何が違うの?パニック障害における病院の薬と漢方薬の違い

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「病院の薬よりも漢方薬のほうが身体への副作用が少ないと聞いたので漢方薬で治したいです」と相談されたのは30代の女性でした。

1年ほど前からパニック障害で悩まれていたようですが、病院の薬には抵抗があり、薬を飲まずに過ごしてきたそうです。

そのためか、人混みの多い場所では必ずパニック発作が発症してしまうほど悪化していました。普段から緊張感も高く、身体のあちこちが硬直している感じがあるとのこと。この方の体調不良の改善をしたところ、半年後にはこの女性はパニック発作を起こすことはなくなりました。

この事からも、漢方薬を服用することでパニック障害の方の体質改善が出来ると考えています。今回は漢方薬と精神科で出される薬との違いなどについてお話をしたいと思います。

1.病院の薬と漢方薬の違いについて

医師が処方する薬は対処療法といって、その症状を抑えることを目的にしています。一方、漢方薬は病気になりやすい体質を病気になりにくい体質に改善することを重視している根本治療といえます。

病院の薬と漢方薬の違いは、「傾きかけている不安定な家」に、例えることができます。

家をとにかく崩さないように、つっかえ棒や周りを補強して維持しようとするのが病院の薬。

傾きを根本的にどうしたら良いかの原因を考え、土台を修理するのが、漢方薬だとお考えいただければいいでしょう。

2.漢方を服用する目的

漢方薬は、体質改善に効果があります。

ここでの体質改善とは、人の持つホメオスタシス(別名、恒常性と呼ばれます。環境の変化や体調の変化が起こった際、身体の免疫系、神経系、内分泌系など身体の調節機能を使って、変化が起こった身体を正常に保ち、一定に調整する機能のことを指します。)のバランスを改善することを指します。

このホメオスタシスがうまく働いていない状態がパニック障害の原因である

・不定愁訴
・栄養障害

につながっていると私は考えています。

2-1.不定愁訴を改善する

パニック障害で悩んでいる方の多くは、

◯光過敏、音過敏
◯頭重感、頭が締め付けられる。額が熱くなる
◯動悸、めまい、立ちくらみ
◯何故かモヤモヤする。ザワザワして落ち着かない
◯食欲不振、吐き気、下痢
◯倦怠感、すぐに疲れる、慢性疲労
◯寝付きが悪い、熟睡感がない

このような様々な症状を全てストレスと感じ、結果としてパニック発作を起こすことに繋がると考えています。

驚くべきことに、このような症状は、病院で検査をしても異常がない、と判断されるケースがほとんどです。このように病院で検査をしても異常が見られない症状を不定愁訴と呼びます。

不定愁訴を改善することが重要となりますが、病院では治すことは難しいのが現状です。根本的な原因がわからないので、痛みなら痛み止めといった対症療法しか方法はありません。

この不定愁訴を改善することが、漢方薬が一番得意としているところです。ただし、漢方薬の製品に書かれた効能効果通りの処方では、ほとんど効果がないという事実だけは強調しておきます。

私はパニック障害によく使われる、不安をとる漢方薬だけでは使いません。口が乾いている方の場合は利水剤と呼ばれる漢方薬を使います。倦怠感、すぐに疲れる、慢性疲労にはそれにあった漢方薬を服用していただいています。

その人に合った漢方薬を服用することが大事です。パニック障害だけでなく、それ以外の体調不良もみて漢方薬を処方してくれる病院や薬剤師を探すことが大事です。

2-2.栄養障害の改善

パニック障害においてもう一つの原因は脳の栄養不足です。

脳が正常に働くためには、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、脂質などが必要です。これらの栄養が十分にとれているならばよいのですが、栄養が不足するとストレス状態となり、アドレナリンやノルアドレナリンが分泌されるようになります。

栄養不足が続く事でこれらの脳内興奮物質が大量に分泌され、それによって脳の興奮が高まりパニック発作と発症します。

脳の栄養不足が起こる原因は2つあります。

まず1つ目は、食事が偏っている。例えば仕事が忙しいために食事が不規則である。また、好き嫌いが多く、あきらかに栄養が不足している場合です。この場合は、食生活を改善し、不足している栄養素を薬やサプリで補給することが重要です。

もう1つは胃腸の働きの問題があります。胃腸の働きが先天的に弱く、栄養が十分に吸収出来ない場合です。例えば、夫婦でも同じものを食べているのに、旦那さんは元気なのに、奥さんは体調不良という話は多く聞きます。このように個人差があるのが胃腸の働きです。

この場合は胃腸の働きを改善することが重要になります。その際に病院の一般的な薬ではなく、漢方薬をおすすめします。漢方薬がこのような体質改善には一番得意な分野がと言えるからです。

3.漢方薬の選び方

漢方薬は症状よりも体質に合わせることの方が重要と言われています。例えば胃腸虚弱に効果のある漢方薬といっても様々な種類の漢方薬が存在します。同じ胃腸虚弱でも、むくみの症状がある人と、ない人だけでも漢方薬は変わってきてしまいます。

漢方薬も薬ですので、効能効果が西洋薬と同じようにうたわれていますが、効能効果で服用することにより悪化することもあるのが漢方薬です。

私が漢方薬を選ぶためにしていることは、

◯望診 患者の顔色、肌の状態、動作、舌の状態を診る

◯聞診 しゃべり方、口臭、体臭

◯問診 患者さんの話、訴えを聞く

◯切診 脈、腹部の状態、その他身体の状態を触診(薬剤師は患者さんの身体をさわれないのでご本人にやってもらいます)

 

の4つです。

上記4つから得られた情報から、その患者さんに最も適した漢方薬を処方しています。

「私のこの症状には何という漢方薬が効きますか?」と悪気なく聞いてくる人もいますが、漢方薬は5分や10分で処方を決めることができるほど単純ではありません。

そんな単純なものではありません。少なくとも上記の事を踏まえた上で選んでくれる医師、薬剤師等に相談されるのをおすすめします。

4.まとめ

パニック障害においての漢方薬は、長い間苦しんでいる人ほど試す価値があると考えています。

パニック障害は恐怖、不安を長い間感じていること事で、他の不定愁訴も多く生み出すからです。この不定愁訴が脳のバランスを崩し、さらにパニック障害を悪化させてしまいます。

不定愁訴、胃腸虚弱を改善することは漢方薬の得意な分野です。遠回りに感じるかもしれませんが、今まで色々な方法で結果が出なかったのならば、一度お考え下さい。

本サイトは私の実務経験に基づいた考察をご紹介しています。また、解説する病気の症状は典型的なものを紹介しています。記載された症状がその病気をもつすべての方に当てはまるわけではありません。治療法その他についても、あくまでも自分でできうる対処と医療における代表的なもののみを掲載しており、治療法すべてを網羅するものではありません。病気の診断および治療に関しては、必ず医師による説明を受けるようにしてください。

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