタミン・ミネラルは脳の感情をコントロールするのに必要な物質となります。

 脳の栄養不足が考えられるのが、脂質とタンパク質、ビタミン、ミネラルです。炭水化物はパン、ご飯や、甘味の糖質などでほとんどの方はこまめにとっているので、不足している人はほとんどいません。

脂質は、脳の神経伝達物質の原料となっています。不足することで脳の働きが低下することがわかっています。認知証予防においても、青魚などに含まれるオメガ3系と呼ばれる脂質は脳の働きを改善します。

 タンパク質・ビタミン・ミネラルは脳の感情物質の原料となります。感情物質には興奮感情物質と抑制(リラックス)感情物質、そしてこの2つの感情物質を状況に応じてバランスをとってくれる調整感情物質があります。

 脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラルをとるためには和食中心の食事をおすすめしています。和食は味噌などの発酵品が多く、これらにはタンパク質であるアミノ酸が多く含まれています。脂質で一番よい青魚を食べるのも和食の料理に合うからです。

 特に胃腸が弱っている方は、まずは具たくさんの味噌汁や豚汁をおすすめしています。味噌、野菜などが大量に含まれていることで栄養バランスが高いことが一番にあげられます。

 

しかし、正直なところ食事だけでは栄養が足りないことがほとんどです。例えばですが、ビタミン剤を服用すると尿が黄色になります。尿が黄色になるのは過剰のビタミンが排出されたからです。それでは食事をとっていて尿が透明だとしたらビタミンの量は足りているのでしょうか?

常にあなたの身体が100%のビタミンでいっぱいということはまずありえません。ではビタミンが不足しているのにタンパク質が足りているのでしょうか?タンパク質は栄養が不足すると身体から一番にエネルギーに変えられる栄養素です。ですから、少食になる、胃腸が弱くなる、食事が偏り始めてタンパク質が不足していても、身体のタンパク質を使うためタンパク質不足は気が付きません。

 足りない状態が続く事で、急に身体に異変が出てしまうのがタンパク質不足です。その為、ビタミンやタンパク質、ミネラルを幅広くサプリメントなどで補給する必要があります。なお、サプリメントは、こういった考え方を理解している医師や薬剤師などの専門家に相談して購入されることをおすすめします。

2-2.体調不良を改善する

体調不良の原因は病院で検査をしてもほとんどの場合は原因不明又は自律神経の働きが悪化した、自律神経失調が原因です。そのため、自律神経の働きを改善する必要があります。

 2-2-1.不定愁訴の改善

これらの体調不良を漢方では不定愁訴といいます。その改善する方法の第一選択として、漢方薬をおすすめしています。そして、その漢方薬の選び方は効能効果で選ぶのではなく、症状やその時の体質などで選びます。

 少なくとも、上記の事を踏まえて選んでくれる医師・薬剤師に相談することをおすすめします。

 

2-2-2.身体を動かす

仕事で疲れたからといって休日にゆっくりしたり、寝だめのようなことをしたとき、その翌日にはかえって身体は疲れるようになっています。なぜなら、このような行動は自律神経の働きを悪化させるからです。

 自律神経の働きを改善する方法としては、やはり身体を動かすことです。しかし、やみくもに運動をすればよいというものではないと私は考えています。例えば、健康になりたいからといって「やっと30分歩いた…」といった苦痛を感じる運動は、かえって脳を興奮させることにつながります。

そのため、私は楽しいと思える運動をすることをおすすめしています。家族や緊張しない友人と話をしながらの散歩。ゆっくり散策できるような旅行をおすすめしています。このように身体を動かしている時には時間は短く感じます。

3.お勧めの治療方法

社会性不安障害を克服するにあたって、今まで強い不安・緊張・恐怖を乗り切ることは難しい事です。その為に必要なことが、暴露療法と言われるものです。

 しかし、暴露療法は両刃の剣だと考えています。脳の興奮が酷い場合、暴露療法をやることで、かえってトラウマを生むことになり社会性不安障害が悪化することもありえます。私は脳の興奮が治まってからやるべき治療方法だと考えています。

3-1.暴露療法

社会性不安障害は、誤認識の不安・緊張・恐怖を感じている状態です。人と話をしていて恐怖をなぜ感じてしまうのか?これは自分でもわかりません。この間違った認識を改善するための方法を暴露療法といいます。

 暴露療法の方法とは、自分が恐怖・不安に思っている状況や場所、環境に対してあえて自分で踏み入れ身を晒す方法です。

 緊張・不安を感じている状況に自らの意志でチャレンジする必要がありますので、はじめは相当な緊張・恐怖を感じることになります。しかしこういった環境にチャレンジして、うまく乗り切ると非常に大きな自身につながります。

 また、不安や恐怖といった体験を繰り返し行い、そこで乗り切ることで不安や恐怖に対する意識が減ります。

 私はこの暴露療法に取り組むべき時は、意味のない不安感が改善されたときだと考えています。社会性不安障害の方はお分かりになると思いますが、社会性不安障害の方は胸が苦しいから不安といった明確な不安ではなく、平時から意味のない漠然とした不安感をもっています。

 この漠然とした不安感を感じている時は、今までの患者さんと接してきて脳の誤操作が起こりやすいと感じています。そして漠然とした不安感を感じている時に暴露療法をやることでさらに不安・緊張・恐怖を感じてしまい悪化してしまった人もみてきています。

 

暴露療法はとても有効な方法ですが、脳の興奮がおさまってから行うことで間違った認識を理解できるようになります。まずは、脳の栄養不足と体調不良を改善してから行うようにして下さい。

脳の栄養不足と体調不良が改善した後には、暴露療法は自然に行うようになります。患者さんの多くは、「なんとなく外に出ても平気な気がする」「会話をしていても頭に入ってくる」といった事をお話ししてくれます。無理をせずにやることが重要です。

4.まとめ

社会性不安障害を克服することは自分の性格を改善することが必要と考えている人もいます。しかし、社会性不安障害は性格の問題ではありません。脳が興奮することで間違った認識をしてしまっているだけです。

社会性不安障害は人とうまく接することも出来ないため、日常生活を過ごすことが一番難しい不安障害といえます。家族や友人などのサポートも難しい人がいるのも現実です。

 

本サイトは私の実務経験に基づいた考察をご紹介しています。また、解説する病気の症状は典型的なものを紹介しています。記載された症状がその病気をもつすべての方に当てはまるわけではありません。治療法その他についても、あくまでも自分でできうる対処と医療における代表的なもののみを掲載しており、治療法すべてを網羅するものではありません。病気の診断および治療に関しては、必ず医師による説明を受けるようにしてください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

【無料】モラハラの本質的な解決を望まれる方は
小冊子をお役立てください

もしあなたがモラハラについて「縁を切りたい!」「離婚をしたい!」という解決策を探しているのなら、残念ですがこの小冊子は役に立ちません。

しかし、モラハラを本質的に解決したい。穏やかな日々を取り戻したい。そう願っているのなら、この小冊子はあなたにとって、とても重要です。

この小冊子をお読みになると次のことがわかります。

・モラハラの原因を理解し、解決のために移すべき行動
・加害者への接し方において、気をつけるべきポイント
・実際に夫のモラハラを完治できた方の体験談

など、モラハラ解決に必要な行動とは、多少の温度差こそあれ、どんなご家庭でもすぐに実行できる内容です。

まずは以下のボタンから小冊子をダウンロードしていただき、改善への第一歩を踏み出しましょう。


小冊子をダウンロードする

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*