更年期障害を改善する治療方法。

「のぼせが酷く、顔が真っ赤になってしまいます。頭も重くて、時々偏頭痛も出ます。この頃はご飯が美味しいと思えません。」と相談にご来店されたのが50代の女性(Mさん)です。病院では更年期障害と診断され、1年ほどホルモン剤を服用してもなかなか改善しないということでご来店されました。

Mさんは半年ほどで改善されました。Mさんが改善できた方法は漢方薬ですが、今回は更年期障害の治療方法についてお話ししたいと思います。

1.更年期障害の症状

更年期障害とは、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌量が、40代になると急激に減ってしまい、そのホルモンバランスの崩れに身体がついていかないことで様々な体調不良をおこすことをいいます。

 漢方の世界ではこのような体調不良を不定愁訴といいます。

※不定愁訴(ふていしゅうそ)とは、「頭が重い」、「イライラする」、「疲労感が取れない」、「よく眠れない」などの、何となく体調が悪いという症状をうったえます。しかし、検査をしても原因となる病気がありません。さらに、患者さんからは主観的で色々な症状を訴えます。客観的にはその症状があるのか判断することが難しく、症状も安定していないため、対処療法が中心である病院では治療が難しくなっています。

参考文系 更年期障害 | e-ヘルスネット 情報提供 厚生労働省

1-1.主な不定愁訴の症状

更年期障害の症状は患者さん本人だけにしか感じられない体調不良がほとんどです。

そして自律神経失調症と同様の症状があらわれます。

・のぼせや顔のほてり

・頻脈

・動悸・息切れ

・異常な発汗

・耳鳴り

・頭痛・頭重感

・めまい

 

精神的な症状としては、

・イライラ

・不安感

・うつ

・不眠

などです。

2.更年期障害の原因

更年期障害の原因はエストロゲン減少だと言われています。そして、このエストロゲンが減少すると、脳の感情調整する物質であるセロトニンの生成が減ることがわかっています。

 このセロトニンの分泌が減ることで様々な体調不良をおこすと私は考えています。

さらに、このセロトニンの分泌が減少することでストレスを感じるようになり、アドレナリン・ノルアドレナリンを分泌しそれが体調不良を起こすと考えています。

2-1.セロトニン不足による精神バランス悪化

セロトニンは脳を状況に応じて、興奮させたりリラックスさせたりする重要なホルモンです。この物質が不足すると感情のコントロールがうまくいかなくなります。

 それによって、イライラや抑うつ感が出ることになります。このような精神状態は人によってはストレスを感じるようになります。

 このストレスを感じることで、ストレスに対抗しようとアドレナリンやノルアドレナリンという興奮物質が分泌されます。アドレナリンは過剰に分泌されることで怒りなどを覚えます。そしてノルアドレナリンは過剰に分泌されると、不安や緊張を感じることになります。

 このようにして、更年期障害においては精神的に不安定な状態になると考えられます。

 

2-2.自律神経のバランスが崩れる

2-1でお話ししたようにストレスを感じると身体にはアドレナリンやノルアドレナリンが分泌されます。この2つは自律神経の一つである交感神経を興奮させる神経伝達物質でもあります。

 過剰に分泌されたアドレナリンやノルアドレナリンは、交感神経の働きを活発にしてしまいます。それによって身体は常に緊張状態となり自律神経のバランスは崩れます。

 具体的に交感神経の働きが活発になると

・血圧上昇

・血管収縮

・胃酸分泌を抑える

・胃腸の働きが低下

・唾液が出にくくなる(口が渇くようになる)

血圧上昇や血管収縮により、のぼせやほてり、動悸・息切れ・異常な発汗が起こります。このような原因で更年期障害になると考えられます。

3.更年期障害の改善

更年期障害の治療方法をご紹介します。

3-1.病院での治療

病院においての治療方法はホルモン補充療法がメインとされています。

 ホルモン補充療法とは、閉経前後に体内で不足してきた女性ホルモン「エストロゲン」を、のみ薬などで補充する療法です。ホルモン剤を服用することでの副作用が問題とされているようですが、ホルモン補充療法による改善率は7割近くになります。

しかし、治療期間が1年以上かけている人が全体の60%と時間がかかる治療になります。

参考文献http://www.qlife.co.jp/news/150119qlife_research.pdf

 

3-2.漢方薬での治療

不定愁訴という言い方は漢方での考え方から作られたものです。そのため、漢方薬は不定愁訴を改善するにあたって一番優れた治療法だと私は考えています。

 しかし、漢方薬を病院の薬にように使うことは、私は疑問に思っています。病院で処方される漢方薬は、体質や体調を考えて出しているわけではありません。薬の説明書に記載の「効能」という欄に更年期障害と書いてある薬を出しているだけです。

漢方薬は、効能効果で薬を選ぶのではなく漢方薬は症状よりも体質に合わせることの方が重要です。というのは、漢方薬は体質にあわせて身体の不定愁訴を改善することを、何千年とかけて作られてきたものだからです。

 

私が漢方薬を選ぶ際には

◯望診 患者の顔色、肌の状態、動作、舌の状態を診る

◯聞診 しゃべり方、口臭、体臭

◯問診 患者さんの話、訴えを聞く

◯切診 脈、腹部の状態、その他身体の状態を触診(薬剤師は患者さんの身体をさわれないのでご本人にやってもらいます)

の4つです。

上記4つから得られた情報から、その患者さんに最も適した漢方薬を処方しています。そのため、漢方薬を選ぶだけでも20~30分近くはかかります。少なくとも、上記の事を踏まえた上で選んでくれる、医師や薬剤師等に相談されるのをおすすめします。

4.よりよく更年期障害を改善するために

私は更年期障害の一番の原因はセロトニンによるものだと考えています。そして、このセロトニンが不足する原因は栄養不足だと考えています。

 もし、ホルモンだけが原因だとしたらホルモン補充療法ですべての更年期障害の患者さんたちは改善するはずです。しかし、現実には7割。しかも1年以上かかる治療となってしまいます。

 ホルモン補充療法をしても、自律神経の働きは完全には整いません。その為、胃腸の働きが悪い・食欲が無いなどといった症状は残ってしまいます。その結果、栄養が不足してしまうことになります。

冒頭にお話しをしたMさんも、胃腸の働きが低下することで食欲はありませんでした。そこで自律神経の働きを整えつつ、食事指導をした上での結果です。

セロトニンの原料は、タンパク質・ビタミン・ミネラルです。これらの栄養素が十分取れるものとしては和食があります。特に胃腸が弱っている時は、汁物である味噌汁・鍋などを胃腸に負担が出ない程度に食べることをおすすめしています。

5.まとめ

更年期障害の治療方法は、主にホルモン補充方法です。これでも改善できない方は漢方薬での治療をおすすめします。

 というのは、更年期障害の症状は漢方では「不定愁訴」と呼ばれるものです。その為、更年期障害には漢方薬はとても効果があります。ただし、効能効果で薬を選ぶのではなく、体質・体調から選ぶ必要があります。

 

本サイトは私の実務経験に基づいた考察をご紹介しています。また、解説する病気の症状は典型的なものを紹介しています。記載された症状がその病気をもつすべての方に当てはまるわけではありません。治療法その他についても、あくまでも自分でできうる対処と医療における代表的なもののみを掲載しており、治療法すべてを網羅するものではありません。病気の診断および治療に関しては、必ず医師による説明を受けるようにしてください。

気持ちの問題と勘違いしやすい社会性不安障害

「外出すると人の目が気になってしまい、怖くなってきます。昼間は人がいるので夜に近所の自動販売機に出かけるのだけしか外出出来ません。」と外に出ることが出来なくなってしまい、相談にいらしたのが19歳の男性(H君)のお母さんです。

H君は中学までは普通の生活をおくっていました。高校2年に学校で人と話をするのが怖いと言いだし、不登校になりました。それから1年ほどは昼間でも家から出ていたそうですが、ここ1年は、夜に自動販売機まで出かけるだけで全く外に出ていないということでした。

H君は、自分の性格が変わってしまったと思っていたそうです。外に出ることが怖いので病院にも行けません。お母さんもH君の性格の問題だと考えていたそうですが、あまりにも外に出ることが出来ないH君がおかしいと、インターネットで調べて社会性不安障害という病気を知ったそうです。

しかし、病院に連れて行きたくても怖くて外出出来ません。カウンセリングをしたくても、人と会話がするのが怖いと出来ません。こうして2年近くたってしまったようです。

 

H君のように、人前で何かを発表したり、歌を歌ったりする。他人に注目されている場面など、このような状況に自分が置かれたり、このような状況に自分が置かれることを想像する時、「緊張したり」「不安を感じたり」することは誰でもあります。しかし、このような状況で人よりも「強い不安」を感じたり、そのような状況を避けるようになり、日常生活に支障をきたしてしまう病気を社会性不安障害と言います。

まずは社会性不安障害かどうかのチェックをしてみましょう

1.社会性不安障害チェック

 

精神障害の診断と統計マニュアルをもとに作成された簡易構造化面接法(M.I.N.I.)によれば、以下のすべての項目に当てはまる場合は、社会性不安障害の可能性があるとされています。逆に1個でも当てはまらない場合は社会性不安障害ではないとされています。

 

・人前で、話をしたり食事をしたり文字を書いたりするときに他人から注目されていると思うと、怖くなったり戸惑ったりする

・それは、自分でも怖がりすぎていると思う

・それは、わざわざ避けたり、じっと我慢したりしなければならないほどである

・それによって職業・社会生活が妨げられているか、または著しい苦痛を感じている

 

このように社会性不安障害は、普通の人であれば特に緊張したり、不安を感じたりすることのない状態でも強い不安・緊張を感じる事があります。さらに社会不安障害の方は、強い不安・緊張を感じる時に、つぎのような症状が現れます。

・手足が震える

・息が苦しくなる

・動悸がする

・大量の汗をかく

・顔が赤くなる

・声が出なくなる

・頻繁にトイレにいきたくなる

精神的な症状以外にも身体的な症状が現れるのが社会性不安障害です。自分では長い間この病気にかかるようになると性格の問題だと考えてしまう方もいます。

2.社会性不安障害を克服した3つのケース

社会性不安障害はコミュ症や人見知りといった性格の問題だと勘違いされやすく、放置されていることも多くみられます。そのため、諦めてしまっている方もみられるようです。

社会性不安障害は治らない病気ではありません。諦めないで下さい。

2-1.外出できなくなってしまったH君

先ほどお話ししたH君ですが、人と話をするのが怖くなってしまった高校2年生の時に何があったのかを聞いてみました。お母さんから「友達とトラブルがあってからしばらくして、人と話すのが怖いと言い出したので友達とのトラブルが相当ショックだったのではないかと思います」とのことでした。

そこで、そのトラブルの後のH君は食事をとっていたのかを聞いてみました。するとお母さんからは「そういえばその頃から食欲が落ちて食べムラがひどくなった気がします」とのことでした。

 

詳しくお話を聞いていると今のH君は、昼夜逆転の生活をしていました。朝6時頃から寝て夕方起きる。食事は昼と夕方に自分の部屋のパソコンの前で1人で食べているとのことでした。ほとんど家族と一緒に食事をすることもなく、持っていった食事も残すことが多いようです。

そして体調に関して相談時に話を聞いてみると、話をしようとすると嫌そうな顔をする。口癖のように「だるい」「頭が痛い」と言っているようでした。

 

そこで私はとにかく食事を自室で食べさせるのではなく、食卓で食べるようにお願いしました。そして漢方薬と栄養剤を服用してもらいました 

1ヶ月後の相談事の時にお母さんから「息子が会話をするようになりました。夕方起きるのは相変わらずですが、夕食後から私達が寝るまでの間は色々な話をしています。前のように嫌そうな顔をすることもありません」とのことでした。

2ヶ月目の相談の時には、「昼夜逆転の生活が治ってきて、暇だと言って昼間に自動販売機まで行くようになりました」とのことでしたので、私は「本人が不安を感じていないようだったらコンビニやレンタルビデオ屋さんにでも行くように言って下さい。」と伝えました。

そして3ヶ月目には初めてH君と話が出来るようになりました。H君からは「コンビニやレンタルビデオ屋には行けるようになりました。昼間出ても人の目は気になりません。まだ、人が多い所は不安があるので行っていません」とのことでした。

半年目には「不安はありません。電車も乗れますし、人混みも怖くありません。高校の時の友人にも連絡をとって話しをしています」と社会性不安障害は克服しました。

今は通信の高校に通いながらバイト生活をしています。半年目のH君は「なんで今まで人の目が怖かったのかわかりません」という言葉が印象的でした。

2-2.経営者なのに接客が苦痛で困っている

「会社を経営しているのですが、商談するのが怖くて仕方がありません。1人だと何を話しているのかわからなくなってしまうので、今は妻が同席してもらっています」と相談にいらっしゃったのは40代の男性(Kさん)です。

 Kさんは30代の前半までは会社員として働いていました。その頃は、人との会話は問題なかったそうです。30代半ばで会社を起こしたそうです。そして忙しい毎日をおくっていました。自分が人との会話を緊張するようになったのは40才になった頃だそうです。

 「お客さんと電話中に、急に頭がフラフラしてきました。そして顔が真っ赤になり動悸がひどくなったのは覚えています。何を話したのか覚えていません」と初めて今の症状が出たそうです。

 この後、人と会話をするのが辛くなり、家族だけがリラックスして会話が出来る相手になったそうです。私との会話も辛そうでした。病院に受診したところ「社会性不安障害」と診断され薬を処方され、服用してきたそうです。

しかし、薬を服用していても人との会話は緊張するし、自分が何を話しているのかもわからなくなってしまう事は変わらない。なんとかしたいとインターネットで調べて私のところの相談にいらっしゃいました。

Kさんは私との会話で緊張しているのが伝わってきました。そこで体調などを聞いて漢方薬と食欲がほとんどないということなのでサプリメントを服用するようにお願いしました。

2ヶ月目には私との会話は問題なくなってきました。食欲も出てきたそうです。今でも人との会話は相当緊張するようですが、自分が何を話しをしているかはわかっているとのことでした。

そして4ヶ月目にはKさんから「もう人との会話で緊張することもなくなりました。妻からももう平気そうだね。と言われました。」と社会性不安障害を克服しました。「今まで会話も辛かったのですが、身体がだるい、頭が重かったのがそれもなくなって良かったです」との声もいただきました。

今でも栄養が重要だと理解していただき、サプリを服用して元気に仕事をされています。

2-3.家からでなくなってしまったSちゃん

「娘が外が怖いと言って、学校に行きたくないと言ってます」とご来店されたのは、13歳の女の子(Sちゃん)とお母さんです。

 Sちゃんは12月の中旬に「人目が気になる」「友達と話をすると緊張する」と言っていたそうです。それが冬休みに入る頃には「外が怖い」「学校に行きたくない」と言い出しました。

 1月の中旬にご来店されました。Sちゃんは学校には行っていません。日常生活では一日中パソコンの前に座ってユーチューブを見ています。お母さんに聞いてみますと、家族との会話は「不安だということをしきりに話をする」事以外はなかったそうです。

 Sちゃんは、小学校の頃から時々不安だということをしきりに話しをしていて、小学校時代にも不登校になったことがあったそうです。そこで私は「今のSちゃんと、学校に普通に行けていた時のSちゃんの違いはありませんか?」とお母さんに聞きました

 

お母さんは「不安だということを言う以外はわからない」とのことでしたので「会話が成り立たなくなった時に、不安をしきりにいうようになっていませんか?それから喜怒哀楽がなくなった時だと思うのですがどうですか?」と聞くと確かにその通りだとのことでした。

体調不良は口の渇きと身体の倦怠感、食欲が無い。事以外わからなかったので、まずはサプリメントだけを多めに服用してもらいました。

半月目にご来店いただくと、Sちゃんは質問に関して返答できるようになっていたので、それ以外の体調不良を聞きました。13才の女の子が頭痛・肩こり・倦怠感・口の渇き・動悸・のぼせと色々な体調不良がありました。これをもとに漢方薬とサプリを服用してもらいました。

2ヶ月目にSちゃんと話をしている時の事です「私はいつからこの薬を飲んでいる?」と質問され「今が3月だから2ヶ月くらい前からだよ」と答えると「自分がなぜ、ここに来たのか、いつから飲んでいるのかがわからない」と返事が来ました。またこの頃には学校の保健室登校は出来るようになっていました。

喜怒哀楽がない不安障害の方の場合は記憶が残らないことがあります。これは感情がマイナスだけに行っている時に多く見られます。4月に入って2年生になってからは教室にも入れるようになりました。こうしてSちゃんは3ヶ月程度で社会性不安障害は克服出来ました。

3.社会不安障害の原因

社交不安障害を発症している患者においては、10代の発症が圧倒的に多い疾患です。性差は明らかでなく、男性でも女性でも発症する疾患です。またセロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質が異常をきたしている事がわかっています。

 これらのことを考えると原因は「脳の栄養不足」と「体調不良」が大きな原因だと私は考えています。

詳しいことは「不安障害の原因を正しく理解しよう!身近に起こりえる不安障害とは」をご覧ください

3-1.脳の栄養不足

 私たちの喜怒哀楽という感情は、脳の中で興奮・抑制(リラックス)・調整という3つの感情物質のバランスがとれている時に出来るものです。この感情物質はすべて私たちの食べているものから作られます。そしてその原料はアミノ酸・ビタミン・ミネラルです。

 これらの栄養物質が不足すると、3つの感情物質のバランスは崩れてきます。その結果、興奮物質だけが作られていくようになります。この理由は脳の栄養不足は人間の生死にかかわる危機的状況です。その危機的な状況というストレスに対抗するため、最後まで興奮物質を作り続けるのです。

 この興奮物質が不安障害をおこす原因です。興奮物質にはアドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンがあります。この3つの興奮物質は感情物質のバランスがとれている時と、崩れてしまった時とでは感情への働きが変わってしまうのです。

 

バランスがとれている正常な時は、アドレナリンは身体を動かす活力、ノルアドレナリンはやる気・意欲、ドーパミンは動機・学習に関わっています。しかし、このバランスが崩れるとアドレナリンは怒り・イライラ。ノルアドレナリンは不安・緊張・恐怖。ドーパミンはこだわり・依存という感情に変わります。

 社会性不安障害の方は、漠然とした不安を感じています。これはノルアドレナリンの働きによるものではないかと考えられます。そして、人の目が気になるといった特定のものに関してのこだわった不安感は、ドーパミンの働きだと考えられます。

このようにして、栄養がたりなくなることで社会性不安障害になると考えられます。

3-2.体調不良

栄養不足になることで、アドレナリンやノルアドレナリンといった興奮物質が身体に放出されます。それによって、自律神経の働きが乱れることになります。

自律神経には交感神経と副交感神経の2つあります。交感神経は活発に身体を動かす神経で、交感神経の働きが活発になると心臓の働きは活発になり、胃腸の働きは低下します。逆に副交感神経の働きが活発になると心臓の働きはゆっくりになり、胃腸の働きは活発になります。

この2つの神経は相反する働きがあり、どちらから活発に動いている時はもう片方の働きは低下するようになっています。そして、アドレナリンやノルアドレナリンが身体に放出されると交感神経の働きが活発になるようになっています。

アドレナリンやノルアドレナリンの放出が一時的なものでしたら問題ないのですが、栄養が不足している状態が慢性化すると常に交感神経の働きが活発になってしまいます。これにより、身体は常に緊張状態となりストレスを感じるようになります。

ストレスを感じることで、さらにそのストレスに対抗しようとアドレナリン・ノルアドレナリンが放出され、自律神経の働きは乱れ、自律神経失調症の症状が出てきます。これが体調不良の原因です。

 

自律神経失調症の症状としては

・めまいや耳鳴り

・立ちくらみ

・胸が締め付けられる感じがする。

・胸がザワザワする感じが時々ある。

・息苦しくなるときがある。

・胃の調子が悪い

・よく下痢や便秘をする。または便秘と下痢を繰り返す。

・肩こりや腰痛

・身体がだるい、慢性的に疲労感がある

・寝ても寝ても寝足りない

・喉に異物感・違和感がある

といった症状が代表的です。

そして社会性不安障害の方もこれらの症状を複数かかえています。

4.社会性不安障害の改善

社会性不安障害の原因は「脳の栄養不足」と「体調不良」です。改善するためにはこの2つを解決することが重要です。そしてこの2つを解決した後に、暴露療法などを行うことで社会復帰をすることです。

 詳しい事は「社会性不安障害の克服」の記事をご覧ください。

4-1.栄養をとる

脳の感情物質の原料は先ほどもお話しましたが、アミノ酸・ビタミン・ミネラルです。これらの栄養をより多くとることが重要です。

 発酵食品が多く、必要な栄養素がとりやすい和食中心の食事をお願いしています。

 しかし、社会性不安障害が出ている方の場合は、食事だけでの栄養では足りません。幅広くサプリメントで栄養を補う必要があります。なお、サプリメントは、こういった考え方を理解している医師や薬剤師などの専門家に相談して購入されることをおすすめします。

4-2.体調不良を改善する

体調不良の原因は病院で検査をしてもほとんどの場合は原因不明又は自律神経の働きが悪化した、自律神経失調が原因です。そのため、自律神経の働きを改善する必要があります。

 4-2-1.不定愁訴の改善

これらの体調不良を漢方では不定愁訴といいます。その改善する方法の第一選択として、漢方薬をおすすめしています。そして、その漢方薬の選び方は効能効果で選ぶのではなく、症状やその時の体質などで選びます。

 少なくとも、上記の事を踏まえて選んでくれる医師・薬剤師に相談することをおすすめします。

4-2-2.身体を動かす

仕事で疲れたからといって休日にゆっくりしたり、寝だめのようなことをした時、その翌日にはかえって身体は疲れるようになっています。なぜなら、このような行動は自律神経の働きを悪化させるからです。

 自律神経の働きを改善する方法としては、やはり身体を動かすことです。しかし、やみくもに運動をすればよいというものではないと私は考えています。例えば、健康になりたいからといって「やっと30分歩いた…」といった苦痛を感じる運動は、かえって脳を興奮させることにつながります。

 そのため、私は楽しいと思える運動をすることをおすすめしています。家族や緊張しない友人と話をしながらの散歩。ゆっくり散策できるような旅行をおすすめしています。このように身体を動かしている時には時間は短く感じます。

4-3.暴露療法

社会性不安障害は、誤認識の不安・緊張・恐怖を感じている状態です。人と話をしていて恐怖をなぜ感じてしまうのか?これは自分でもわかりません。この間違った認識を改善するための方法を暴露療法といいます。

暴露療法の方法とは、自分が恐怖・不安に思っている状況や場所、環境に対してあえて自分で踏み入れ身を晒す方法です。

緊張・不安を感じている状況に自らの意志でチャレンジする必要がありますので、はじめは相当な緊張・恐怖を感じることになります。しかしこういった環境にチャレンジして、うまく乗り切ると非常に大きな自身につながります。

暴露療法はとても有効な方法ですが、脳の興奮がおさまってから行うことで間違った認識を理解できるようになります。まずは、脳の栄養不足と体調不良を改善してから行うようにして下さい。

4-4.病院での治療

日本では、社会性不安障害に承認されている薬は、抗うつ剤のフルボキサミンだけです。抗うつ剤は、うつ病の薬だと思われがちですがこの薬は脳の感情を調整するセロトニンの脳内の濃度をあげるものです。

脳内のセロトニンの量を増やすことで、不安や緊張をほぐして気持ちを楽にします。

5.社会性不安障害の方に対しての接し方

社会性不安障害の方は、人に対しての恐怖感をもっています。人と話をする事。人目が気になり外出する事も出来ません。

しかし、家など社会性不安障害の方が安心できる場所の場合は、発作も出ることも少ないため、気をつけることは「頑張って外に出よう。」「頑張って人と会話をしよう」と言った社会性不安障害の方にとっての悩みを気持ちの問題だととらえて励ますことです。相手がリラックスしているからこそ普段と同様に励ますことでなく、会話を楽しむことが一番大事です。

6.まとめ

社会性不安障害はコミュ症、人見知りといった対人恐怖症と呼ばれる症状があります。そして、これらは性格の問題だと勘違いされている場合が多く見られます。家族や友人といった周りの人だけでなく、本人さえも性格の問題だととらえがちです

薬の内容もどこかに入れて欲しいと思います。

その為、克服しようと強い不安・緊張・恐怖を感じながら立ち向かう事でかえって脳が興奮してしまい社会性不安障害が悪化することも少なくありません。

社会性不安障害の原因は「脳の栄養不足」と「体調不良」です。実際に社会性不安障害の方は少食・胃腸が弱い・偏食といった方がほとんどです。また、社会性不安障害の病歴が長い方ほど様々な体調不良をもっています。

性格だと考えている症状は、脳の興奮によって本人に関係なくおこっているものです。だからこそ、脳の興奮の原因である「脳の栄養不足」と「体調不良」を改善することが、社会性不安障害を克服することになります。

 

本サイトは私の実務経験に基づいた考察をご紹介しています。また、解説する病気の症状は典型的なものを紹介しています。記載された症状がその病気をもつすべての方に当てはまるわけではありません。治療法その他についても、あくまでも自分でできうる対処と医療における代表的なもののみを掲載しており、治療法すべてを網羅するものではありません。病気の診断および治療に関しては、必ず医師による説明を受けるようにしてください。

社会性不安障害は克服できる。改善するポイントとは

「犬の散歩中に近所の人と挨拶するのが怖いです。それ以外にもスーパーで買い物中に知り合いに会って会話するのが怖いので、遠くのスーパーまで買い物に行っています」とご来店になったのは40代の女性(Yさん)です。

 Yさんは人と会話をすることが怖くなったのは結婚した30代の頃からでした。それまでは、仕事での電話の対応、会社での人間関係に困ったことはなかったそうです。子供が小学生になって学校で先生や保護者との会話が増えるのではないか、なんとかしたいということでご来店になりました。

人との会話も困難になり、さらに人に注目されることが怖くなり、人が多いところにいる場所をも、強い不安や苦痛を感じる症状を社会性不安障害と言います。社会不安障害は、自分でも、そんなふうに恐怖を感じるのは変だな自覚はしていますが、その気持ちを抑えることが難しくなります。徐々に、恐怖を我慢しながら生活したり、外出や人と会うこと(怖いと感じること)を避けるようになったりします。

 「コミ症」や「引きこもり」と呼ばれる方がいますが、これらの方の多くがこの社会性不安障害に含まれるのではないかと思います。

1.社会性不安障害の原因

社会性不安障害は人とのコミュニケーションがうまくいかない方達が多いため、性格の問題だと思われている事が多いです。私は、社会性不安障害は脳の働きが乱れるためにおこるものだと考えています。それでなければ、Yさんのように、急に人との会話が怖くなるというのはおかしい話です。

私は社会性不安障害の原因は脳の栄養不足と体調不良による、脳の興奮だと考えています。この2つが主な原因だと考える理由を詳しく説明します。

1-1.脳の栄養不足

私が今までの相談の経験で、社会性不安障害の方の共通点があります。それが栄養不足です。

食事の量が少ない。胃腸が弱い。栄養バランスが崩れている。この3つのどれかしらが原因で栄養が不足しています。

 脳が栄養不足になると、私達の身体はストレスを感じることになります。それによって、アドレナリン・ノルアドレナリンといったホルモンを放出します。この2つのホルモンは飢餓状態の身体を活発に動かし、やる気や意欲を出します。

 

しかし、慢性的な栄養不足が続くとアドレナリン・ノルアドレナリンの分泌量は過剰となり、アドレナリンは怒り・イライラ、ノルアドレナリンは不安・緊張・恐怖という負の方向に働くことになります。

社会性不安障害の方が、意味もなく不安や緊張を感じるのは、この2つのホルモンのうちのノルアドレナリンの働きが活発になりすぎているからだと考えられます。

 1-2.体調不良

脳が栄養不足になることで、アドレナリン・ノルアドレナリンが大量に分泌される事で自律神経の働きが悪化します。

 何故ならアドレナリン・ノルアドレナリンは興奮物質であり、これらの物質が分泌されると自律神経の交感神経の働きが活発になるからです。交感神経の働きは、心臓の鼓動を早くし、血圧をあげます。さらに胃腸の働きは低下します。

自律神経には交感神経と副交感神経があり、この2つの働きは相反するものです。身体を活発に動かしたい時は交感神経が働き、リラックスしたい時は副交感神経が働きます。

しかし、脳の栄養不足が続くと身体は交感神経の働きが優位になり自律神経失調症になります。それによって身体の体調不良がおこるのです。この体調不良によって身体はストレスを感じるようになります。

 ストレスを感じると、そのストレスに対抗しようとアドレナリン・ノルアドレナリンを分泌します。自律神経のバランスを悪化させたアドレナリンとノルアドレナリンをさらに分泌するのですから、坂を転げ落ちるように体調不良は悪化していきます。

 その結果、社会性不安障害の方の多くは

・めまいや耳鳴り

・立ちくらみ

・胸が締め付けられる感じがする。

・または胸がザワザワする感じが時々ある。

・息苦しくなるときがある。

・胃腸の調子が悪い

・肩こりや腰痛

・倦怠感

・慢性疲労

・睡眠障害

といった体調不良を複数持つことになります。

2.社会性不安障害の克服

社会性不安障害の原因は「脳の栄養不足」と「体調不良」です。だからこそ、まずはこの2つを改善する必要があります。

2-1.脳の栄養不足の解消

身体に必要な栄養は、5大栄養素として「炭水化物」・「脂質」・「タンパク質」・「ビタミン」・「ミネラル」があります。炭水化物は車で例えるとガソリンです。これは脳に関しても同じことです。脂質は脳において神経の伝達物質などになります。そして、タンパク質・ビタミン・ミネラルは脳の感情をコントロールするのに必要な物質となります。

 脳の栄養不足が考えられるのが、脂質とタンパク質、ビタミン、ミネラルです。炭水化物はパン、ご飯や、甘味の糖質などでほとんどの方はこまめにとっているので、不足している人はほとんどいません。

脂質は、脳の神経伝達物質の原料となっています。不足することで脳の働きが低下することがわかっています。認知証予防においても、青魚などに含まれるオメガ3系と呼ばれる脂質は脳の働きを改善します。

 タンパク質・ビタミン・ミネラルは脳の感情物質の原料となります。感情物質には興奮感情物質と抑制(リラックス)感情物質、そしてこの2つの感情物質を状況に応じてバランスをとってくれる調整感情物質があります。

 脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラルをとるためには和食中心の食事をおすすめしています。和食は味噌などの発酵品が多く、これらにはタンパク質であるアミノ酸が多く含まれています。脂質で一番よい青魚を食べるのも和食の料理に合うからです。

 特に胃腸が弱っている方は、まずは具たくさんの味噌汁や豚汁をおすすめしています。味噌、野菜などが大量に含まれていることで栄養バランスが高いことが一番にあげられます。

 

しかし、正直なところ食事だけでは栄養が足りないことがほとんどです。例えばですが、ビタミン剤を服用すると尿が黄色になります。尿が黄色になるのは過剰のビタミンが排出されたからです。それでは食事をとっていて尿が透明だとしたらビタミンの量は足りているのでしょうか?

常にあなたの身体が100%のビタミンでいっぱいということはまずありえません。ではビタミンが不足しているのにタンパク質が足りているのでしょうか?タンパク質は栄養が不足すると身体から一番にエネルギーに変えられる栄養素です。ですから、少食になる、胃腸が弱くなる、食事が偏り始めてタンパク質が不足していても、身体のタンパク質を使うためタンパク質不足は気が付きません。

 足りない状態が続く事で、急に身体に異変が出てしまうのがタンパク質不足です。その為、ビタミンやタンパク質、ミネラルを幅広くサプリメントなどで補給する必要があります。なお、サプリメントは、こういった考え方を理解している医師や薬剤師などの専門家に相談して購入されることをおすすめします。

2-2.体調不良を改善する

体調不良の原因は病院で検査をしてもほとんどの場合は原因不明又は自律神経の働きが悪化した、自律神経失調が原因です。そのため、自律神経の働きを改善する必要があります。

 2-2-1.不定愁訴の改善

これらの体調不良を漢方では不定愁訴といいます。その改善する方法の第一選択として、漢方薬をおすすめしています。そして、その漢方薬の選び方は効能効果で選ぶのではなく、症状やその時の体質などで選びます。

 少なくとも、上記の事を踏まえて選んでくれる医師・薬剤師に相談することをおすすめします。

 

2-2-2.身体を動かす

仕事で疲れたからといって休日にゆっくりしたり、寝だめのようなことをしたとき、その翌日にはかえって身体は疲れるようになっています。なぜなら、このような行動は自律神経の働きを悪化させるからです。

 自律神経の働きを改善する方法としては、やはり身体を動かすことです。しかし、やみくもに運動をすればよいというものではないと私は考えています。例えば、健康になりたいからといって「やっと30分歩いた…」といった苦痛を感じる運動は、かえって脳を興奮させることにつながります。

そのため、私は楽しいと思える運動をすることをおすすめしています。家族や緊張しない友人と話をしながらの散歩。ゆっくり散策できるような旅行をおすすめしています。このように身体を動かしている時には時間は短く感じます。

3.お勧めの治療方法

社会性不安障害を克服するにあたって、今まで強い不安・緊張・恐怖を乗り切ることは難しい事です。その為に必要なことが、暴露療法と言われるものです。

 しかし、暴露療法は両刃の剣だと考えています。脳の興奮が酷い場合、暴露療法をやることで、かえってトラウマを生むことになり社会性不安障害が悪化することもありえます。私は脳の興奮が治まってからやるべき治療方法だと考えています。

3-1.暴露療法

社会性不安障害は、誤認識の不安・緊張・恐怖を感じている状態です。人と話をしていて恐怖をなぜ感じてしまうのか?これは自分でもわかりません。この間違った認識を改善するための方法を暴露療法といいます。

 暴露療法の方法とは、自分が恐怖・不安に思っている状況や場所、環境に対してあえて自分で踏み入れ身を晒す方法です。

 緊張・不安を感じている状況に自らの意志でチャレンジする必要がありますので、はじめは相当な緊張・恐怖を感じることになります。しかしこういった環境にチャレンジして、うまく乗り切ると非常に大きな自身につながります。

 また、不安や恐怖といった体験を繰り返し行い、そこで乗り切ることで不安や恐怖に対する意識が減ります。

 私はこの暴露療法に取り組むべき時は、意味のない不安感が改善されたときだと考えています。社会性不安障害の方はお分かりになると思いますが、社会性不安障害の方は胸が苦しいから不安といった明確な不安ではなく、平時から意味のない漠然とした不安感をもっています。

 この漠然とした不安感を感じている時は、今までの患者さんと接してきて脳の誤操作が起こりやすいと感じています。そして漠然とした不安感を感じている時に暴露療法をやることでさらに不安・緊張・恐怖を感じてしまい悪化してしまった人もみてきています。

 

暴露療法はとても有効な方法ですが、脳の興奮がおさまってから行うことで間違った認識を理解できるようになります。まずは、脳の栄養不足と体調不良を改善してから行うようにして下さい。

脳の栄養不足と体調不良が改善した後には、暴露療法は自然に行うようになります。患者さんの多くは、「なんとなく外に出ても平気な気がする」「会話をしていても頭に入ってくる」といった事をお話ししてくれます。無理をせずにやることが重要です。

4.まとめ

社会性不安障害を克服することは自分の性格を改善することが必要と考えている人もいます。しかし、社会性不安障害は性格の問題ではありません。脳が興奮することで間違った認識をしてしまっているだけです。

社会性不安障害は人とうまく接することも出来ないため、日常生活を過ごすことが一番難しい不安障害といえます。家族や友人などのサポートも難しい人がいるのも現実です。

 

本サイトは私の実務経験に基づいた考察をご紹介しています。また、解説する病気の症状は典型的なものを紹介しています。記載された症状がその病気をもつすべての方に当てはまるわけではありません。治療法その他についても、あくまでも自分でできうる対処と医療における代表的なもののみを掲載しており、治療法すべてを網羅するものではありません。病気の診断および治療に関しては、必ず医師による説明を受けるようにしてください。

特徴からわかる買い物依存症の原因と対策とは?【保存版】

「どうしても欲しくて買うのですが、結局使うことなくたまる一方です。」

「買わずにガマンしようとすると、他の人に買われたらと思うとガマンできず買ってしまいます。でも、そのあとは罪悪感で…」

「不安になると、なぜか買い物をしないと落ち着きません。」

 欲しいものとは人がもっているもの。といいますが、誰にでも「あ~、買ったけど必要ないものだった!という経験はあります。しかし、これも程度問題で、自分の財布以上の買い物をしてしまうのならそれは買い物依存症かもしれません。

 冒頭の言葉は私のお客様の言葉ですが、その一人は「毎月、収入以上の買い物を続けてしまったため、カードローンの支払いが…」という状態でした。幸い、3か月ほどで問題解決しましたが、それでも「借金の支払いに3年はかかったしまいます…」というお話でした。

 一歩間違えば自己破産や離婚にもつながりかねないのが買い物依存症です。この記事では買い物依存症の原因について紹介しておりますので、参考にしてください。

 1.買い物依存症とは?

買い物依存症とは正式な診断名ではないものの精神疾患の一つとされています。自身にとって不必要なものでありながら次々と物品を購入してしまう症状で、ストレス解消のために買い物をして快楽を得る行為とされています。

 男性がストレス解消にギャンブルを走る(ギャンブル依存症)が強い一方で、女性は買い物依存にはまる傾向が強いようです。なかには、自分の経済力をはるかに超えた買い物をした後、カード破産やローン破産に陥ってしまうこともあります。

 2.買い物依存症チェックリスト

次にご紹介しているのは、私の買い物依存症だった方々から聞いた自覚症状です。あなたが買い物依存症になっているのか、もしくは予備軍なのか次の質問をセルフチェックしてみてください。

1)買い物はするが、使っていないものが多い

2)すでに借金(クレジットカードの支払い含む)でやり繰りがたいへんだが買い物をする

3)買い物をガマンするとイライラしたり不安になる

4)買い物をした後、自己嫌悪に陥る

5)買い物のことで家族とケンカをすることが多々ある

 私がいただいた相談では、すべての方が1)~4)に該当していました。また、5)も該当しなかったのは一人暮らしの方だけでしたので、1)~4)に該当しているのなら後述する買い物依存症の原因を理解して適切なケアをすることをお勧めします。

 3.買い物依存症の人は体の調子が悪い

私の経験では、買い物依存症の方、とくに女性は次のような身体的な特徴がありました。

 ・髪:抜け毛が多い、髪がパサつく、切れ毛、髪が細くなった

・目の下にクマができる

・唇:皮がムケル、荒れやすい

・サカムケ(爪の根元の皮がムケル)

・爪:割れやすい、欠ける、二枚爪、もろい、指でムシルことができる、柔らかい

 また、以下は男女を問いませんが、これらについても複数の不調を抱えていました。

 ・頭の症状:頭痛、頭重、頭がすっきりしない

・目:疲れる、かすむ、目の奥が痛む、まぶしい、乾く(ドライアイ)

・耳:耳鳴り、耳がつまる、音が頭にひびく

・口:粘つく、苦い、まずい、味覚異常、乾く

・めまい、立ちくらみ、動悸

・胃腸:食欲がない、胸のあたりがモヤモヤ・ザワザワする、ゲップ、シャックリ、お腹が

 張る、ガスがたまる、腹部膨満感、お腹が空かない、食べるとすぐにいっぱいになる、

 吐き気、胃もたれ、胃痛、胸やけ

・アゴ:ガクガクする、歪んでいる、痛い、朝ものを噛むとき違和感

・筋肉:肩こり・痛み、首のこり・痛み、背中のこり・痛み、腰のハリ・痛み、ふくらはぎ

 痛、コムラ返り、関節痛、関節のだるさ、風邪かと思って熱を測るが熱がない

 私は、こういった不調が買い物依存症の原因のひとつだと考えています。「なにを言ってるの…?」そう笑う方もいらっしゃるかもしれませんが、次にご紹介する考え方ですでに多くの方々が買い物依存症を解決していますので真剣にお悩み方はお役立てください。

 4.買い物依存症の3つの特徴から考えられる原因

「栄養不足」と「体調不良」。私はこのふたつが買い物依存症の原因だと考えています。今まで語られてきた常識とはあまりにもかけ離れた話に、きっと驚かれている方がほとんどでしょう。ですが、こういった問題は動物の本能を、命を脅かす最大の危機。このとき脳と体は次のような反応をします。

 4-1.原因その1.買い物依存症の人は情緒が不安定                                               

「なに、その態度は…。(ムカつく)」

「その挨拶はないんじゃないの!」

 買い物依存症の人たちはみな、些細なことに腹を立てます。店員さんの表情や言葉遣いに反応し、些細なことで腹を立てます。また、すでにご紹介したように買い物をガマンするとイライラしますし、買った後で自己嫌悪に陥ったりもします。つまり、情緒がとても不安定ですが、その原因が栄養不足と体調不良。

 栄養不足は食欲という本能を満たすことができません。そしてこれは命の危機ですから、脳は交感神経を介して体に次のような指令を与えます。「狩りをしろ!(栄養をとれ)」このとき、副腎からアドレナリンとノルアドレナリンが分泌されます。

 ・アドレナリン:不安・恐怖

・ノルアドレナリン:怒り・イライラ

 餓えた獣が獰猛になっているように、このときの私たちは戦闘態勢をとります。活動に備えて筋肉に血が送られる一方で、胃腸への血流が抑えられます。これは栄養不足が解消されるまで続くことになりますから、それができなければ全身の筋肉にコリが生じます。

 また、胃腸への血流が抑えられたままなら、その働きは悪くなりますからさまざまな胃腸症状が現れます。胃もたれや胃痛、逆流性食道炎、腹鳴り、腹部膨満感、ガスがたまる、吐き気、ゲップ、しゃっくりなどの症状は単なる胃の不調ではなく体が緊張した裏返しだったのです。

さらに、アドレナリンやノルアドレナリンの分泌も栄養不足が解消されるまで続くことになります。不安や恐怖、怒り、イライラをずっと感じていますから、目や耳など五感からの情報がそこに上書きされることになります。

 「ヘビだと思ったらヒモだった!」という経験からわかるように、命に関わる情報はとても強力です。この事実からも、上記のように「はじめから不安・イライラ」といいう情報に五感からの情報が上書きされる〝カン違い″が起きるのがわかります。つまり、店員さんに腹を立てたのではなく、買い物依存症の人ははじめから「イライラ」していたのです。

 4-2.原因その2.栄養が不足すると買い物がガマンができなくなる

栄養が不足すると、脳のパワーが落ちます。これは紛れもない事実です。なぜなら、私たちの活動は血液中の酸素やブドウ糖、栄養から作られるエネルギーに委ねられているからです。

 体には60兆個もの細胞がありますが、エネルギーはこれらの細胞ひとつひとつから生まれます。細胞に酸素や栄養がとり込まれてはじめてエネルギーが生まれ、それを共同利用することで心臓や肝臓、消化器など臓器は活動ができます。これは脳も同じです。

動物の脳とヒトの脳 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、すでにご紹介したように、脳は命に関わる仕事をなによりも優先します。上図の大脳辺縁系に優先して血液が送られる一方で、大脳新皮質への血流は減少することになります。したがって、人の脳はエネルギー不足に陥りますから出力が落ちるわけです。

「ガマン」とは前頭葉の働きですから、栄養不足や体調不良によりパワー不足に陥ったとき買い物がガマンできなくなるのは自然なことだったのです。

4-3.原因その3.買い物欲求が強くなるのは報酬系の働き

付き合う前はマメに連絡したりプレゼントをくれたりしたのに、いざ結婚したら手のひらを返したかのような態度をとる。こういった対応を「釣った魚にエサはあげない」と言いますが、これは脳の働きから次のように説明ができます。

 脳には報酬系という回路があります。この報酬系が活性化するとドーパミンという快感物質がでて、脳は強烈な快感につつまれます。そしてこの報酬系は「こうすれば結婚してくれるかもしれない…」など、報酬が予期されるときにとくに活性化します。

「このデートコースに連れて行けば…」

「このプレゼントなら気に入ってくれるかな…?

結婚前の男性は、こういった予期報酬が働きますから脳は嬉しくて嬉しくて仕方がありません。でも、結婚してしまうとこの報酬系の働きは鈍ることになります。結婚当初は余韻が残りますが、それも時間の経過とともに弱くなります。だからこそ、「釣った魚にエサをあげない」ことになります。

買い物依存症も同じで、「買う前」はドーパミンに満たされて脳は嬉しくて仕方がありません。しかし、買ってしまえば報酬系の働きはなくなります。また、栄養不足や体調不良によりもともと不安とイライラしていた脳ですから、すぐに自己嫌悪に陥ることになります。

「買い物をしたい!」と思うとドーパミンにより脳はウキウキし、ガマンをしようとしますが前頭葉のパワーが落ちています。また、ガマンをするとドーパミンの分泌が減りますから、アドレナリンとノルアドレナリンの感情が強くなりイライラする。

さらに、アドレナリンにより「誰かが買ったらくやしい!」など、不安にまつわる妄想に終始してしまう。これが買い物依存症のメカニズムです。

5.買い物依存症への対策

「はじめから不安やイライラを抱えている」

これが買い物依存症の原因です。だからこそ、買い物について家族などに指摘されるとウソをついたりケンカになったりします。また、後先を考えずに借金をしたり、カードで買いすぎてしまうことになります。これはご説明した脳の働きからご理解いただけたことでしょう。

さらに、「はじめから」というキーワードから、栄養不足や体調不良等、生物にとってもっとも重要な内部情報が満たされていないことが原因であると、何となくでも納得いただけたことと思います。

そこで、再度3章の体調不良をご確認ください。複数該当しているあなたですから、内部情報により不安やイライラを抱えています。そしてそれはアドレナリンやノルアドレナリンなどの仕業です。また、体調不良を改善するには栄養が必要であることもご理解いただけると思います。

以上のことから、買い物依存症の治療は「幅広く十分に栄養をとること」と「体調不良を改善すること」です。(詳しくは別記事で書き、あとでリンクをかけます)食生活の改善は必要ですが、これでは十分ではありません。サプリメントなどで十分に栄養を補いましょう。

ただし、自己判断でサプリメントを選ぶと見当違いの物を選ぶことになると思いますので、買い物依存症と分子栄養学に詳しい医師や薬剤師のアドバイスでサプリメントを利用しましょう。

体調不良については、漢方や鍼灸、気功、整体、カイロプラクティック、ヨガなどで改善するようにしましょう。また、ラジオ体操など自分でできる簡単な運動も続けましょう。

まとめ

きっと、「買い物依存症の原因は本当にこれかもしれない…」と、何となくでも思っていただけたのではないでしょうか?

一方で、ほとんどの方が半信半疑であることも承知しています。あまりにも今までの常識と違う話ですから。ですが、この話に騙されてみる価値はあるのではないでしょうか?

あなたが体調不良を複数抱えていることは、3章をチェックしてみて明らかです。そして、栄養をとることと体調不良を改善することにメリットこそあれ、デメリットはありません。

その結果、何が起きるのか?ご自分で観察してみてください。

きっと…、ビックリするはずです。

女性はアルコール依存症になりやすい?原因と対策【まとめ】

「毎朝、目が覚めるとビールの缶が散乱しています。」(30代独身女性)

「母はいつも酔いつぶれるまで飲んで、目が覚めるとまたすぐに飲みはじめます。」

「会社でも我慢できずに飲んでしまい、酒臭いと噂になり困っています。」(30代独身女性)

 世間で言われるように、女性のアルコール依存症が確かに増えているようです。そして私の経験では、そんな女性たちには髪や目、唇、爪などに特徴的な症状がありました。

 そしてこの身体的な特徴を前提にすれば、「なぜ、アルコール依存症の女性が増えているのか?」そして、「女性が男性に比べアルコール依存症になりやすい原因」が容易に想像できます。母親や奥さん、彼女など、女性のアルコール依存症でお悩みの方はお役立てください。

 1.アルコール依存症の女性に見られる特徴

私のいただいてきた相談では、アルコール依存症の女性には次のような特徴がありました。

 ・髪:抜け毛が多い、髪がパサつく、切れ毛、髪が細くなった

・目の下にクマができる

・唇:皮がムケル、荒れやすい

・サカムケ(爪の根元の皮がムケル)

・爪:割れやすい、欠ける、二枚爪、もろい、指でムシルことができる、柔らかい

 これらはみな、貧血や栄養不足が主因で起きる症状です。例えば貧血検査では血液中のヘモグロビンの濃度を測りますが、この濃度が男性で14g/dl以下、女性で12g/dl以下が貧血とされます。このように、男性に比べ、もともと貧血になりやすいのが女性です。

 とくにビールや酎ハイを何本も飲む傾向がありました。アルコールが肝臓を刺激すると、そこに蓄えられたグリコーゲンという物質がブドウ糖に変わり血糖値が上昇します。また、ビールや酎ハイ、カクテルや果樹酒、日本酒などには他と比べて糖類が多く含まれています。

 2.女性がアルコール依存症になりやすい原因                  

アルコール依存症の患者さんはみな、慢性的な栄養失調状態です。私は、この栄養失調状態がお酒をやめることのできない大きな要因になっていると考えています。 

2-1.アルコール依存症の女性は栄養失調

アルコールを分解するには多くの栄養素が使われます。また、アルコール依存症の患者さんはみな、食生活がとても貧しくなります。このふたつの事実からも、アルコール依存症の患者さんが慢性的な栄養失調状態であることは明らかでしょう。

 脳の神経細胞はもちろん、体にある60兆個もの細胞そのひとつひとつは、血液から届けられる酸素とブドウ糖、ビタミンB1をとり込んでエネルギーを作り出しています。また、そのエネルギーを使い脳や肝臓、心臓などの臓器が活動できます。

 したがって、栄養が不足すると脳や臓器などの働きが悪くなります。なお、この仕組みについては別記事「アルコール依存症は治せる|その症状から分かる原因と対策方法」で詳しくご紹介していますのでご覧ください。

 2-2.貧血の女性はさらに脳や体の働きを悪くする

すでにご紹介したように、女性は男性と比べ、もともとヘモグロビンが少ないのが一般的。このヘモグロビンはアミノ酸からつくられますから、アルコール依存症の女性はヘモグロビンの量が減ることが容易に想像できます。

 そのため、女性はカンタンに貧血が進むことになりますから、脳や体はなおさらエネルギーを作り出せなくなります。その結果、交感神経の緊張し、アドレナリン(不安・恐怖)とノルアドレナリン(怒り・イライラ)などのホルモンにより情緒が不安定になります。

 多量の飲酒は、不安定になった情緒をアルコールでマヒさせるためでもあります。

 3.女性の生理や排卵期に症状が悪化する

自律神経の中枢は脳の視床下部にあります。この視床下部はホルモンの司令塔でもあり、ここから性腺刺激ホルモン放出ホルモンを分泌することで女性の生理周期が成り立ちます。つまり、男性に比べ、女性の視床下部は仕事量が多いことが想像できます。

 しかし、ここまでの説明でお解りのように、アルコール依存症の女性は栄養不足+酸欠(貧血)によりエネルギー不足が起きています。視床下部もまたエネルギーがなければ十分に働くことができません。

 また、栄養不足が交感神経を緊張させていることも問題です。例えば、女性アスリートの多くが生理不順や無月経になることが知られていますが、交感神経の緊張は女性のホルモンバランスを崩す要因となります。

つまり、視床下部は真逆の仕事をいちどにしようとしますが、前述したようにエネルギーが足りません。そのため、脳は余力がなくなり、生理前や排卵期などの女性はなおさら情緒が不安定になり飲酒量が増える傾向があります。

 4.家庭でできる女性のアルコール依存症対策

慢性的な栄養失調状態は、体調だけでなく精神面にも大きな影響を与えることがお解りいただけたと思います。そして、栄養失調は動物にとって最大の危機であるからこそ、栄養状態が満たされるまで情緒は不安定です。これは、海外の被災地などで食糧配給があると大人の男性が女性や子供からそれを奪い取るといった映像からも明らかでしょう。

 別記事「アルコール依存症は治せる|その症状から分かる原因と対策方法」で詳しくご紹介していますが、とにかく幅広く十分に栄養をとるようにしましょう。このとき重要なポイントがあります。

 食生活レベルの改善では、アルコール依存症における栄養状態の改善はできません。また、そもそもアルコールによりダメージを受けた消化器は、食事をとっても十分な消化吸収力がありません。

 まずは、アルコール依存症と分子栄養学に詳しい医師や薬剤師のアドバイスの元、サプリメントを利用して栄養を補うようにしましょう。

 まとめ

女性のアルコール依存症は、その多くが食生活にあると私は考えています。とくに親元を離れた自炊生活では、コンビニのサンドウィッチやお菓子などで昼食をすませるといった話はよく耳にします。また、一人暮らしで夕食もお弁当などですませているケースも少なくありません。

 

こういった食生活が徐々に栄養状態を悪化させ、そこにお酒の席が用意されるとその栄養状態がさらに悪化する。この悪循環が、あっという間に女性をアルコール依存症に招いてしまうのだと私は考えています。

 
本サイトは私の実務経験に基づいた考察をご紹介しています。また、解説する病気の症状は典型的なものを紹介しています。記載された症状がその病気をもつすべての方に当てはまるわけではありません。治療法その他についても、あくまでも自分でできうる対処と医療における代表的なもののみを掲載しており、治療法すべてを網羅するものではありません。病気の診断および治療に関しては、必ず医師による説明を受けるようにしてください。 

アルコール依存症患者に対する家族の接し方と対応【まとめ】

「人様にケガをさせる前に夫が死んでくれたらと…」

 ポツリとそう口にされたのは、ある40代の主婦でした。ご主人はお酒を飲んでも車を運転するだけでなく、車の中にもお酒を常備するほどのアルコール依存症。奥さんは現場を確認していないものの、「おそらく運転中にもお酒を飲んでいると思います。」とお話されました。

 「毎日、もう数年以上、主人が帰宅するまで事故を起こすのではないかと、誰かにケガをさせるのではないかと思うと苦しくて切なくて…。できればひとりで事故を起こして死んでくれたほうが…と思っています。」

 そんなご主人でしたが、幸いなことに運転中の飲酒はもちろん、家庭でも休肝日をつくるほど酒量を激減することができたそうです。それまで、「あ~言えばこう言う」といった人の上げ足をとるような口癖や暴言、暴れることもなくなりました。

 さて、このご主人にいったい何が起きたのか?ご家族のアルコール依存症でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

 1.アルコール依存症患者は家族ともコミュニケーションがとれない人たち

些細なことに反応し、グチグチと小言を言う。

他人やテレビのコメント、政治などの批判が多い。

 アルコール依存症の患者さんは一方通行の主張ばかりで、会話のキャッチボールができません。コミュニケーションがとれませんから、ご家族は次のような問題に頭を抱えていらっしゃることでしょう。

 1-1.アルコール依存症の人は家族がお酒をたしなめると屁理屈を返す

「俺の金で飲んでいるのに文句を言われる筋合いはない!」

「酒がまずくなる!」

「お前たちになんの迷惑もかけたと言うんだ…」

 患者さんに対し飲酒をたしなめると、こういった屁理屈が当たり前のように返ってきます。そして困ったことに、家族がお酒をたしなめると患者さんの飲酒量が増えます。つまり、飲酒をたしなめればたしなめるほど、飲酒の口実にされてしまいます。

 1-2.アルコール依存症の人は家族が勧めても医療機関の受診を拒否する

「いよいよアル中だ。これは病院に連れていくしかない…」

 ご家族がそう思ったとしても、患者さんはアルコール依存症を認めるケースはごくマレなこと。ほとんどすべての患者さんは自分の症状を認めることなく、医療機関の受診を拒否するのがふつうです。そのため、ご家族は「どうしたらいいのか?」途方に暮れているというのが現状でしょう。

 2.アルコール依存症の患者さんとその家族も精神的に病んでいる

「お酒さえやめてくれれば…」

アルコール依存症が進行すると、患者さんの言動にどんどん問題が増えてきます。そのため、どの家族もお酒を隠したり捨てたりといった行動にでます。しかし、それでも患者さんはお酒をやめることはできません。すると、患者さんは外でもトラブルを起こすようになります。

 ・会社で酒を飲むようになり、仕事のミスや遅刻、欠勤が増える

・会社でパワハラやモラハラ行為

・地域の集会でトラブルを起こす

 家族はそういった本人のトラブルの後始末に追われ、どんどん精神的に病んでしまいます。また、本人が仕事をしなくなったり辞めてしまうこともありますので、経済的な困窮もご家族を追い詰めることになります。

 ですが、ご家族が精神的に病んでいたら問題解決に対し適切な対処ができません。ご家族のあなたも、自分をとり戻すために。そして患者さんの回復のため、以下でご紹介する患者さんへのアプローチと同じことをお試しください。

 3.アルコール依存症患者への家族の対応と接し方

ここまでのことから、ほとんどのご家庭では途方に暮れていらっしゃることでしょう。ですが、ご家族だからできることがあります。なぜなら、アルコール依存症の患者さんはみな、極度の栄養失調が続いているからです。(詳しくは別記事、「アルコール依存症は治せる|その症状から分かる原因と対策方法」 をご覧ください。)

 3-1.家族の対応と接し方その1.十分に栄養をとらせる

ビールの注ビン1本。たったこれだけの量で、肝臓はおおよそ3時間働かなければなりません。アルコールの解毒にはそれほど時間がかかりますから、ほとんどの患者さんは24時間365日、肝臓がアルコールの処理にフル稼働していることでしょう。このとき、肝臓は大量の栄養を消費することになります。

 一方で、患者さんの食生活はとても貧しいものになります。食事が偏りますし、なかにはコンビニ弁当やカップラーメンなど、インスタント食品ばかり食べる患者さんも少なくありません。つまり、とれる栄養が不足した上で消費する栄養は増えます。したがって、アルコール依存症患者さんはみな、例外なく慢性的な栄養失調状態です。

 先ほどご紹介した別記事でお解りのように、栄養不足は情緒を不安定にします。そしてこれが、お酒を飲んでしまう一因になります。誰もが情緒が不安定な状態はイヤなものです。お酒はそれを一時的にマヒできます。また、情緒が不安定だとお酒に酔いにくくなりますから、どうしても飲み過ぎてしまうことになります。

 こういったことから、まずはサプリメントなどでアミノ酸やビタミン、ミネラルなど幅広く十分に栄養をとらせてあげましょう。なお、アルコール依存症と分子栄養学に詳しい医師や薬剤師の指導のもと、サプリメントを選ぶようにしてください。

 3-2.家族の対応と接し方その2. 飲酒量を観察する

「あれ、いつもより少ないお酒で酔いつぶれている…」

おおよそ2~3週間。私のいただいてきた相談では、十分に栄養がとれるようになると患者さんの酒量が減りはじめます。栄養がとれるようになると「酔える」ようになり、余分にお酒が飲めなくなります。

 こういった姿が観察できたら、酒量が少しずつ減ることがほとんどです。また、今までなら休日昼間から飲んでいたのなら、それをやめて夜だけ飲んでいるなど、飲酒の時間にメリハリがでてくるようになります。もちろん、その日の体調によりますが、一般的にこういった流れで飲酒量が減っていくことがほとんどです。

 3-3. 家族の対応と接し方その3.言動の変化を観察する

「あれ、今までだったらグチグチと長々と屁理屈が続いたけど…」

「いつもだったら、ここで怒ったはずなのに…」

 今までよりはやく酔いつぶれたり飲酒量が減ることと前後して、患者さんの言動に少しずつ変化が現れます。一般的には暴言を口にする時間が短くなったり、今までなら怒っていたことで怒らなくなったりと、暴言や怒りで反応する閾値に変化がみられるようになります。

 こういった変化が見られたとき、焦って「お酒をやめなさい!」とか「病院に行って!」みたいなことを堰かないように注意が必要です。こういったことを口にするのは、患者さんが「聞く耳」をもったとき。コミュニケーションがとれるようになるまで待ちましょう。

 3-4.家族の対応と接し方その4.医療機関の受診を勧める

ある程度会話のキャッチボールがでるようになったとき、本人が「酒を飲みすぎた!」とか「二日酔いだ!」みたいな話をしはじめたなら、医療機関への受診を勧めてもいいでしょう。

 ですが、栄養の摂取は続けてください。長年にわたる栄養不良は脳に限らず、体中にダメージがあります。例えば赤血球は、新陳代謝によりすべて入れ替わるのにおおよそ120日かかります。脳や臓器は、そういったしっかりした血液が酸素や栄養を運ぶことで正常な新陳代謝が行われます。

 そういった意味でも、アルコール依存症と分子栄養学に詳しい医療機関の受診をお勧めします。

 まとめ

アルコール依存症は患者さんのみならず、家族の心も蝕みます。ですが心配はいりません。このアプローチで患者さんが良い方向に変わっていったのなら、ご家族のあなたもまた同じアプローチを実行すればいいのですから。

 くり返しますが、ほとんどのご家族は打ち手がないと出口のない迷路をさまよう毎日を送っていらっしゃることでしょう。ならば騙されたと思って、ぜひこのアプローチを実行してみてください。きっと元気になります。

 
本サイトは私の実務経験に基づいた考察をご紹介しています。また、解説する病気の症状は典型的なものを紹介しています。記載された症状がその病気をもつすべての方に当てはまるわけではありません。治療法その他についても、あくまでも自分でできうる対処と医療における代表的なもののみを掲載しており、治療法すべてを網羅するものではありません。病気の診断および治療に関しては、必ず医師による説明を受けるようにしてください。 

無料で相談可能な公的機関も紹介!マタハラの相談窓口

マタハラ(マタニティハラスメントの俗語略称)は妊婦を肉体的にも精神的にも追いつめてしまう非常に悪質なハラスメントです。

マタハラという言葉をよく耳にするようになった現代では、働く女性の4人に1人がこのマタハラ被害に苦しんでいると言われています。

このマタハラ被害に関する法律や相談先などは存在するにもかかわらず、世の中の人々の間で認知されておらず、マタハラ被害者の多くが泣き寝入りしているのが現状です。

・妊娠したことで退職を迫られている
・つわりがひどいのにいつも以上の仕事を強制された
・職員からの悪口や嫌味などが辛くて耐えられない

このようなマタハラ被害に遭っているがどこに相談すればいいのかわからないといった悩みをお抱えの方は、今回の記事をお役立てください。

1. マタハラ被害の相談先

 マタハラ被害を相談するにあたり、どのようなマタハラを受けているかによって相談先が変わってきます。自分がどのようなマタハラを受けているのかを把握したうえで、それに適した相談先を選ぶことが大切です。

職場で起きるマタハラのタイプは、

の4つに分けられます。

以下にそれぞれのタイプごとの相談先をご紹介いたします。

1-1. 昭和の価値観押し付け型

このタイプは、女性の仕事に対する意思を無視し、「子どものことを第一に考えないとダメだろう」「君の体を心配して言っているんだ」「旦那さんの収入があるからいいじゃない」という昔の古い考え方を押し付け「だから、辞めたら」と退職を促すようなマタハラです。

このタイプのマタハラの相談窓口としては以下のものがあります。

・厚生労働省 雇用環境・均等部(室)

ここは男女ともに働きやすい雇用環境を実現するために、「女性の活躍推進」や「働き方改革」などの施策に取り組んでおり、マタハラをはじめパワハラやセクハラなどの相談も複合的に行っている機関です。相談される際には、お住まいの都道府県の労働局の雇用環境・均等室(部)にご連絡ください。

日本労働弁護団ホットライン

日本労働弁護団は憲法で保護された労働者と労働組合の権利を擁護することを目的として、全国の弁護士により組織された団体です。

解雇、退職強要、長時間残業などの労働に関する相談を電話で受け付けています。電話による相談は無料ですが、電話相談の結果、弁護士との面接相談を希望される場合は費用がかかることがあります。詳細は担当の弁護士にお尋ねください。

なお、法律が絡むような相談からもし裁判を起こすという流れになった場合、加害者を訴えるための証拠などが必要になります。どのような証拠が必要なのか、証拠を集めるときのポイントについては別記事の「職場や電車・家庭内などで起きた10のマタハラ事例とその対策」の「2-1-1 退職やキャリアダウンを迫られた場合」をご参考ください。

・女性ユニオン東京

これは個人で加入できる合同労働組合です。労働組合に加入すると職場への団体交渉(団交)が可能になります。無料電話相談(月曜・水曜日の12-14時、16-19時のみ)、相談員による面談(完全予約制)も可能です。

今までに問題解決した実績として、キャリアダウン、育休取得の拒否、いじめ、解雇に関する相談などがあります。

・法テラス

法テラスは「全国どこでも法的トラブルを解決するための情報やサービスを受けられる社会の実現」という理念の下に、国によって設立された国民向けの法的支援を行う総合案内所です。

あらゆる法的な相談の受付をはじめ、相談内容に応じた法制度の紹介や専門的に相談できる関係機関の案内などを行っています。

・働く女性の全国センター

これは解雇、退職勧奨、いじめ、長時間労働、産休、育休、などの職場におけるあらゆる悩みの相談を受け付けている機関です。この機関は、働く女性の権利を守り、社会的・経済的地位の向上をはかるとともに、性差別・暴力・抑圧のない社会の実現に寄与することを目的としており、主に以下のような事業を行っています。

・働く女性の全国ホットラインによる相談事業
・個別紛争解決サポート事業
・調査研究事業
・教育、啓発事業
・就労支援事業
・ネットワーク連携協力事業
・女性ユニオン支援事業
・政策提言活動
・表現活動支援事業
・その他、団体の目的達成に寄与する事業

 

1-2. いじめ型

このタイプは「迷惑なんだけど」「休めていいよね」「自己中」「ズルしてる」などのようにこころのない言葉を浴びせるマタハラです。

このタイプのマタハラの相談窓口としては以下のものがあります。

・マタハラnet

ここは、以前にマタハラの被害を受けた方が設立したマタハラに関する相談受付や、公共窓口・法律窓口の紹介を行っているサイトです。希望があれば、弁護士の先生の無料メールアドバイスもあります。

また、すでに問題を解決した先輩被害者との交流会や、弁護士の先生の無料アドバイスがある交流会、企業向けのマタハラ防止に関するセミナーなども開催しているようです。

・職場内のハラスメントに関する相談窓口

職場内のハラスメント防止に関する相談窓口ではマタハラをはじめ様々なハラスメントの相談を受け付けています。職場によっては、人事部に相談窓口が設置しているところもあるようです。相談をする場合は、守秘義務を確認した上で利用しましょう。

・職場内の人

社内の人に相談する際は、「仲の良い同期や、バリバリ仕事ができる上司」ではなく、実際に出産されて、子供もいながら働いている方が良いでしょう。一度、妊娠・出産して復職された方からが、一番理解を得ることが出来ます。

1-3. パワハラ型

このタイプは、「時短勤務なんて許さない」「夕方帰る正社員はいらない」「妊婦でも特別扱いはしない」といった妊婦の体調を考慮せずに長時間労働を強制するパワハラ型のマタハラです。

このタイプのマタハラの相談窓口としては以下のものがあります。

・総合労働相談コーナー

ここは会社の所在地の労働局または労働基準監督署にある相談機関で、解雇、長時間労働などの労働に関する相談を専門の相談員が面談あるいは電話で受け付けています。

・みんなの人権110番(全国共通人権相談ダイヤル)

ここはパワハラをはじめとした様々な問題についての相談を受け付ける機関です。電話や面接による相談、そしてインターネット(携帯電話からも可)での相談も受け付けています。

・かいけつサポート

ここは、労働に関する問題について「かいけつサポート」(当事者と利害関係のない公正中立な第三者が、当事者の間に入り、話し合いによって柔軟な解決を図るサービス)を行っている民間事業者を紹介しているサイトです。紹介先の民間事業者は電話での相談を受け付けています。

また上記の相談先に併せて、先ほどご紹介した「厚生労働省 雇用環境・均等部(室)」「日本労働弁護団ホットライン」「働く女性の全国センター」「マタハラnet」「職場のハラスメント防止に関する相談窓口」も相談先としてご利用ください。

1-4. 追い出し型

このタイプは、「残業出来ないと他の人に迷惑でしょ」「子どもが出来たら辞めてもらうよ」などといった妊娠を理由に退職を迫るマタハラです。

このタイプのマタハラの相談窓口としては以下のものがあります。

・厳選 労働問題弁護士ナビ

ここは、職場での解雇勧奨や不当解雇など解雇に関する問題をはじめとした労働問題の相談を得意とする法律相談事務所の紹介サイトです。事務所によっては電話相談や面談が無料のところもあります。

・女性にやさしい職場づくり相談窓口

ここは妊婦の労働に関する問題について、産業医や産科医や社会保険労務士などの専門家がメールでの相談を受け付けているサイトです。

また上記の相談先に併せて、先ほどご紹介した「厚生労働省 雇用環境・均等部(室)」「日本労働弁護団ホットライン」「法テラス」「働く女性の全国センター」「マタハラnet」も相談先としてご利用ください。

2. まとめ

 冒頭でも述べましたが、働く女性の4人に1人がマタハラ被害に遭っており、そのうちのほとんどの方が問題を解決できずに泣き寝入りしているのが現状です。

また法律を無視するような非常に悪質なマタハラも数多く存在しており、このようなマタハラ被害が表沙汰にならない限りその被害は大きくなるばかりです。

今マタハラの被害で悩まれている方の1人1人が問題を解決するために相談窓口を利用することで、少しずつ妊婦が働きやすい職場環境に近づいていくはずです。

この記事を読んだことで、一人でも多くの方の問題が解決されることを切に願っています。

参考HP:
http://roudou-bengodan.org/hotline/
http://www.houterasu.or.jp/index.html
http://wwt.acw2.org/
http://www.mataharanet.org/

なお、私は企業におけるハラスメント対策もまた、本質的な解決が可能だと考えています。メンタルケアおよびハラスメント対策をお考えの企業の方は、以下に無料相談のご案内をしておりますのでご利用ください。なお、私は企業におけるハラスメント対策もまた、本質的な解決が可能だと考えています。メンタルケアおよびハラスメント対策をお考えの企業の方は、以下に無料相談のご案内をしておりますのでご利用ください。

逆マタハラでお困りの方必見!その原因と5つの対策

 

「それってマタハラですよ!!」

「妊娠してるんだから仕方ないでしょ!!」

「妊婦には気を使って当たり前」

 

マタハラという言葉が騒がれている今の世の中、職場に妊婦がいる方は非常に肩身が狭くなったと思いませんか?少しでも思ったことを言おうものならマタハラだと騒がれ、逆に良かれと思って気遣ってもマタハラだと騒がれる・・・。

周りはすごく気を使って配慮してくれているのに妊婦である本人からは何の感謝の言葉もなし・・・。

妊娠中の体調不良による遅刻・早退や欠勤は仕方ないものだけど、職場に連絡もなく休んだり、それが当たり前かのような態度はちょっとどうかと思いますよね。

もしも職場で、「妊娠で体調が悪かったり、イライラしやすかったりしたとしても、その行動や言動はありえないのでは?」と思ったことがあるならば、それはもしかしたら逆マタハラを受けているのかもしれません。逆マタハラが頻出すると、職員が肉体的・精神的ストレスで苦しむのはもちろんのこと、その職場自体が非常に混乱してしまいます。

・部下が肉体的・精神的ストレスで疲れ切っている

・職場の上司からはちゃんと管理しろと言われる

・上司と部下の板挟みでどうしたらいいのかわからない

・妊婦にはマタハラだといわれるのが怖くて強く言えない

このようなストレスや悩みをお抱えの方は、今回の記事をお役立てください。

1 逆マタハラとは

逆マタハラとは、妊婦が妊娠を理由に、仕事や周囲に配慮をせずに妊婦の権利を最大限に利用することで、周りに肉体的・精神的負担をかけてしまう行為のことを指します。

では実際にどのような行為が逆マタハラなのでしょうか?2つの事例をご紹介いたします。

 逆マタハラの事例1:休憩に入る連絡もなし、社会人として責任感のない妊婦

美容院で働いていた時のことで、あるスタッフから「妊娠した」と報告を受けた。立ち仕事のため、気を遣い接客業務をできるだけ減らすようにしていた。店が混み始め、お客様が待ちすぎて怒り始めた頃、そのスタッフがフロアにいないことが判明。

そのときそのスタッフは、休憩室で食べながら座っており、私を見るなり「食べつわりで、食べていないと気持ち悪いんですよね」と笑顔で言った。「フロアが忙しいので少しは手伝ってほしい」と伝えて休憩室を後にしたが、そのスタッフが出てきたのは15分後で、謝ることもなく、平然としていた。

妊婦とはいえど、さすがにいなくなる時は声をかけるなど周囲への配慮を忘れず、責任感を持って仕事をしてほしいと思った。

逆マタハラの事例2:ミスの責任や仕事を人に押し付け、謝罪や感謝の言葉もない横柄な妊婦

会社の先輩が妊娠し、産休の直前から激変した。仕事自体はほとんどが立ち仕事だが、なるべく座って出来るようにしたり、高い位置の物は他の人が取るなど、その他の基本的な配慮はみんなでしていた。

しかし日が経つにつれ、段々と横柄に変わっていった。ミスをしても謝らないし、最悪人のせいにする、人のミスには必要以上に厳しい、人に仕事を押し付ける、「ごめん」や「ありがとう」はなし。仕事量も減って早く帰れるはずなのに、毎日上司に色々と愚痴って(無駄話をして)無駄に残る。見本のような小言の多い妊婦様になった。

自分だけかと思い、後からそれとなく周りに聞いたら、聞いた人は皆、もう一緒に働きたくはないというくらいのストレスを感じていた。

上記のような2件は、逆マタハラに該当する行為になります。

「4人に1人が被害者に?絶対に知っておきたいマタハラの原因と対策」の記事でご紹介させていただきましたが、もちろん妊娠中の体調不良が理由で、安全な妊娠・出産のため職場に異動願いを出すこと、遅刻や早退、欠勤は妊婦さんの当然の権利です。

妊娠の影響で業務に支障が出たときにイヤミを言う、休みや異動を認めない、残業を強制する、解雇するなどといった行為は、違法であると法律で定められた「マタハラ」になります。

2 逆マタハラの原因

逆マタハラが起こる原因としては、以下の3つが挙げられます。

・相手に対する配慮不足

・職員同士のコミュニケーション不足

・妊婦の権利(産休、育休など)が当たり前だと思わせるような世の中の風潮

以下に逆マタハラの原因について詳細をご紹介いたします。

2-1 逆マタハラの原因(1)相手に対する配慮不足

妊娠して体調がすぐれないにしても、業務のフォローや体調を気遣ってくれた時に感謝の気持ちや言葉などがまったくないとなると、やはり感謝の言葉や見返りを期待していなくとも配慮した側の気分はよくないものです。

このように周囲への配慮をせずに権利の主張をばかりをしてしまうことが逆マタハラの本質であり、配慮している側の人間がストレスを感じたり、職場の雰囲気が悪くなるといった状況を引き起こしてしまいます。

2-2 逆マタハラの原因(2)職員同士のコミュニケーション不足

「報告・連絡・相談」は仕事をやるうえで基礎中の基礎であり、これを実践することにより日々の業務をスムーズに行うことができます。しかし、職員同士でのコミュニケーションが十分に取れていない状態だと、お互いの現状(子育ての大変さ、業務の大変さ)の把握ができないため、相手への配慮が欠けてしまう原因になってしまいます。

2-3 逆マタハラの原因(3)妊婦の権利(産休、育休など)が当たり前だと思わせるような世の中の風潮

マタハラが世の中で騒がれ始めてから国を筆頭に、妊婦を守るための法整備や支援などが進められてきました。しかしその一方で、妊婦ではない普通の職員に対する支援などはまったくと言っていいほどなされていません。このような妊婦側に偏った対策だけをとることによって妊婦の権利(産休、育休など)が当たり前だと思わせる空気を作ってしまいます。

このような空気が職場内にできてしまうことで、周囲に対する配慮の気持ちが薄れてしまい、逆マタハラを起こしてしまいます。

3 逆マタハラのライン

実際に職場で被害に遭われている方の中には、自分が「逆マタハラ」に遭っているのか、それとも自分が妊婦に対して思っていることが「マタハラ」なのかどっちなのかわからないという方もいらっしゃると思います。

ここではどういったことが逆マタハラに該当するのかをご紹介いたします。

・体調が悪くなって遅刻・早退するときに何も言わずに帰る

職場に何の連絡もなしに無断欠勤を繰り返す

・仕事上でのミスを指摘されたときに「妊娠してるから仕方ないでしょ!」などのように自分のミスを認めずに逆ギレする

・仕事中にフォローされたことに対してはお礼も何も言わないが、フォローされなかったときには「妊婦への配慮が足りない!」などとイヤミを言う

・自分の仕事が落ち着いている時に、どんなに周りがすごく忙しくても一切フォローしない

妊娠を理由にして自分がやりたくない仕事をやらない

・自分以外の人ではわからない内容の仕事があり、あらかじめ職場が大変になることが分かっているのに引継ぎ等をやろうとしない

これらのように周囲に対する配慮が欠けていたり、妊婦は優遇されて当たり前という考え方が根底にあるかどうかということが逆マタハラに該当するポイントであるといえます。

4 逆マタハラ被害の対策方法

第2章のところで逆マタハラは、

・周囲に対する配慮

・職員同士のコミュニケーション不足

・妊婦の権利(産休、育休など)が当たり前だと思わせるような世の中の風潮

などが原因であると述べました。

またその行為が逆マタハラかであるかどうかを判断するのが難しいケースも存在し、場合によっては逆マタハラだと思って直接本人に注意したことが逆にマタハラだと言われてしまう可能性もあります。自分がマタハラの加害者になるかもしれないという恐怖から言い出せずに、ため込んでしまう人も少なくありません。

では、実際に職場における逆マタハラ被害を防ぐためにはどのような対策をすればよいのでしょうか?

以下に5つの対策をご紹介いたします。

4-1 逆マタハラの対策(1)マタハラ、逆マタハラの線引きをする

マタハラが世の中で騒がれたことにより逆マタハラという言葉も最近耳にするようになりましたが、実際に知識として知っている方は多くはありません。そのため、逆マタハラの被害を受けてもそれが逆マタハラだと気付かずに、ストレスをため込んでしまう方も少なくありません。また逆マタハラの被害に遭っていたとしても、それに対して妊婦がマタハラだと反応することによりマタハラの加害者になってしまう可能性もあります。

これらのことを防ぐためには、妊婦と妊婦ではない職員の間で共通の認識として、マタハラと逆マタハラの線引きをしておくことが重要です。第3章の逆マタハラのラインのところで述べましたが、周囲に対する配慮が欠けている、妊婦は優遇されて当たり前という考え方が根底にあるかどうかが、逆マタハラに該当するポイントであるといえます。

4-2 逆マタハラの対策(2)妊婦以外の職員の労働に関する法律の周知

職場で逆マタハラに遭う人は、責任感が強く思いやりのある人が多い傾向にあります。このような人たちが逆マタハラによる肉体的・精神的ストレスを抱え込みどうすることもできずに疲弊しているのが現状です。

このような逆マタハラの被害は、法律の知識を身に付けてさえいれば未然に防ぐことができた可能性があるにもかかわらず、法律の知識がないため言われるがままにつらい環境で働き続け、疲弊しきっているのが現状です。ですので、まずは会社内で妊婦以外の職員に関する法律を周知させ、職員が自分の身を守ることができる態勢を整えるようにしましょう

以下に労働に関する2つの法律についてご紹介いたします。

  • 労働基準法について(一部抜粋)

・労働基準法第32条

使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。

 

・労働基準法第34条

使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。

 

・労働基準法第34条 途中付与の原則(1項)

休憩時間は、労働時間の途中に与えなければならず、勤務時間の始めまたは終わりに与えることは第34条違反となる。この原則には法令上の例外は一切認められていない。

 

※時間外労働の限度に関する基準について(補足)

労働基準法により、原則として(業種によって例外があり、異なる場合もありますが)

労働時間は1週間で40時間、1日8時間までとされています。

これを法定労働時間といいます。

しかし、それだけで仕事が終わらない職場ではこの労働時間を超えて仕事をするしかありません。このような状況の職場において職員に法定労働時間を超えて時間外労働をさせる場合には、あらかじめ使用者と労働組合間で、36協定(サブロクキョウテイ)を結び、これを労働基準監督署に届出ておかなければなりません。

しかしこの協定を結んだとしても、時間外労働が無制限に認められるわけではありません。

その制限とは以下のようになります。

1週間で15時間まで

2週間で27時間まで

4週間で43時間まで

1ヶ月で45時間まで

2ヶ月で81時間まで

3ヶ月で120時間まで

1年で360時間まで

この時間を超えてさらに時間外労働をさせる場合においては、あらかじめ特別条項付きの時間外労働協定を結んでおく必要があります。

また、時間外労働については、最低25%以上の割増賃金を支払う必要があります。特別条項付きの時間外労働協定に関して、1ヶ月60時間を超える時間外労働については、この割合が50%以上の割増賃金を支払う義務があります。

4-3 逆マタハラの対策(3)妊婦が納得した上で出来る仕事と出来ない仕事の線引きをする

マタハラ行為には、妊婦が出来る仕事をやらせない、妊婦が出来ない仕事をやらせるといったことも該当します。しかし妊婦自身が周囲への配慮をしないままにこれらの行為を声を大にして「マタハラだ!」と叫ぶようであれば、それは逆マタハラになってしまいます。

このような逆マタハラの被害を防ぐためには、妊娠中に気を付けるべきことなどを考慮しながら妊婦と十分に話し合い、本人が納得した上で、出来る仕事と出来ない仕事をはっきりさせ、それを職場内に周知させることが大切です。

以下に妊娠中の女性が気を付けるべきことをご紹介いたしますのでご参考ください。

・高いところのものを取らない

・トイレを我慢しない(尿路感染の原因になるため)

・中腰や屈んだ状態のまま力を入れない

・歩きやすい靴(スニーカーや低いヒールの靴など)をはく

・遠方への出張などはしない(急に体調を崩したら困るため)

・長時間同じ姿勢を続けない、お腹を冷やさない(血流が悪くなるため)

※妊娠中の体調不良には個人差があります。上でご紹介した事項だけで必ずしも妊婦の安全が保障できるものではありませんので、医師にご相談された上で最終判断をお願いいたします。

4-4 逆マタハラの対策(4)職員のストレスの改善をする

職員の妊娠により抜けた穴を埋めなければいけないことはわかっているものの、いくら頑張っても帰れるのは終電ギリギリだし、妊婦は休んでいるのに自分たちと同じように給料をもらっている・・・というように自分たちの頑張りがどこにも評価されていない現状に対して職員たちは相当な精神的ストレスを感じているはずです。

そのためこういった妊婦以外の職員の頑張りをねぎらうことが大切です。これにより職員のストレスが改善されるだけでなく、モチベーションアップにもつながることが期待できます。例えば、会社内や部署内での飲み会や食事会などを行うとよいでしょう。

 

4-5 逆マタハラの対策(5)ハラスメントの研修を導入する

会社内のハラスメントに対しては国家でも大きな問題として捉えています。国は積極的にハラスメントの研修を受けるように会社に対して指導しています。

会社としても、社内でハラスメント行為があることは好ましくありません。ハラスメントの研修を導入するように促しましょう。

実際に、ハラスメントの教育を取り入れてから、ハラスメントの発生件数が減っているというデータもあります。マタハラNetが行っているセミナーや教材を利用されると良いでしょう。

5 まとめ

逆マタハラとは、妊婦が妊娠を理由に、仕事や周囲に配慮をせずに妊婦の権利を最大限に利用することで、周りに肉体的・精神的負担をかけてしまう行為です。

逆マタハラを防止するためには、

・逆マタハラについて共通の認識をもつこと

・労働に関する法律について職場内で周知させること

・妊婦以外の職員のストレスを改善すること

・マタハラ防止セミナーや教材を利用すること

これらを行うことが大切だと考えられます。

また今回お話ししてきた逆マタハラですが、実はマタハラの原因になる可能性があります。職場で一度でも逆マタハラの被害に遭った人は、別の人が妊娠した際に逆マタハラされた時の記憶がよみがえってしまい、前の妊婦と同じだと頭ごなしに決めつけてしまい、マタハラをしてしまう恐れがあります。

逆マタハラは、まわりの職員に肉体的・精神的負担をかけるだけでなく、他の妊婦や育児中のママに対するマタハラをも生み出してしまいます。他の妊婦に対するマタハラを未然に防ぐためにも、逆マタハラ被害を防止することは非常に重要であると考えられます。

この記事を参考にしていただくことにより、職場環境が改善し、あなたが上司と部下の板挟みから解放されることを切に願っています。

参考HP:http://www.mataharanet.org/  http://www.mhlw.go.jp/

なお、私は企業におけるハラスメント対策もまた、本質的な解決が可能だと考えています。メンタルケアおよびハラスメント対策をお考えの企業の方は、以下に無料相談のご案内をしておりますのでご利用ください。なお、私は企業におけるハラスメント対策もまた、本質的な解決が可能だと考えています。メンタルケアおよびハラスメント対策をお考えの企業の方は、以下に無料相談のご案内をしておりますのでご利用ください。

 

パワハラが原因でうつ病?なってしまった時の対処とならないための予防策

「『仕事が忙しいが、やりがいがある』って言ってるけど、そうでも言わないと上司に目をつけられるんです。本当は忙しすぎて体の疲れが取れません。そのためか休日になっても何もする気が起きないのです。」

「無理して『大変だけれども楽しい!将来の自分の糧になるから、頑張れます!』と言っていました。本当は会社に行くのもやっとでした。」

 

本当は精神的にもきついのに、仕事だからと仕方なくこういう振る舞いをしている人も多いのではないでしょうか?

もちろん、本当に仕事が楽しいとか忙しくてもやりがいがあるという方もいらっしゃると思います。しかし、そういう方も、毎日やる気に満ち溢れているというわけにはいかないでしょう。

また、今やっている仕事が自分の好きなことや得意なことばかりではないはずです。それは人間関係も同じで、あなたの上司や同僚にも得意な人と不得意な人がいるはずです。自分に合わないと思っている人があなたに対し厳しく当たるとそれは心に負担を感じることでしょう。

上司の指導があなたに対し厳しく、ゆきすぎたものになる。心の負担から体調を崩すことも考えられます。精神的に辛い時、人は気分が落ち込みます。いわゆる「うつ」の状態です。

この辛いうつ病になった時、それが会社の上司からのパワハラが原因であった時、あなたはどうしますか?

1.パワハラが原因で起こるうつ病を治す方法

パワハラによるうつ病が発症したということは、仕事に行くことが何より苦痛となるはずです。うつ病と診断されたら、3つの方法で治療のことを考えましょう。それは

と言うことです。

もしかしたら、この一つのみで良くなる場合、楽になる場合もあるでしょう。しかし、多くの方はパワハラを受けない状態、すなわち会社を退職することが必要となってきます。

一つずつ試してみましょう。

1-1.パワハラでうつ対策その1.病院に行く

対処の一つが、やはり多くの方が考えること、病院に行くことになります。

もちろん手っ取り早いですし、今後のことを考えると診断書なども必要になってくるでしょう。その時は病院でもらうしか方法はありません。

きちんと治療を考えるようであれば、心療内科などと掲げている病院よりは精神科にかかりましょう。心療内科も結局は精神科ですが、印象の違いだけです。

1-2.パワハラでうつ対策その2.体調を整える

もう一つは、体調を整えること。

病院に行くのと同じじゃないかと思われた方は早計です。病院は、病気を見るところ。病気ではない、体調不良に関しては専門ではない可能性があります。

うつ病ではなく、うつの思考や行動になっているとしたら、うつ病の薬や対処で治ると思いますか?

また体調不良から、その症状が強くなるとしたら、体調不良を改善することで、うつなどの症状が軽くなることも、十分考えられます。

もちろんそれだけでは治ることは難しいでしょうが、改善の傾向が出るだけで、人間明るくなれるものです。また、症状はいくつものものが重なって出ていることが多いので、色々人により異なるのはそのためです。

肩こりや、胃腸障害、腰痛、頭痛などうつ病の方は色々な症状が出ます。それらの症状に対してもアプローチするようにしましょう。もちろん睡眠不足、栄養不足もしっかり改善する必要があるのは言うまでもありません。

1-3.パワハラでうつ対策その3.うつの原因から離れる

スギ花粉アレルギーの方は、スギの花粉が少しでもあるとすぐに反応してしまうように、うつ病の場合もうつの原因を絶たないと自分が調子良くなっても、再度症状が出てしまうのは目に見えています。

今回のうつの原因は「パワハラをする上司」ですから、その原因が除かれないかぎり、再度うつになるのは目に見えています。

しかし、ほとんどの場合、変われるのは自分です。相手を変えようとすると大変な労力になりますし、ほとんどの人は変わりません。

現実的なものは、会社を辞めることになるでしょうが、他にも方法はあります。

2.パワハラをする上司から離れてストレスを回避する方法

前章でお話しした、うつの原因から離れる方法として実際の方法が3つ考えられます。

これらを詳しくみていきましょう。

2-1.パワハラ上司が大人しくなる

パワハラをする上司がパワハラをしなくなると言うことが一番いいと思われます。しかし、先ほども言ったように基本的には他人が変わるのは難しいことですが、それで上司が大人しくなり自分が楽になるのであれば、それに越したことはありません。3つの方法があります。

  • 自分から上司の言動や行動がパワハラと感じてしまい苦しいと正直に告白する
  • 病院の診断書を見せたりして、パワハラになったことを上司に直接言うまたは、人事に伝えて言ってもらう
  • 他の部署でも構いませんが信頼のおける他の部署の上司などに相談して、上司の対応をみてもらう。

直接上司に言ってもだめだったり、言いにくかったり、上司に対してしっかり言ってもらえそうな人に相談するのも良いでしょう。

パワハラをしにくくするのが効果があるようです。

2-2.パワハラ上司がいなくなる

パワハラをする上司が異動などによりいなくなると、精神的にも安定するでしょう。しっかりと人事機能が働いている会社であれば、人事の方に相談をしてパワハラの事実、証拠、診断書などを見せることで、上司の異動が可能な場合があります。人事課に相談を。その際は客観的にみてわかるようにすることが大切です。同じような境遇の仲間がいるとなお説得力があるでしょう。

2-3.自分がいなくなる

前述した通り、他人を変えることは困難です。自分が変わる、行動することが一番の近道でもあります。パワハラをする上司の前からいなくなる方法は3つです

  • 自分が希望して、部署などを異動する
  • 会社を一旦休職して、パワハラ上司から遠ざかる
  • 会社を退職する

2−3−1、自分が部署異動

人事課に申し出て、自分の部署を変更希望を行う方法です。

上司のパワハラの事実を伝えなくても良い方法ですので、行動に移しやすい方法かもしれません。もちろん、他の方がパワハラ受ける可能性がある場合、事実として人事課に情報を提出し、そのために異動したいと言うことも理解のある会社では行うべきでしょう。

2−3−2、会社を休職する

部署異動などが期待できない。また、そこまで待っていられないと言う場合は、自分の体のことを考えて、休職すると言う方法があります。

休職をしてストレスから遠ざかる。このことも自分の身を守る上では重要な選択です。最近では多くの会社に休職規定が定められています。休職規定は業務以外の私的な理由で働けなくなった場合に適応するものであり、したがって業務上では問題がないと判断されても休めるのです。

特に、医者の診断書があり、そこに休職の指示があれば、会社はそれに従うべきですので、堂々と休みを取ることができます。

心と体をリフレッシュして、体調を万全にしてからリスタートしましょう。

2−3−3、会社を辞める

これは、最終的な手段になると思われますが、退社が一番現実的かもしれません。実際、休職したとしてもパワハラを起こした上司を何らかの処分をしていたりなど、改善が認められていれば、今後の仕事の上でも復帰した場合に期待が持てますが、改善傾向がなく再度同じようなことが起きてしまう、また会社にいること自体、パワハラを受けた本人が耐えられないといった場合は、退職または転職を考えた方が良いでしょう。

3.パワハラでうつになったらしっかりと休養を!仕事ができない時の金銭面の対処

仕事ができないと判断した時についてまわることがあります。

それは、

「仕事を辞めると、収入源がなくなるので生活ができないのでは」ということ。誰しもが不安になると思われます。収入に関して不安がある場合は、収入を得ながらうつ病からの回復を行いましょう。

その方法は労災認定、損害賠償請求や、休業でも収入を補償することができます。

3-1.パワハラでうつになった対処その1.労災認定取得

会社でのパワハラが原因でうつ病になった場合は、労災認定を認められます。これは厚生労働省でも決議されていますので、該当する場合は取得できます。

基本的に、業務上の災害に当たるかどうかは労働基準監督署がおこない、最終的には裁判所が判断することになります。

その判断の条件は、3つです

  • うつ病を発症していると診断を受けている
  • うつ病発症前の6ヶ月以内に業務上で強い心理的負担があった
  • 業務上の理由以外で、うつ病発症の理由がない

上記をクリアして労働基準監督署が認めればあなたのうつ病の労災認定がおります。

3-2.パワハラでうつになった対処その2.傷病手当金取得

労災として会社で認められなかった場合、私的なこととして休職をする。休業規定があるものの、会社の規定で休職中は給料が出ないなどの場合があるときにも諦めないでください。傷病手当金というものがあります。これは労災認定が下りなかった場合などに使えるものです。傷病手当金とは事故にあったり、怪我をしたりだけでなく、うつ病などでも支給されることがあります。

3-3.パワハラでうつになった対処その3.失業手当

会社を辞めて休養する場合、当面の生活費として失業手当を受け取ることが可能です。今では、名前を聞かない方はいないと思いますが、ハローワークで所定の手続きを行うと、私的な離職の場合でも失業保険が入ってきます。

会社を辞めてしまってから、後からでも申請はできます。申請しないともらえませんので、面倒でも申請しましょう。条件面などは下記のホームページに詳しくのっております。参照してみてください。

参照:ハローワークインタネットサービス

3-4.パワハラでうつになった対処その4.その他・・・上司、会社への損害賠償請求

パワハラを起こした上司や監督責任のある会社に対し、損害賠償として請求することも可能です。ただ、パワハラなどの言うのは物的証拠がなく、訴える場合にはきちんとした証拠が必要です。どうしても、上司や会社に対し、許せない気持ちがあり、謝罪してもらいたいなどの強い気持ちがあれば、行うと言った選択肢もあるでしょう。

どういった証拠が必要か、まず弁護士に相談をしてみましょう。何も証拠がない場合、弁護士も動きようがありません。

参照:法テラス

3-5.パワハラが原因のうつの裁判2例

パワハラの種類の中でも、精神的な攻撃型のハラスメントが多くを占めています。パワハラの被害は大小ありますが、中には本当にひどい例もあります。パワハラが原因でうつ病までになり、しかも裁判になった2例をみてみましょう。

【事例1:日本ファンド事件】 平成22年7月27日判決

事案の概要

消費者金融会社に勤務していた従業員3名が、上司及び会社を被告として、パワーハラスメントによる損害賠償請求訴訟を提起した事案。原告のうち1名は、被告上司のパワハラにより、抑うつ状態を発症したとして、慰謝料とともに治療費及び休業損害も請求した。

(1)扇風機の風当て

被告上司は、12月から翌年6月頃まで継続的に、扇風機を原告A,Bの席の近くに置き、風が直接両名に当たるよう向きを固定した上で、時には「強風」の設定で扇風機を回し、原告A、Bに扇風機の風を当て続けた。

(2)始末書の提出及び会議での叱責

被告上司は、原告Aが被告上司の提案した業務遂行方法を採用していないことを知り、事情を聴取したり、弁明をさせたりすることなく原告Aを叱責した上、「今後、このようなことがあった場合には、どのような処分を受けても一切異議はございません。」という始末書を提出させた。

また、会議において、原告Aが業務の改善方法について発言したことに対し、「お前はやる気がない。なんでここでこんなことを言うんだ。明日から来なくていい。」と怒鳴った。

(3)叱責及び始末書の提出

被告上司は、本来行うべき報告が行われていなかったことを指し、「馬鹿野郎」「給料泥棒」「責任を取れ」などと原告B及びBの直属上司を叱責し、原告Bに「給料をもらっていながら仕事をしていませんでした。」という文言を挿入させた上で始末書を提出させた。

(4)暴行

被告上司は、原告Cの背中を殴打し、また面談中に叱責しながらCの膝を足の裏で蹴った。

(5)暴言

被告上司は、原告Cと昼食をとっていた際に、原告Cの配偶者のことを指して「よくこんな奴と結婚したな、もの好きもいるもんだな。」と発言した。

判旨

本判決は、下記の行為を不法行為と認め、原告Aについては抑うつ状態発症、休職とパワハラ行為の因果関係を認め、慰謝料60万円に加えて治療費及び休業損害を、原告Bについては慰謝料40万円を、原告Cについては慰謝料10万円の支払いを、被告上司及び被告会社に命じた。

【事例2:長崎・海上自衛隊員自殺事件】 平成20年8月25日判決

事案の概要

21歳の海上自衛隊員が上官からの継続的な誹謗によりうつ病に罹患し、自殺したとして、同隊員の両親が国に対し慰謝料の支払い等を求めた事案

上官(直属の上官)が、自殺した自衛隊員(以下「被害者」という。)に対し、指導に際して継続的に「お前は三曹だろ。三曹らしい仕事をしろよ。」「お前は覚えが悪いな。」「バカかお前は。三曹失格だ。」などの言動で誹謗する

判旨

まず、(1)他人に心理的負荷を過度に蓄積させるような行為は原則として違法となるが、その違法性の判断に際しては、平均的な心理的耐性を有する者を基準として客観的に判断されるべきこと、(2)使用者は、労働者に対し、業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を損なうことがないよう注意する義務を負うこと(安全配慮義務)をそれぞれ一般論として示した。

これらを本件にあてはめ、この行為は被害者に心理的負荷を過度に蓄積させる行為で、指導目的であっても相当性を著しく欠いており、上官には少なくとも過失があるとして違法と判断した。さらに、使用者である国は、被害者の心理的負荷が過度に蓄積しないよう注意する義務がありながら、国の履行補助者である上官がこれを怠ったとして、国の安全配慮義務違反を認め、一審の判決を覆し、被害者の両親に対し合計350万円の慰謝料を支払うよう命じた。

参照:あかるい職場応援団

4.パワハラでうつ。再度うつ病にならないためにできること

例えば、同じ境遇を迎えたとしても。うつ病になる人とならない人がいます。

そのため、うつ病になってしまった人は、

「気合が足りないからだ」とか、「自分はなんて弱いんだ」とか自分を責めてしまうことがあるようです。そもそも、そういう考え自体がうつ状態にあると言えますので、できれば、そうなる前から自分の身を守れるように準備しましょう。

うつ病にも種類があり、特徴があります。また、自分の特徴を知っておくと対処がしやすいでしょう。それらを知った上でうつ病が再発しないようにできることは、体調などの管理とストレス管理、うつ思考の改善の3つあります。

4-1.うつ病にも種類がある。うつ病判断チェックリスト付き

うつ病といえば、大きく分けて2つの種類があります。

  • 定型うつ病・・・メランコリー(親和)型うつ。 世間一般的に知られているのがこちらのうつ病です。
  • 新型うつ病・・・正式には「非定型うつ病」と呼ばれます。

昔はうつ病と言ったら、生真面目な人がなってしまう「うつ病」が主流でした。というよりそれしかありませんでした。

しかし、少し前から新型うつと呼ばれるものも現れ、うつ病の枠組みが拡大されています。その新型うつに関しては、こちらに詳しく書かれています。参照してください。

参照記事:新型うつ病5つの特徴と対策方法【症状チェックシート付】

4-2.うつ病になりやすい人の特徴

うつ病になりやすい人というのは、年齢や職業は関係ありません。

主に3つの特徴があると言えます。それは、

  • 几帳面で真面目である。
  • 責任感が強く、他人から信頼されやすい
  • 上手な手抜きが出来ずに、自分一人で責任を抱え込んでしまいがちである

というような人がなりやすいと言われています。

ただ、性格や気の弱さがあるからということで、うつ病にはかかる訳ではありません。また、元々の性格以外でも、外部からの影響によりうつ病、うつ状態になってしまうことも十分にあります。うつ病の原因ははっきりわかっていません。ストレスがきっかけになることは多く、小さなストレスの積み重なりや、大きなストレスの両方の影響の可能性があります。

自分がまさかうつ病に。認めたくない!という意識もあるでしょうから、当の本人は、なかなか自分から気づきにくいことが多いようです。

うつ病の症状は様々ですが、大きく分けて4つに分けられます。

その4つとは、気分、行動、思考、身体反応です。

  • 気分の症状・・・抑うつ気分、悲哀感、不安感、イライラ
  • 行動の症状・・・興味の喪失、集中力の低下、意欲の低下、焦燥
  • 思考の障害・・・些細なことへのこだわり、悲観的な考え方、自責感、自殺念慮、自殺企画
  • 身体の症状・・・全身倦怠感、易疲労性、不眠、食欲低下、性欲減退、頭痛、肩こり、口渇、動悸、咽喉等異常感、胃部不快、頻尿

また、医療でも使用されているチェックリストもご紹介します。

気になる方は、試してみてはいかがでしょうか?

参考:簡易抑うつ症状尺度(QIDS -J)

4-3.うつにならないよう体調管理、栄養管理

うつ病になる体調であれば、体のエネルギーが不足している状態と言えるでしょう。普段から十分な休息をとり、健康的な生活を送るようにしましょう。

例えば、

  • 疲れたと思えば、無理をせずにエネルギーを充電しましょう。
  • しっかり1日三食食べて、体のリズムを整えます。
  • 睡眠をしっかりとるようにしましょう。
  • 過度の飲酒を避けます。良質な眠りを妨げてしまうおそれがあるからです。
  • 体に悪いとされる食べ物はなるべくひかえましょう。
  • 食事だけではしっかりとした栄養をとることが現代は難しくなっていますので、ちゃんとした健康食品や栄養剤等で補うことも重要です。

4-4.うつにならないよう、心の安らぎやストレス解消

ストレスをうまく解消することで、前向きな感情が出てくるでしょう。

くたくたになってしまうぐらい疲れるのであれば考えものですが、そうでなければ何をやっても結構です。自分なりの趣味自分の好きなことを行い、ストレスを解消しましょう。お友達とおしゃべりをしたりして、リフレッシュすることや旅行に行くのも良いでしょう。

そういったことを普段の生活に積極的に取り入れていきましょう。

4-5.うつ思考の改善

うつ思考のパターンがあります。それに陥らないためには、「うつ思考」を理解しましょう。

うつ病と聞いてプラス面に捉える方はいません。しかし、体にとっては、防衛手段なのです。外側からのストレスに耐えられずに、精神が壊れてしまう、その前に自分の身を守るため、脳がとった方法と言えます。そのため、外部の情報にとらわれないように、反応が鈍くなったり、外部になるべく晒されないような行動をとることが多いのです。

主に3パターンあります。それは

自分のことをマイナスに考えすぎる

自分の能力を過度にマイナスに考えすぎ、「自分はダメな人間だ。集中できない、物覚えも悪い」と過度に自分を責めたりする

まわりや物事をマイナスに考えすぎる

十分に考えてもみないで、うまくいかないと決めつけ、他人がこう思っているに違いないと、深読みするような勝手な被害妄想を持っている。

今後のことを前向きに考えられない

今の状態がいつまでも変わらないと思い込み、「どうせダメだ」と決めつけて、しまう。

 

うつの時には活動量がへり、思考が狭くなります。自分が傷つかないように他への興味が少なくなり、感動すること、心を揺さぶられないようにするなどの防衛本能が働くのかもしれません。

また、現在起こっている問題に触れないように、何でも先延ばしにする傾向もあります。その結果、後で「何も自分はできていない」と自分を責めてしまうことになりかねません。その状況でも、「うつ思考」の人は、周りに助けを求めたりするのが苦手です。人からどう思われるのかが怖いため、うまくいかないことが多く、さらに自暴自棄になってしまうのです。

これらを理解して、観察をおこなってください。うつ思考のような傾向が強くなってきたなと感じたら、前述の体調管理、栄養管理、ストレス解消に意識を強めてください。

まとめ

人間調子が悪いときには悪いことを考えがちです。

という事は、体の調子を整えたり、体に悪いことを避けたりすることができれば、悪いことを考えることが減る可能性があります。

あなたにとって、体に悪いこと。例えば食事であったり、生活環境であったり、また仕事環境であったり、もしかしたら自分が考えているものと異なった原因で、体の不調が出ているかもしれません。

今の自分を、客観的に見て評価ができるようであれば、そのことを観察してみてください。

明らかに、会社の環境が悪くても、体の調子を整えることで「うつ」になることを回避できるかもしれません。環境が悪い中でも自分の体調を整え、考えをまとめていく力ができると、周りに対してもまた違った影響が出る。例えば、自分にたいしての接し方が変わる、こういったことも考えられるでしょう。

自分にできることを一つ一つ試してみましょう。その1つが会社をやめるという選択肢になっても、それは逃げではありません。何も悪いことではないと思ってください。

1番大切なのはあなたです。まずはあなたの体調をよくすること。これを1番に考えましょう。現在悩んでいるのでしたら、解決することを心より願っております。

なお、職場におけるハラスメントでは、モラハラとパワハラを混同しているケースがほとんどですので、詳しくはパワハラとモラハラの違いとは?職場で確認したい特徴と対策を参考にしてください。

なお、私は企業におけるハラスメント対策もまた、本質的な解決が可能だと考えています。メンタルケアおよびハラスメント対策をお考えの企業の方は、以下に無料相談のご案内をしておりますのでご利用ください。なお、私は企業におけるハラスメント対策もまた、本質的な解決が可能だと考えています。メンタルケアおよびハラスメント対策をお考えの企業の方は、以下に無料相談のご案内をしておりますのでご利用ください。

アルハラによる死亡事例から学ぶ被害者と加害者の対策

アルハラ事例

「どうしてこんなことになってしまったのか?」

「あの時、ちゃんと介護しておけば・・・」

 

“後悔先に立たず”という言葉があります。“してしまったことは,あとになって悔やんでも取り返しがつかない”という意味です。

今回は、アルハラにより大量に飲酒をさせられ、尊い命を落としてしまった方々の事例を紹介いたします。そして、今後このような事故が起こらない為にはどうするべきか?その対策は?

特に近くに悪質なアルハラがいる場合このような事故を招きやすいことは事実です。

「もしかしたら、私の周りでも起こり得るかも・・・」

「似たような状況が多々起こっている・・・」

心当たりがある方は今回の記事を読み進めてください。

そして、急性アルコール中毒で命を落とさないための対策も載せています。もしものために、1度お読み頂き知識をみにつけることも必要かと考えます。

もう一度念を押します。起こってしまってからでは遅いです。

ぜひ、活用いただければ幸いです。

1.アルハラによる死亡事例

お酒による死亡事故です。尊い命が奪われてしまいました。

そのほとんどが大学生という事実を踏まえて、事例を確認していきましょう。

1-1 同志社大学 1年生男性 

男子学生は25日の夜、合宿先のホテルで、所属するダンスサークルのメンバー十数人と、購入したビールや日本酒、焼酎などを飲んだ。 男子学生がおう吐するなどしたため、メンバーが布団に寝かせた。 当初はいびきをかいていたが、26日午前8時15分ごろ呼吸をしていないことに同じ部屋にいた同級生が気付き、119番通報。 搬送先の病院で死亡が確認された。 司法解剖の結果、死因は急性アルコール中毒とみられる。 消防隊員が駆けつけた時、男子学生は心肺停止状態で、おう吐した跡があった。 合宿は22〜26日の予定で25人が参加していた。

1-2 京都府立大学 1年生女性 

女子学生(19)は、授業終了後の16日午後5時40分ごろから、部室内で男女約10人と飲酒。 午後10時40分ごろ、他の学生が女子学生の意識が無いことに気付き、119番通報。救急搬送されたが約1時間後に死亡した。 死因は急性アルコール中毒だった。女子学生が一緒にいた学生に「ウイスキーを紙コップで2杯ぐらい飲んだ」と話していたという。 京都府立大学ではこれまで、部室内での飲酒は禁止とし、食堂など一部施設での飲酒は認めていたが、 17日付で学内での飲酒を全面的に禁止する措置をとった。

1-3 北陸先端科学技術大学院大学 博士前期課程1年男性 

男子学生(23)は、1泊2日の日程で行われた研究室のゼミ合宿に参加。 4日夜には教授ら2人を含む16人が参加した懇親会が開かれ、男子学生はビールや焼酎などを飲み、 午前0時ごろに就寝した。翌5日朝、同じ部屋の学生が呼吸をしていないことに気付き、駆け付けた警察官により死亡が確認された。 死因は酒を飲んだことで、就寝中に吐しゃ物をのどに詰まらせた窒息死だった。

1-4 宇都宮大学 1年生女性 未成年 

女子学生(19)は、所属するバレーボールサークルの合宿に参加し、サークル仲間28人と19日から宿泊。 19日午後7時ごろからバーベキューをし、ビールや焼酎などを飲んだ。 その後、大部屋で雑魚寝をしていた。 翌20日午前3時10分ごろ、女子学生が息をしていないことに気付いた学生が、119番通報。 心肺停止の状態で病院に運ばれ、死亡が確認された。 女子学生の周囲には吐いた跡があった。死因は調査中。

1-5 三井物産新入社員(24才・当時)

三井物産の寮での新人入寮歓迎会の席上、8人の新入社員は15人の先輩から「伝統」に従い、優勝カップになみなみとついだビールを順番にイッキ飲みさせられた。しかしAさんだけがビールにウィスキー丸々1本を混ぜたもの(約3リットル)だった。この数日前に行なわれた飲み会で、Aさんが飲める体質であることは先輩に分かっていたが、「でも、ウィスキーはダメなんですよ」ともらしたことを覚えていた先輩が、Aさんの時だけ故意にウィスキーを混入したという。非常に悪質なケース。「前の2人はビールだけのお酒さえ飲めなかった。それで2人の分も飲め」と言われ、大いにはやしたてられて、Aさんは一気に飲み干し、そのままこん倒。風呂場へ連れて行かれるが、吐くこともできず意識も全くなかった。救急車が呼ばれたのは午後8時50分。救急隊到着時にはすでにAさんの心臓と呼吸は停止状態。いったん病院での電気ショックで心臓は動き始めたものの、自力呼吸はできず、人工呼吸器をつけたまま。「私たちが病院にかけつけると、先生から“社会復帰はできません”と言われました。CTスキャンを見せてもらうと、脳は通常の半分くらいに縮み、まっ黒になっていました(お父さん談)」。入院して6日後の4月14日に亡くなった。 その後、三井物産側は管理責任を認め、遺族に口頭で謝罪し、約9千万円の損害賠償金を支払った。

参考HP:急性アルコール中毒等による大学生の死亡事例          イッキ飲ませで失われた若い命

5つの事例を見て頂きましたが、大まかな特徴がいくつかあります。

・ほとんどが未成年。自分の適正な飲酒量を知らない。

・具体的な明記はない事例もありますが、アルハラがいた。もしくは、飲む雰囲気、圧力があった。

・合宿やバーベキューなどいつもと違う(楽しい)環境でお酒を飲んでいる。

・寝た後、数時間たってから異変に気付いている。

これらの事が考えられます。

それでは、次の章ではそれらの対策を考えて行きましょう。

2.事例から学ぶ被害者側の対策

2-1 アルハラを知る

アルハラとは、アルコールハラスメントの略称でお酒に関するハラスメントの事を指します。

定義を確認しておきましょう。「飲酒に伴う嫌がらせや人権侵害、相手を不快にする行為」です。

自分達よりも立場が弱い者に集団で飲ませたり、無理やりイッキ飲みをさせたりする嫌がらせの事です。

自分よりも立場が弱い者とは?

例えば、会社であれば上司と部下、大学生であればサークルの先輩、後輩がこれにあたるでしょう。

近年では刑事罰や損害賠償請求などで訴えられる例も増えています。

ここで、アルハラになりうる行為をまとめておきます。

特定非営利活動法人アルコール薬物問題全国市民協会(http://www.ask.or.jp/index.html)が具体的なアルハラ行為の定義5項目を挙げております。

①飲酒の強要

②イッキ飲ませ

③意図的な酔いつぶし

④飲めない人への配慮を欠くこと

⑤酔ったうえでの迷惑行為

以上からお分かりいただけるように、

お酒が飲めない方、強くない方にとっては不快であることは間違いありません。加害者は人権の侵害と言われてもおかしくない行為と言えます。

2-2 自分の体質を知る

お酒を「飲める人」と「飲めない人」はどれくらいの割合でいるでしょうか?

日本人全体の割合は、

ぜんぜん飲めない人・飲めない体質→4%

本当は飲めない人・弱い体質→40%

「飲める人・強い体質→56%

この数字から分かっていただけるように、約半分の日本人の方がお酒を多く飲めない体質です。

もしかしたら、あなたも飲めない体質かもしれません。

ご自宅で体質を知る方法がありますので、この機会にチェックされてみてはいかがでしょうか?

 

2-2-1 成人間近の未成年者は“アルコールアレルギーか?”体質をある程度知っておく

未成年者はお酒を飲めないと法律で決まっています。

もちろん、大学生になったからと言って飲んでいいわけでもありません。

しかし、大学生となりサークルのコンパや新人歓迎会ではお酒を飲む方がほとんどです。

そして、現実的にこれを取り締まることは難しいです。

要するに、未成年者は自己責任でお酒を飲むことになります。

そこで重要となるのは、

『自分が飲める体質なのか?』

これを知っておく必要があります。

これも分からずに、「先輩にすすめられたから・・・」「雰囲気的に断れなくて・・・」「伝統で飲まされた・・・」とアルハラ先輩の強要で飲んでしまっては悲惨な事故を繰り返してしまいます。

(例え飲めたとしても、イッキ飲みなどの大量飲酒は危険ですし、そもそも未成年者は禁止されています。)

お酒を飲む入り口に立っている成人間近の未成年者は自分が飲めるかどうか?

簡単にチェックできる方法がありますので、お酒を飲む前にチェックしておきましょう。

ⅰ) 家にあるもので行う場合

まずは、市販の消毒用のアルコールを用意します。絆創膏(薬剤のついていないガーゼ付きのもの)やコットンに、市販の消毒用アルコールを2~3滴しみ込ませます。

そして、上腕に力こぶを作ります。

ちょうどその力こぶの内側に先ほどアルコールを染み込ませた絆創膏(又はコットン)を貼ります。

(手首から肘にかけての部位でも構いません。)

7分後に一度はがし、はがした直後にガーゼがあたっていた部分の肌の色をチェックして、また元の状態に貼り直します。

この時、すでに赤くなっている方はお酒が飲めない体質の可能性が高いです。

さらに、貼りなおして10分経過した後に肌の色をチェックします。

この時初めて赤くなった方は、そこそこお酒が飲めますが、あまり強くない体質の可能性が高いです。

2回とも赤くならない方は飲める体質の可能性が高いです。

時間が少々かかりますが、家にあるものでできますのでぜひ、試されてみてください。

ご自分の体質を知っておくことは大切です。

ⅱ) 手間いらずで行う場合(アルコール試験パッチを使う)

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所要時間約20分で製品を腕に貼るだけで、簡単にチェックが出来ます。

「飲める」「弱い」「飲めない」の3つの枠に色が付いており、シールを剥がした後の皮膚の色と比較して、自分の体質を知ることができます。

費用は500円くらいしますが、とても簡単で準備が必要ありません。

インターネットで購入できますでの、ぜひ事前に1回テストしてみるのも良いでしょう。

アルコールパッチテスト

まずは、ご自分の体質を知ることが1番です。そして、楽しくお酒を飲むためには大切な事なので覚えておきましょう。

2-3 お酒を回避する方法を知る

事例でも確認できますが、『伝統』などと言ってお酒を大量に飲ませるアルハラもいます。

『伝統』などと言われれば、飲まされる方は「飲まないといけないのではないか?」「断れない」

といった心理に追い込まれ、結果大量に飲んでしまうことになります。

また、同級生や同じサークルの仲間と一緒に飲んでいると飲めない人にお酒をすすめたり、飲む雰囲気になったりします。

「飲めないなら飲む練習だよ!」「大学生は飲めないとやっていけないよ!」と言う友達の心無い一言が大惨事につながることもあります。

先輩アルハラ対策や飲む雰囲気に巻き込まれた場合にお酒を回避する方法をご紹介致します。

色々な方法があることを知っておけば、いざという時に役に立つかもしれません。

2-3-1 お酒が飲めないと公言する

新歓などで、飲み会が始まる前の段階で、「私はお酒が飲めないです!」 と公言しておくことです。

これは、非常に有効です。最初は少し勇気がいりますが、思い切って言っておくことが大切です。

まともな部活・サークルなら、配慮してくれます。そして、周囲にいる友達が代わりに言ってくれたり助けてくれます。

2-3-2 全然飲めないふりをする

一杯でも飲んでしまうと、周りの人も、いけるじゃん!! となってしまうので、 「お酒はほんと、飲めないんです」と言って、最初からウーロン茶を飲みましょう。

 初めが肝心で、丁重に、かつ真剣に断れば、分かってもらえることも多いです。 さらに、次からは強く勧められる事がほとんどなくなります。

2-3-3 お酒から逃げる言い方

以下、箇条書きでお伝えします。使える方法がありましたらお使い下さい。

・私の家族はみんなお酒飲めないんです…

・以前少し飲んだら、吐いてしまい、救急車を呼ばれそうになったんです…

・未成年ですし、救急車呼ばれて、警察沙汰になったら困ります…

・身内が警察で、環境的に飲んで帰るとうるさいんです…

・(実家通学の人は使えます)今日、車の運転(バイクも可)があるので、すみません…

・医師から薬を処方されていて、お酒飲まないように言われているんです…  

2-3-4 少し飲まされてしまい、もう飲みたくない時

・気がきくふりをして、他の離れた席に食事やつまみを持っていく係りになる。 

・乾杯の一杯のみで、すぐにウーロン茶をグラスに入れて、半分位に減ったら、 再度ウーロン茶を注ぎ、グラスを空にしない。(焼酎が入っているように見せる効果もあり)

・少々失礼ですが、席を外していればグラスにお酒を注がれにくい。

(心理的に、誰もいない席のグラスには注ぎづらい。)

・イッキ飲みの雰囲気が出てきたら、スマホをいじりながら、トイレではなく外に逃げる。

 

楽しくお酒を飲むのは良いことですが、ついついハメを外して飲みすぎてしまう。

特に未成年には多い傾向にあります。

“自分の身は自分で守る” 

大学のサークルや歓迎会などでは、先輩アルハラがたくさんいます。

楽しい雰囲気や面白がって飲ませてくる先輩もいますし、女性だけを狙って飲ませてくる悪質な先輩もいます。

最終手段は、とにかく逃げることが大事です。これを覚えておいてください。

3.事例から学ぶ加害者の対策

3―1 たくさん飲ませる雰囲気を作らない。

「伝統」のイッキ飲み、アルコール度数の高いお酒の回し飲み、先輩から後輩へのお酒強要など

相手が断りにくい雰囲気を作り、お酒を飲ませる行為は犯罪です。

訴えられるケースも増えてきています。

特にお酒の飲み方が分かっていない20歳前後の大学生は無茶な飲み方をしがちです。

幹事や先輩はこのような雰囲気にならないように注意して、後輩を見守りながら飲み会を楽しむ必要があります。

3―2 酔った人を一人にしない

窒息、転落、水死、凍死、交通事故…

フラフラに酔った人を一人にしておくのは危険です。

「フラッと外にでてそのまま外で寝て亡くなっていた・・・。」という事例もあるほどです。

酔った人は判断能力がにぶっています。脳も正常に働いていません。

「外に散歩に出てくる」と酔ってフラフラ出て行った方には誰かが付き添ってあげるのが良いでしょう。

さらに、事例にもありましたが、寝息やいびきをかいて寝ているからと言って決して安心はできません。その時は良いですが、数時間後に急性アルコール中毒になっている可能性もあります。

ぜひ、緊急時の対処方法として知っておいて損はないと思います。

3―3 吐いている人がいる場合

もし、飲み会で誰か吐いてしまったら・・・。

意識があれば、水などを飲ませて体のアルコールの濃度を薄めましょう。座らせて休憩させて誰かが付き添ってあげることも必要です。

しかし、熟睡している場合や意識がない場合は水も飲ませることができません。

さらに、抱き起こしてムリに吐かせるのはとても危険です。

吐いたものがノドに詰まり、窒息することもあります。

急性アルコール中毒では、窒息死が大半なのです。寝かせる時はあお向けではなく、横向きに寝かせましょう。横向きなら吐物が自然に口から出て、窒息を防ぐことができます。 だたし、横向きに寝かせたことで安心してしまい、一人にさせた結果、亡くなってしまうこともあります。目を覚ますまでは、必ず誰かがそばで見守ること。 また、急性アルコール中毒では体温の低下も起きます。衣服をゆるめ楽にさせ、毛布などをかけてあげましょう。

3―4 おかしいと思ったら、ためらわず救急車を呼ぶ

耳元で名前を呼んだり、つねったり身体をゆすったりしても反応がなかったら、昏睡状態です。

その人は今“死”と紙一重のところにいます。「事を大きくしたくない」などの体面を気にしている場合ではありません。わずかなためらいで、助かる命も助からなくなってしまいます。すぐに救急車を呼びましょう。

【すぐに救急車を呼ぶべき状態】

・大イビキをかいて、ギュッとつねっても反応がない。

・ゆすって呼びかけても、まったく反応がない。

・体温が下がり、全身が冷たくなっている。

・倒れて、口からあわをふいている。

・呼吸が異常に早くて浅い。または、時々しか息をしていない。

参考HP:酔いつぶれた人の、命を救う4回のチャンス

これ以外にも「危ない」と感じることがあれば、すぐに救急車を呼んでください。世間体を気にしている場合ではありません。これは命に関わる問題なのです。

4.まとめ

楽しいはずの飲み会だったのに・・・

大量のお酒により若くして尊い命を失ってしまった方が大勢います。

はれて大学に進学したのに、社会人になって給料をもらい始めたばっかりだったのに・・・。

その方々の家族の思いを考えるととても可哀そうです。

二度とこんな事件を起こして欲しくないですし、こんな悲しい事件が起きてしまっているということを皆さんに知っていただきたいと思います。

 

“お酒を飲める量は人によって違います。”

 

お酒を楽しむすべての人にご理解していただくこと、

そして、アルハラ(アルコールハラスメント)が世の中から無くなることを心から願っています。

なお、私は企業におけるハラスメント対策もまた、本質的な解決が可能だと考えています。メンタルケアおよびハラスメント対策をお考えの企業の方は、以下に無料相談のご案内をしておりますのでご利用ください。なお、私は企業におけるハラスメント対策もまた、本質的な解決が可能だと考えています。メンタルケアおよびハラスメント対策をお考えの企業の方は、以下に無料相談のご案内をしておりますのでご利用ください。