サービス残業でうつ病を発症。長期労働の弊害とは?

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サービス残業 うつ病

「毎日遅くまで会社に残っています。」

「締め切りが迫っているので、残業をせざるをえない。」

「上司が遅くまで残っているので先に帰れません。」

 

最近、過労死や自殺などで度々、問題として取り上げられる長時間労働。

そのなかでも、残業代が支払われないサービス残業が大きく問題視されています。働き者の日本人の中には、「自分がやるべき仕事をしているだけなので、サービス残業なんて気にしたことがない」なんて方もいらっしゃいます。しかし、サービス残業を含む長時間労働は実に多くの問題を抱えているので、その問題点についてみてみましょう。

1.ブラック企業とは?

ここ数年で「ブラック企業」という言葉が広く浸透し定着しました。そのため、就職活動中の学生に会社選びのポイントを調べてみると「ブラック企業じゃない会社」と答える人も増えています。

参照:ジョブウェブ

しかし、すでに会社で働いている人たちの中には、今の職場で長年働いているし、この会社でしか働いたことがないから今の職場環境があたりまえと感じている人も結構います。だからこそ、自分が働いている会社やこれから働こうとしている会社がブラック企業ではないかどうかチェックしてみましょう。

1-1.ブラック企業を見分け方

ブラック企業として一番わかりやすいものに厚生労働省が公表しているブラック企業リストがあります。このリストには長時間労働のほか、賃金不払いや労働関係の法令に違反した企業が含まれています。厚生労働省が公表しているだけでもブラック企業は4000社にものぼっています。しかし、これらは苦情や相談が多い企業なので、もっと多くのブラック企業があり、あなたの勤務先もブラック企業に該当するかもしれません。

「ブラック企業」という言葉が一般的になっていますが、この言葉に明確な基準というものはありません。

1-2.ブラック企業の目安は?

ブラック企業かどうかの1つの目安として「ブラック企業は将来の設計が立てられないような賃金で労働者に長時間働くことを強制し、労働者を使い捨てるような会社」

という基準があります。こうしたブラック企業の問題点には、低賃金、残業代不払い、パワハラ、セクハラ、長時間労働があげられます。

「うちの会社は残業が多くて1日12時間労働は当たり前」

「残業があるのに、定時でタイムカードを押すように言われる」

という場合はブラック企業に該当します。もし、こうしたことに思い当たることがあれば注意が必要です。

2.サービス残業の平均時間とは?

世の中でどれぐらいサービス残業している人がいて、サービス残業の平均時間はどれぐらい?と気になったことはありませんか。また「日々、サービス残業をしているけど数えたことがないから、どれぐらいの時間残業しているのか分からない」という方もいるのではないでしょうか。そんな時は、一か月間にどれぐらいの時間、サービス残業しているのか記録をつけ平均値と比べてどうか比較してみましょう。

日経ビジネスの調査では、サービス残業をしている人が6割を超えているという結果が出ています。多くの日本人が、無給で働いている時間があるのがよく分かりますね

さらに、サービス残業の平均時間は日本労働組合総連合会の調査によると1ヶ月平均16.7時間という結果が出ています。「サービス残業の平均って意外と少ないんだ」と感じた人もいるのではないでしょうか。確かに1日あたりでみると1時間弱と短く感じるかもしれませんが、

1ヶ月分になると2日間、無料で働いているのと同じだといえます。

最近でこそ厚生労働省の取り組みや企業・労働者の意識変化もあり、サービス残業が減少傾向にありますが、その一方で「サービス」とも言えないような長時間労働をしている人も数多くいます。

3.長時間労働の弊害

ニュースや新聞などを見ていると160時間を超える時間外労働が原因で過労死や自殺したという情報を目にします。これだけでも、長時間労働が悪影響なのは明白ですが、具体的にどんな弊害があるのか見てみましょう。

3-1.睡眠不足

労働時間が長くなっても食事や入浴、家事など最低限しなければいけないことに掛かる時間は変わりません。その結果、どうしても睡眠時間を削らないといけなくなります。

一般的に睡眠時間は1日7~8時間程度とるのが最も望ましいとされています。しかし、長時間労働している場合だと睡眠時間が6時間以下というケースもよくあります。

3-2.睡眠不足から疲労の蓄積

こうした睡眠時間による違いをアメリカのペンシルベニア大学とワシントン州立大学が実験した結果があります。この実験によると6時間以下の睡眠を1週間続けると、疲労が蓄積して1日中睡魔に襲われるようになることが分かっています。さらに2週間後には、2日間徹夜した時と同じレベルまでパフォーマンスが低下しました。

3-3.仕事にも影響が・・。

ひどい方は睡眠不足や疲労の蓄積によって能力が低下していることを自分で気づかないようになります。その結果、仕事でミスをすることが増え、ミスを挽回するためにさらに長時間働き、疲労と睡眠不足でパフォーマンスが落ちるという悪循環に陥ります。

この状態が長く続くと身体的な健康への悪影響はもちろんですが、うつ病など精神面での健康にも悪影響が起こりやすくなります。

4.長時間労働・睡眠不足がうつ病を招く

長時間労働で頑張っている人のなかには、「自分は能力が低いのではないか」、「自分なんて価値がない」、「周りの人に迷惑をかけて申し訳ない」などとネガティブな思考に陥ってしまっている人がいます。一時的に不安を感じることなら誰でもありますが、こうしたネガティブな思考や不安が長時間続く場合は、うつ病になっているかもしれません。

4-1.イギリスの調査では?

イギリスの調査で労働時間が11時間以上の人と7~8時間の人を比べると、11時間以上の人は5年後にうつ病を発症するリスクが2.4倍も高かったという結果が出ています。

また、5時間以下の睡眠が続くと100時間残業をした場合と同じくらいうつ病を発症しやすくなるということも分かっています。これらの結果から、長時間労働や継続的な睡眠不足がうつ病を招くリスクを高めているということが出来ます。

4-2.日本はどうか?

日本では海外と比べて通勤時間が長い傾向にあるので注意が必要です。1日の残業時間が2時間だとしても、通勤に片道1時間以上かかる場合だと、1日の半分以上を仕事のために費やしていることになります。郊外にある自宅と都会にある職場の間を満員電車で通勤するという場合は、長時間労働による疲れのほか、肉体的な疲労も溜まりやすくなるので、さらにうつ病の発症リスクが高まります。

4-3.うつ病になりやすい労働時間とは?

うつ病の引き金となる要因には「長時間労働」や「睡眠不足」のほかにも「ストレス」、「性格」、「脳内変化」など様々なものがあります。同じ時間働いているのに

Aさんは平気で毎日楽しそうにしているのに、

Bさんはうつ病を発症してしまった

という事例もあります。

これはストレスへの耐性や考え方によるところも影響しているからです。ストレスを感じやすく溜め込みやすい人とストレスを感じてもうまく発散できる人では、そのリスクも変わります。しかし、どんなにストレスをうまく発散できる人でも、労働時間が長くなるといつかはうつ病を発症してしまいます。

それでは、いったいどれぐらいの時間働くと不調をきたすようになるのでしょうか。

4-4.うつ病を発症した実例

実際に長時間労働でうつ病を発症した人のケースを見てみましょう。

この方は、比較的うたれ強く、我慢強くもあり、ストレスをため込みにくいタイプでした。しかし、毎日4時間以上の残業を続け、土曜日も休日出勤していたところ次第に小さな不調があらわれるようになりました。最初はちょっと最近疲れているかなと感じるようなものでした。そのうち、仕事中でも注意力散漫になるようになりました。

そうすると1~2時間程度の残業をしていた時には、しなかったような小さなミスを度々するようになりました。それでも我慢を続けて頑張っていると、常にイライラするようになり、終いには頭痛や胃痛、吐き気、じんましん、口唇ヘルペスなどがあらわれるようになりました。この頃になると、疲れているはずなのに、布団に入ってもなかなか寝付けなくなり、なんでもないことで涙が出るようになりました。おそらくこの頃には、すでにうつ病を発症していたのかもしれません。

こうした長時間労働を数か月続けたところで、うつ病と診断されることになりました。

 

現在、残業80時間以上で過労死のラインとされていますが、このラインに到達しなくても、うつ病を発症したり、様々な健康被害がでることがあります。

5.まとめ

うつ病や健康被害にはなりたくないけど、そうはいっても「任された仕事はしないといけない」ということも働いていればあるでしょう。

どうしても忙しい時期に、一時的に残業が発生するのは仕方がありません。しかし、1ヶ月以上連続して過度の残業が続く場合は注意しましょう。疲れが溜まってしまっていると感じたら勇気をもって早めに休息をとることが大切です。そうしないとかえって仕事の効率が落ちて、さらなる長時間労働を招いてしまいます。さらに過酷なサービス残業が常態化してしまっている場合は、労働組合や労働基準監督署に相談するなどして、労働環境を改善するようにしてみましょう。

サービス残業や長時間労働が原因で過労死や自殺により大切な命を失わないようにするためには、何よりも無理しすぎないことが大切です。

「疲れた時には無理せず休む」そんな勇気を持ちましょう。

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