「脳の栄養不足」と「体調不良」から考えるパニック障害の原因

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「トンネルに入ったとき、はじめは、ふと不安を感じていた程度でした。

しかし、ドキドキと心臓の鼓動がどんどん大きくなり、それと共に『このままでは死んでしまう!』『心臓が破裂する!』そういった思いで頭がいっぱいになり…

気づいたときにはトンネルを抜けて車を停めていました。少し冷静になったとき、ハンドルを握る手が汗でびっしょりだったと記憶しています」

これは私の患者さんである40代の女性が、初めてパニック発作を発症した際の実話です。このようになんの前触れもなく突然起こるパニック発作。このパニック発作を何度も繰り返すことで、普段の生活が出来なくなる症状をパニック障害といいます。

この日を境に、この女性はパニック障害を発症してしまいました。なぜ、こんなにも突然パニック障害が発症してしまったのでしょうか?

今回は、パニック障害の原因についてご紹介したいと思います。

 1.パニック障害の原因

 パニック障害の原因として

○対人関係(仕事関係、友人、近所付き合い)

○家族間の問題(母親、夫婦、子供)

○性格の問題

など、精神的な要素が強いのでないかと一般的に思われているようです。

しかし、私はカウンセリング経験で、パニック障害の原因は「脳の栄養不足」と「体調不良」だと考えています。

私たちの脳は普段、興奮とリラックスを状況に応じて、バランスよくコントロールしています。仕事や運動をするときは興奮していますが、興奮が高まりすぎるとそれをセーブし、リラックスするように脳が調整しています。

このように脳が正常に働くためには、自律神経の働きによって興奮したりリラックスする必要があります。

しかしパニック障害の方の場合は、この自律神経の働きが乱れてしまい、交感神経の働きが過敏に働いていると考えています。

この知識を前提として、なぜパニック障害の原因が「脳の栄養不足」と「体調不良」なのかについて詳しくお話します。

 

1-1.パニック障害の原因 その1.脳の栄養不足

私たちの身体は、私たちの食べたものから作られています。これは誰もが知っている事実ですが、脳の働きも同様です。しかし、多くの方は、単に「食べれば栄養はとれている」と思い込んでいらっしゃるようです。

 

私たちの脳が正常に働くためには、身体を作り上げるアミノ酸・ビタミン・ミネラルなどが必要です。これらの栄養が十分とれている時には、脳は興奮・リラックスを状況によりバランスよくコントロールし、本来の力を発揮することが出来ます。

逆に脳の栄養状態が満たされなければ、人間の脳内では「栄養不足だからもっと栄養をとれ!」と、自律神経を通じて、次のような指令を身体に下します。

 

1)胃や腸への血液の流れを抑える

2)交感神経が働き、心臓の拍動を高め、活動に備える

3)活動をするため、筋肉に血液が集められる

4)栄養状態の悪化によるストレスに対抗するため、副腎からアドレナリン(怒り・イライラ)とノルアドレナリン(不安・恐怖)が分泌される

 

身体の栄養素が足りていないため、この1~4の一連の流れが繰り返し続きます。この反応が続くことで、脳が常に興奮するようになり、身体は常に緊張状態となります。

緊張状態が続いている状態は、交感神経の働きが過剰に働いている状態と言えます。その結果、アドレナリンやノルアドレナリンが過剰に分泌されるようになります。

アドレナリンは心機能を活発にするので、動悸の原因となります。そして、ノルアドレナリンは通常だと「やる気」「集中力」をもたせますが、過剰に分泌されると「不安」「緊張」「恐怖」を感じるようになってしまいます。

このようにして脳が栄養不足になることで、脳は正常な働きが出来なくなります。

 

1-2.パニック障害の原因 その2.体調不良

栄養不足により、自律神経の働きが低下し、結果として様々な症状が身体に起こります。

 

それらの症状は、病院の検査でも原因は特定されないものばかりです。パニック障害の患者さんによくある症状として、

 

◯ 光過敏 音過敏

◯ 頭重感、頭が締め付けられる。額が熱くなる

◯ 動悸、めまい、立ちくらみ

◯ 何故かモヤモヤする。ザワザワして落ち着かない

◯ 食欲不振、吐き気、下痢

◯ 倦怠感、すぐに疲れる、慢性疲労

◯ 寝付きが悪い、熟睡感がない

があげられます。

このような症状が人によっては数個、ひどい方だとすべての症状がみられます。体調不良が起こると、そのストレスに対抗するため(体調不良を脳がストレスと感じる)、脳内でアドレナリンやノルアドレナリンが作られます。体調が悪いとイライラするのは、このアドレナリンやノルアドレナリンの働きによるものです。

 

アドレナリンやノルアドレナリンが脳内に多いと、脳の興奮は高まります。たった1つの体調不良でも、ひどくストレスを感じます。多くの体調不良が重なれば、その分だけストレスを感じ、その分のアドレナリンやノルアドレナリンが作られます。そのため、多くの体調不良があると脳の興奮がひどくなり、結果としてパニック発作の原因となります。

 

1-3.パニック障害の原因 その3.動物脳の暴走

脳の機能はおおざっぱにわけると、生命活動や本能を司る「動物脳」と知性や理性を司る「人間脳」に分けられます。

飼い主が、犬をリードで誘導しながら散歩する。これと同じように、人間脳が動物脳をうまくコントロール出来ているからこそ、脳の思考は正常に働くことになります。

 

しかし、自律神経の働きが乱れてくることで、身体は常に緊張状態となります。人間のエネルギーを作るには、酸素とビタミンB1が必須となりますが、緊張状態になると呼吸が浅くなり酸素不足となります。

これによってエネルギーが不足するようになります。エネルギーが不足することで人間脳がうまく働かなくなり理性や知性が働かなくなるので動物脳の本能である感情がただ漏れするようになります。

 

これが不安・緊張・恐怖と感じるのがパニック障害です。

 

 2.パニック障害を治す

病院の薬でパニック障害が完治する方はとても少ないようですが、その理由としてあげられるのは病院の薬は症状を抑えるだけの対処療法だからです。

一方で、 「脳の栄養不足」と「体調不良」を改善した方達は、そのほとんどがパニック障害を繰り返すことはありませんでした。このことからも、私は根本的な体質改善をオススメしています。

 

2-1.体質改善をしてパニック障害を治す方法 その1.栄養をとる

患者さんは胃腸の働きが悪くなっているため、食欲が低下している方がほとんどです。

その上で、朝はパン、昼はおにぎりや麺、といった炭水化物など軽い食事で済ませてしまい、中には朝食抜きといった方もいます。これでは栄養が足りているはずもありません。

まずは、脳に必要な栄養素をとるために(タンパク質・ビタミン・ミネラル)が含まれる和食をオススメします。ご飯に味噌汁・海苔に卵・魚などが理想的です。

 

特に、パニック障害で悩まれている方に食べていただきたいのが、豚汁です。豚汁は汁物なので、胃腸が弱っている方でも吸収力が高いためオススメしています。胃腸の働きがある程度改善するまで続けて欲しいと思っています。

ただし、たとえこう内容の食事をしたとしても、胃腸の働きが悪くなっているのがパニック障害の患者さんたちです。そのため、サプリメントなどで栄養を補います。つまり、症状が改善した後に、またパニック障害が起きないような食生活の習慣をご紹介しているとお考えください。

 

2-2.体質改善をしてパニック障害を治す方法 その2.漢方薬による治療

パニック障害の根本的な原因である「脳の栄養不足」と「体調不良」を改善するためには、体質改善が必須です。

胃腸の働きが悪化しているならば、その改善なしに食事で栄養などとれません。また、不定愁訴(体調が悪いという自覚症状を訴えるが、検査をしても原因となる病気が見つからない状態を指す)のような多岐にわたる体調不良は、現代の薬では対処できません。

 

一方で、漢方薬は、不定愁訴である自律神経失調症・胃腸の回復・食欲を増進させる、といった体質改善の補助をする働きが期待できます。

「漢方薬は時間がかかる。だから、なかなか治らないのではないか?」といった心配もあることでしょう。しかし、そんな心配はいりません。栄養を十分にとり漢方薬を併用することで、短期間で体調不良は改善されます。

 

2-3.体質改善をしてパニック障害を治す方法 その3.時間が短いと感じる運動をする

脳の栄養不足によって自律神経の働きは悪化してしまいます。栄養と漢方薬による体調不良の改善がある程度目安が、運動をオススメしています。

 

その運動とは、楽しく歩くことです。健康になりたいからと、楽しく1時間の散歩をする方もいます。一方で、やっと30分歩いた…と苦痛を感じる方もいます。これでは、かえって脳を興奮させることにつながりますので逆効果になります。リラックスした運動でないと呼吸は浅くなり酸素を取り込めないのでエネルギー不足にもなります。

 

ご家族の方と話しながら気分転換に散歩をする。この程度で十分です。時間が短く感じる運動だけをしてください。

 

3.まとめ

パニック障害の原因は、私の実務経験から「脳の栄養不足」と「体調不良」の2つだと考えています。

いくら栄養をとっても身体の体調不良があれば、身体は緊張状態となりなかなか改善できません。

 

「木を見て森を見ず」ということわざがありますが、パニック発作にばかり気をとられすぎてはいないでしょうか?

「食事が適当だった」「確かに体の調子が悪い」など、思い当たることのある方は、ぜひご紹介したことをお試しください。

 

本サイトは、私の実務経験に基づいた考察をご紹介しています。また、解説する病気の症状は典型的なものを紹介しています。記載された症状がその病気をもつすべての方に当てはまるわけではありません。治療法その他についても、あくまでも自分でできうる対処と医療における代表的なもののみを掲載しており、治療法すべてを網羅するものではありません。病気の診断および治療に関しては、必ず医師による説明を受けるようにしてください。

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