病院の薬?漢方薬?社会不安障害を治したいなら知っておきたい薬の話

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社会不安障害 薬

「看護師をしているのですが、朝の申し送りの時に、みんなの前で話をしなくてはいけないのに、緊張してしまい言葉がうまく出ません。冷や汗・動悸もでます」と相談にいらっしゃったのが26歳の女性(Yさん)です。

Yさんは、子供の頃から人見知りで、人前で話をするのが苦手でした。看護師になって総合病院で働くようになり、人前で話をするのがますます辛くなりました。気がついた時には、冷や汗・動悸がするようになってきたそうです。

 人から注目を集める場面では、誰しもが緊張・不安を感じることは当たり前の事です。しかし、社会性不安障害の方の場合は、このような時に、過剰な不安や緊張によって動悸・震え・吐き気・赤面・発汗などの身体症状がでてしまいます。

 こうした強い不安を避けるために、人々との接触や活動を避けるようになり、日常生活にも支障をきたす症状を社会性不安障害といいます。内気と言われる人がもつ不安と社会性不安障害の違いは、身体的な症状が発症しているかどうかで判断出来きます。 

1.社会性不安障害の原因

社会性不安障害の原因は脳内の神経伝達物質であるアドレナリン、ノルアドレナリン、セロトニン、ドーパミンが関与していると言われています。アドレナリン、ノルアドレナリン・ドーパミンは脳の興奮感情物質、セロトニンは脳の調整感情物質と言われています。

これらの働きを考えて、さらに私の今までの相談の経験からこれらの感情物質の乱れの原因は「脳の栄養不足」と「体調不良」にあると考えています。それでは、なぜこの2つの原因が脳の感情の乱れに繋がるのかをお話しします。

 1-1.脳の栄養不足

私達の脳には興奮感情物質、抑制感情物質(リラックス)、そしてこの2つを状況に応じて興奮させたり、リラックスさせたりする調整感情物質の3つがあります。この3つの感情物質は私達の食べたものから作られます。

アミノ酸・ビタミン・ミネラルが感情物質の主な原料です。これらの栄養が不足すると、調整感情物質、抑制感情物質が最初に作られなくなります。栄養が不足するという事は人の生命維持にとって危機的状況になりますので、そのストレスに負けないように興奮感情物質だけは作られる事になります。

 すなわち、栄養が不足すると脳は興奮するようになってしまうのです。それでは、なぜ脳が興奮すると社会性不安障害の症状が出るのかを詳しくお話しします。興奮感情物質であるノルアドレナリンとドーパミンは、調整感情物質であるセロトニンが正常に働いている時と、働いていない時とでは感情が異なって出てきます。

 正常な時は、アドレナリンは身体を動かす活力、ノルアドレナリンはやる気・意欲、ドーパミンは動機・学習に関わっています。しかし、このバランスが崩れるとアドレナリンは怒り・イライラ。ノルアドレナリンは不安・緊張・恐怖。ドーパミンはこだわり・依存という感情に変わります。

脳が栄養不足になることで、常に不安感を感じるようになり、緊張した場面になるとその緊張がストレスと感じ、アドレナリン・ノルアドレナリンやドーパミンが大量に作られます。すると、不安感・緊張・恐怖感がさらに増します。

 また、アドレナリンやノルアドレナリンが分泌されることで、自律神経の交感神経の働きが高まります。これによって、口の渇き・動悸・のぼせ・ほてりなどがおこります。これが社会性不安障害になってしまう原因です。

 上記のYさんの場合は、看護学校に行っている時から、勉強が忙しい事で食事が不規則になってきたそうです。そして、卒業後総合病院での勤務によって生活は不規則になり、食事量は減ってしまい、今は食欲がないが食べないと身体もたないから仕方がなく食事するというほど胃腸の働きは低下していました。

 やはり、食事は大事です。私は和食中心の食事をおすすめしています。和食は発酵品が多く、この発酵品はアミノ酸が多く含まれているからです。しかし、社会不安障害の方の場合は、胃腸の働きが低下しているため、食事だけでは栄養がとりきれないのが現実です。

 サプリなどで広く栄養補給することをおすすめします。社会不安障害の方は特に長年の栄養不足が見られます。コップに水を入れてもそれが溢れだすまで水はこぼれません。長年にわたる栄養不足の影響はなかなか改善しません。

 1-2.体調不良

アドレナリンやノルアドレナリンが分泌されると交感神経の働きが活発になることは、先ほどお話しをしましたが、長い間この状態が続くと自律神経の働きのバランスは崩れていきます。

交換神経の働きが活発になってしまうため、

・口の渇き
・心臓の鼓動が早まるため、動悸・息切れがする
・胃腸の働きは低下
・尿量は減っていき、むくみやすくなる

と私達がすぐに自覚出来るものでも、これだけあります。

こうして、自律神経の働きが悪くなることで、様々な体調不良をうみます。社会性不安障害の患者さんで多い体調不良をあげますと、

・そわそわと落ち着かない、緊張してしまう、過敏になってしまう
・疲れやすい
・倦怠感
・動悸・息切れ
・めまい
・ふらつき感
・集中できない、心が空白になってしまう
・刺激に対して過敏に反応してしまう
・頭痛や肩こりなど
・眠れない又は熟睡した感じがない

といったものがよくある症状です。

これらの体調不良がおこる事で身体にはさらにストレスがかかり、このストレスに対抗しようとますますアドレナリン・ノルアドレナリンが分泌されてしまいます。このようにして、段々と悪化していくのが社会性不安障害です。

この体調不良を改善する方法が私の場合は漢方薬を使っています。そのため、病院での使い方と違い、不安感を和らげる漢方薬だけでなく、積極的に体調不良を改善することに注視しています。

2.病院で処方される薬

病院で処方される薬について解説していきます。

 2-1.抗うつ剤

社会不安障害の薬物療法の主役となっている薬です。

抗うつ剤は、うつ病の薬というイメージが強くついていますが、実際には不安・緊張・恐怖の改善に優れた効果があります。

この抗うつ剤にはSSRI、三環系抗うつ剤がよく使われます。

 SSRIは脳の調整感情物質であるセロトニンに作用する薬です。セロトニンは本来脳で使われると排出されてしまいますが、この薬はセロトニンの排出を防ぎ脳内のセロトニン濃度を高く維持する働きを持っています。

 三環系抗うつ剤は、ノルアドレナリン、セロトニンなどの神経伝達物質に関与する神経細胞受容体に作用し、遊離するノルアドレナリン、セロトニンを増やす働きをしています。

 抗うつ剤は基本的にはセロトニンの量を増やすことを目的にしています。これらの薬を飲んで効果があり、社会復帰出来る人と出来ない人の違いは、栄養を十分にとっているかとっていないかだと私は考えています。

 というのも、いくらセロトニンを外に出さないようにする薬でも少しずつは身体の外に出て行ってしまいます。しかし、栄養が足りないからセロトニンは体で作られていません。そのため、これらの薬を飲んでいてもだんだんと効果が弱くなってしまうと私は考えています。

 2-2. 抗不安薬(安定剤)

抗不安薬は一般的に安定剤と言われているものです。この薬のメリットは即効性があることです。先ほど紹介した抗うつ剤の場合は、効果が出るまで数週間待つ必要性がある場合もありますが、この薬の場合は30分から1時間程度で効果が出ます。

 その即効性から、緊張・恐怖が高まってしまった時にすぐに使えるのが利点となります。

逆にデメリットとして、長期服用による依存性(依存とは、その物質なしではいられなくなってしまうことです。)や耐性(長い間服用を続けていると効かなくなっていくこと)があります。

 2-3.漢方薬

病院においての社会性不安障害に対処する漢方薬は不安感をとるものが使われています。そしてその薬の選び方は、添付文書と呼ばれる効能効果にかかれているものを1つづつ使っていく場合がほとんどです。

 そのため、効果がある場合と全く効果がない場合が現実におこっています。

 漢方薬は本来は症状よりも体質に合わせることが重要だと言われています。そして私が漢方薬を選ぶためにしていることは

◯望診 患者の顔色、肌の状態、動作、舌の状態を診る
◯聞診 しゃべり方、口臭、体臭
◯問診 患者さんの話、訴えを聞く
◯切診 脈、腹部の状態、その他身体の状態を触診(薬剤師は患者さんの身体をさわれないのでご本人にやってもらいます)

の4つです。

上記4つから得られた情報から、その患者さんに最も適した漢方薬を処方しています。少なくとも上記の事を踏まえた上で漢方薬を選んでくれる医師、薬剤師等に相談されるのをおすすめします

3.まとめ

社会性不安障害の薬は主に、抗うつ剤、安定剤、漢方薬です。どの薬がよいのかは一長一短ですので自分の考えを医師と話合って決めることが重要だと考えます。

 漢方薬での治療の場合は、少なくとも数分の問診ですませて漢方薬を決めることは出来ません。専門の医師・薬剤師に相談されることをおすすめします。

 

本サイトは私の実務経験に基づいた考察をご紹介しています。また、解説する病気の症状は典型的なものを紹介しています。記載された症状がその病気をもつすべての方に当てはまるわけではありません。治療法その他についても、あくまでも自分でできうる対処と医療における代表的なもののみを掲載しており、治療法すべてを網羅するものではありません。病気の診断および治療に関しては、必ず医師による説明を受けるようにしてください。

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