彼氏からのモラハラ!別れるにはどんな対処方法があるの?

「お前いい加減しろよ…」
「今まで使った金返せ!」
「馬鹿じゃねえ~の?」
「生きていて恥ずかしくね~」
ふとした瞬間にすぐキレて暴言を吐くモラハラな彼氏。繰り返される疑問系かつ脅しのような物言いに傷つき…

「もしかしたら私が悪いのかな…」
「私の忍耐が足りないのかな…」
などと自己嫌悪に陥ったり、精神的に病んでしまっている女性は少なくないようです。

モラハラを受ける可能性はどこにでも潜んでいるもので、同棲中の彼からもモラハラを受ける可能性もあります。もしそのようなことがあれば別れることが賢明かもしれません。また、同棲を解消するなどが非常に効果的な対処方法となります。そこで今回のアンケートでは、同棲中の彼からモラハラを受けたらどうするかうかがってみました。

1.同棲中の彼氏からのモラハラ!あなたならどうする?

同棲解消する?モラハラを続けるなら同棲を解消して距離を置く!アンケートの結果によると、ほとんどの人がモラハラを指摘しても続けるなら同棲を解消すると回答していました。

・はっきりそれはモラルハラスメントだよと伝えて、直らなければ出て行きます。(40代/女性/専業主婦)

・同棲解消。反省もしくは謝罪があるまで連絡も取らない。冷静になる時間が必要だから自分の精神衛生上の為に離れる。(30代/女性/会社員)

・モラルハラスメントが止まるように努力しますが、それでもダメだと感じたら、同棲を解消します。(40代/女性/自営業(個人事業主))

・モラルハラスメントをするようなやつとは一緒に住めないので即同棲をやめる。もちろん結婚はしない。(40代/女性/専業主婦)

・もし同棲中の彼がモラルハラスメントだったら同棲を解消します。(30代/男性/会社員)

・自分が苦痛を感じていることを説明してわかってもらう。それで駄目なら早めに別れた方が良いかも。(40代/女性/会社員)

・まずはじっくり話し合ってみるが、それでも改善されないようならわかれる。(20代/女性/パートアルバイト)

同棲中の彼からモラハラを受けた場合、それを指摘した上で尚モラハラを続けるようであれば即刻同棲を解消するという意見がほとんどでした。モラハラを受け続けている状況では自分の精神面も危うくなる恐れもあるので一旦距離を取った方が良いのかもしれません。彼のモラハラのせいで自分が苦痛を受けていると説明しても分かってもらえないようであれば、同棲を解消する他にも早々に別れる手段もあるのではないでしょうか。

2.モラハラな彼氏と別れるときに注意することとは?

彼氏に限らず、適切なコミュニケーションを取れないのはモラハラの加害者です。揚げ足取りや脅しのような言動、暴言が通常のコミニケーションですから、自分の意に沿わないことならそれはなおさらのこと。別れ話など、どんな修羅場になるのか想像もつきません。

2-1.必要にメールや電話で束縛するモラハラ彼氏なら、証拠を記録し警察などに相談を!

一日に何十通もメールを送ってきて、すぐに返信をしなければ電話がかかってくる。仕事中などで携帯に出れなかった時など、必要に着信を残し、それでも出なければ会社に電話をしてくる。もし、あなたのモラハラ彼氏がそういった束縛や監視のような行動するタイプなら、警察に相談をしましょう。ただし、その前に彼氏のモラハラ行為の証拠記録する必要があります。

2-1-1.彼氏のモラハラ行為を記録その1.メールや LINE の文面を保存する

彼氏に限らず、モラハラな人はみな不機嫌であったり、揚げ足取りのコミニケーションをします。そういった彼らの精神状態はメールなどの文面にもアキラカににじみ出ます。まずは、メールや LINE を保存しましょう。

2-1-2.彼氏のモラハラ行為を記録その2.電話の内容を録音する

すぐに電話に出れなかった時など、通常でも不機嫌なモラハラな彼氏ですからさらに不機嫌になります。脅しのような物言いも強くなりますし、暴言もひどくなるでしょう。また、あなたの行動を疑うようなストーカー的な物言いもあるはずです。こういった彼氏からの電話を録音保存しましょう。

2-1-3.彼氏のモラハラ行為を記録その3.物に当たったり壊したりといった証拠写真を撮る

モラハラな彼氏は暴力はありませんが、物に当たる人は少なくありません。椅子や冷蔵庫蹴ったり物を投げたりなどの行為であなたを威嚇したりします。こういった行為もまた、証拠になりますので、後で写真を撮って保存しておきましょう。

2-2.彼氏のモラハラ行為を相談できる専門機関

あなたを束縛したり監視するようなモラハラ彼氏なら、上記のように証拠保存した上で以下のような専門機関に相談しましょう。警察に相談する際のアドバイスをしてくれます。

1.法テラス

2.ストーカーバスターズ

3.同棲しているあなただからこそ可能な彼氏へのモラハラ対策

彼氏へのモラハラ対策とは、何も別れると言うだけが手段ではありません。別記事「モラハラの2大原因!脳の栄養不足と体調不良を理解しよう!」をお読みいただくとわかりますが、モラハラの原因は脳の栄養不足と体調不良です。栄養不足や体調不良により脳の働きが悪くなり、情緒が不安定になっていることが彼氏のモラハラ行為の原因なのです。

1.対策その1.モラハラ彼氏に栄養をとらせる

2.対策その2.モラハラ彼氏の体調不良を改善する

一般に、幅広く十分な栄養をとることができれば、モラハラ行為の多くは改善または解決します。また、それで改善が不十分でも心配する必要はありません。彼氏の体調不良を改善させることで必ずモラハラは解決します。こちらも別記事「【モラハラは治せる】諦めないで!今日から出来るモラハラの治療方法まとめ」で、詳しくご紹介しておりますのでお役立てください。

4.彼氏がモラハラだったときのため、同棲前に注意すべきこと!

たとえ理由がモラハラではなくとも、彼氏に別れ話を切り出すのは勇気の要ることです。それがモラハラな彼氏ならなおさらです。そこで、同棲したら彼氏がモラハラだったときのために、同棲前に注意すべきポイントをご紹介します。

4-1.同棲するアパートやマンションは彼氏名義で借りること!

モラハラの彼氏と別れる時、話し合いは彼を興奮させることになりますから、時と場合によっては何も言わずにフェードアウトするのも一つの手段です。彼氏が仕事などで出かけている時、荷物をまとめて出て行ってしまう。このとき問題になるのが賃貸している家の名義です。

彼氏名義なら、彼の留守中に自分の荷物をまとめて出て行くことができます。一方で、もし自分名義なら彼に家から出て行ってもらなくてはなりません。つまり、話し合いが必要になります。こういったことがないように、賃貸で家を借りるときは必ず彼氏名義にしましょう。

4-2.自分名義で賃貸をしてしまった時は第三者の力を借りましょう。

自分名義でマンションやアパートを借りてしまった場合、彼氏と別れることはもちろん、彼氏がすんなり家から出て行ってくれる可能性すらとても低くなります。こんな時も、先程ご紹介した法テラスやストーカーバスターズなど第三者の力を必ず借りるようにしましょう。

まとめ

モラハラをする彼とは一緒に住めないし、過ちを気づいてほしい?今回のアンケート結果ではほとんどの人が同棲中の彼からモラハラを受けたら、モラハラだと指摘して直らないようであれば同棲を解消するということが分かる結果でした。

こんな時、アンケートの調査のような「彼氏のモラハラを指摘する」とか「彼氏の行為に苦痛を感じている」と伝えることは不機嫌な彼氏の気持ちを逆なですることになります。そんなとき、ご紹介したようなアプローチを試してください。きっと、モラハラは改善・解決が可能な問題だとお解りになることでしょう。ですが、私としては結婚前の男女なら、モラハラな彼と同棲を解消し別れるという選択もありだと考えています。

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■調査地域:全国
■調査対象:年齢不問・男女
■調査期間:2015年10月06日~2015年10月20日
■有効回答数:100サンプル

もし、あなたがモラハラの対象になったときの対処・対策方法

「普段はやさしい彼ですが、とても心配性で困っています。一日に何度も電話がかかってきます。電話に出ないとメールが届き、すぐに返信しないとまた電話が来ます。何度も着信があった後、電話に出ると『誰と会っていた。何をしていたんだ。』と必要に聞いてきます。

特に困るのが夜、電話に出れなかった時です。私はゆっくりお風呂に入るのが好きなのですが、そんな時に限って着信の嵐があり、憂うつな気持ちになります。

『こんなに遅く電話にでないなんて、男と会っていたんじゃないのか?昔の彼氏か?どんなやつだったんだ?』

そう怒りだし、時には『最低な女だ!』と罵られます。これってモラハラではありませんか?」

夫から妻、妻から夫、彼氏から彼女、彼女から彼氏など、好きな人からの連絡は嬉しいものですが、このような一方的なコミュニケーションは問題ですし疑いのないモラハラ行為です。

パートナーから、そんなモラハラを受けてしまったらあなたはどうしますか?夫婦や恋人同士と2人だけの問題として解決するのが、本当に正しい対策・対処方法でしょうか。

今回、モラハラを受けてしまった時に考えられる対策・対処方法について皆さんにアンケート調査をしてみました。また、いただいた意見について具体的に何が正しく何が間違っているのか?整理して解説していきたいと思います。

1.モラハラを受けたときの対策・対処方法はどうされますか?

夫婦や恋人同士に限らず、実の親子間、姑から嫁、職場など様々な対人関係で起こりうるのがモラハラです。アンケート調査で対策や対処方法を聞いたところ、モラハラという言葉は知っているものの、その本質を理解されていない方が少なからずいらっしゃることがわかりました。

1-1.対策・対象方法その1.気遣いをすればモラハラは防げる?

・日頃から相手に対して、相手が心地良くいられるように気を遣うことが有効だと思います。(40代/女性/自営業(個人事業主))

おそらくですが、こんな意見をくださった方はとても幸せな生活をされてるのだと思います。そのため、モラハラの本質が理解できないのでしょう。

コミュニケーションはキャッチボールにたとえられます。健全なコミュニケーションは、相手が受け取りやすいところにボールを投げ、相手からもまた同じようにボールが返されます。

一方で、モラハラのコミュニケーションはこちらがボールを受けやすいところに投げても…

・ボールを取らない
・とったボールを絶対にキャッチできないところに投げる
・ボールを投げたのにサッカーボールを強く蹴り返してくる

こういった行為をするのがモラハラですから、たとえ相手が心地よく過ごせるようにしたとしても、いちいち揚げ足を取られて何をどうしたらいいのか?混乱して心が病んでしまうことになることでしょう。

1-2.対策・対処方法その2.相談できるところを設ければモラハラは防げる?

・日頃のコミュニケーション。話ができない場合は、第3者を交えて。(50代/男性/無職)

・普段からコミュニケーションをよくとるようにする。あと相談所など、誰かに相談出来るところを設ける。(20代/女性/パートアルバイト)

外ヅラが良いのはモラハラ加害者の特徴ですが、ことが自分たちの問題になると話は別です。「聞く耳」などありませんから、いくら第三者を交えたとしても話し合いになどなりません。むしろ、話がこじれますし、そもそも席を同じにすることすらないでしょう。

1-3.対策・対処方法その3.モラハラなら離れることが一番!

・親子の間で起きるなら、離れるのが一番。住居・生計を別にして、自身に影響を受けない範囲におく。このふんぎりができるかがポイント。(60代/男性/契約派遣社員)

・離れることが一番です。その相手に寄り添う覚悟がなければ対策なんて意味ないですから(30代/女性/会社員)

相手があってのモラハラですから、離れることは有効な対策であり対処方法です。ですが、肉親である親子間はもちろんですが、夫婦間でもそれがなかなかできない事情があります。

例えば親子間なら、加害者を残して家族が引っ越すのか。それとも、加害者が出て行ってくれるのか。経済的なことも含め、そう簡単にできる事ではありません。これは夫婦間も同じで、特に離婚後の女性は経済的に困窮する可能性が高くなります。(詳しくは別記事「モラハラ夫と離婚する前に!後悔しないよう失うものを確認」をご覧ください。)

1-4.対策・対処方法その4.専門家に相談すればモラハラは防げる?

・様々な具体例からどういうのがモラルハラスメントになるのかを専門家から説明してもらう。(50代/女性/専業主婦)

・1人で考え込まないのが良いと思います。周りの近しい人に、いなかったらモラハラ相談に電話する(30代/女性/会社員)

驚かれるかもしれませんが、私はモラハラ専門家などいないと思っています。そして、これを読んでいる誰もが今すぐモラハラの専門家になれます。なぜなら、「モラハラは治りません。」とか「縁を切るのが唯一の解決策です。」、「離婚しかありません。」そう言っていればいいのですから。これは行政の相談機関であれ、臨床心理士、真理カウンセラーでも同じです。

初めからわかりきった、こんなアドバイスしかいただけないところに相談して何の意味があるのか?疑問を感じるのは私だけでしょうか。

2.モラハラ対策・対処方法は、今後どうしたいのかで違ってきます!

モラハラの対策・対処方法は、あなたの気持ち次第で変わってきます。

・二度と会いたくない
・できるなら一緒にやっていきたい

このどちらを選択するのかで、取るべき対策対処方法は違いますのでご説明しましょう。

2-1.二度と会いたくないときの対策・対処方法

二度と会いたくない。縁を切ることを選択したあなたがすべきことは、できるだけ事務的に行動することです。長年の経験上わかるかと思いますが、「あ~言えばこう言う」といったオウム返しのようなコミュニケーションをするのがモラハラ加害者です。したがって、話し合いで縁を切ろうとすると今までと同じように揉めることになります。

以上のことから、縁を切るという選択をされる方はできるだけ事務的かつ法的な対応する必要があります。

その意味で証拠集めは重要です。普段の言動の録音。どんなことがあったのか日記。物に当たるなどの問題があった場合なら写真。など、法的な証拠を集めるよう心がけましょう。

なお、とくに夫婦間のモラハラはもめますし、離婚後の女性は経済的な問題や親権など子育ての問題もありますので別記事「モラハラは離婚をするしかないの?モラハラ離婚【まとめ】」をご覧いただきお役立てください。

2-2.できるなら一緒にやっていきたいときに対策・対処方法

別記事「モラハラの2大原因!脳の栄養不足と体調不良を理解しよう!」で詳しくご紹介しているように、モラハラの原因の多くは脳の栄養不足と体調不良にあります。したがって、モラハラは以下のような適切な対策と対処方法をとることにより、解決が可能になります。

1.モラハラの対策・対処方法その1.十分に栄養をとる

2.モラハラの対策・対処方法その2.体調不良を改善する

栄養の不足が体調不良や様々な病気の原因になることはよく知られていますが、その一方で脳の栄養不足が脳の性能、こころや精神状態に大きな影響を与えることはあまり知られていないようです。

まずはモラハラ加害者に幅広くかつ十分な栄養をとらせてあげましょう。このアプローチだけでモラハラ問題が解決してしまう方も少なくないでしょう。もし、脳の栄養状態の改善というアプローチで十分効果がなくても心配は要りません。体調不良改善すれば、必ずモラハラ問題は解決できるはずです。

私の場合、漢方というアプローチで実績を上げておりますが、このアプローチで効果があることから、理屈上は次のようなアプローチ、鍼灸や気功、正解、ストレッチ、カイロプラクティックなどでも解決が可能です。

こちらも詳しくは別記事「【モラハラは治せる】諦めないで!今日から出来るモラハラの治療方法まとめ」をお役立てください。

まとめ

モラハラの対策や対処方法について、日頃からのコミュニケーションが大切という意見が最も多く見られました。しかし、、そういった当たり前の意見以上に大切なこと。栄養状態と体調不良という、生物にとって最も重要な問題の解決が必要だとお分かりいただけたことと思います。

モラハラは被害者の人生を台無しにするほど、とても大きな問題です。一人で悩んでいても解決できませんから、真剣に解決を望んでいる方は以下の小冊子をお役立てください

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夫のモラハラに復讐や仕返しは正解?弱点はあるのか?

「お母さんは低学歴だから・・・」

「ハァ~、こんなもの食えるか・・・」

「いいかげん、俺のことわからない?」

モラハラとはモラルハラスメントの略であり、妻の人格を否定するような言動や行動をとったりする夫の事をモラハラ夫と言います。夫からのモラハラは多種多様ですので、詳しくは別記事「離婚しかない?7つの特徴からわかるモラハラ夫への対処方法」をご覧ください。

当然ですが、もし、あなたの夫がモラハラ夫だったとしたら、あなたが我慢する必要はありません。また、しかるべき機関に相談することをお勧めします。これも別記事「無料電話相談もできる公的機関も!モラハラの相談窓口まとめ」で詳しくご紹介していますのでお役立てください。

また、長年にわたるモラハラ夫から嫌がらせに「復讐」や「仕返し」をしてやりたいというお話も、私がいただいた相談の中にはありました。さらに、モラハラ夫に弱点はあるのか?と言った質問もいただいたことがございます。

そこで今回、もし夫がモラハラだったら復讐や仕返しを考えますか?というアンケートをとってみました。また、復讐や仕返しをする際、モラハラ夫に弱点があるのか?ということも気になるところです。

他のサイトではあり得ない記事ですが、参考にしていただけれ幸いです。

1.夫がモラハラだったら復讐や仕返しを考えますか?

もし夫がモラハラだったなら、復讐や仕返しを考えますか?他にどんな選択肢があるのか?あなただったら夫のモラハラに対し、どんな行動を起こすのか教えてください。というアンケートの結果、モラハラ夫とは離婚に次いで夫と同じモラハラ行為をする。仕返しや復讐をすると答えた人が多いようです。また、誰かに相談するといった回答もありました。

・夫がモラハラならなるべく早い段階で別れることだと思います。モラハラもDVも治らない。復讐や仕返しなど怖くてできません。(30代/女性/無職)

・子どもが出来るまえに早く離婚する。モラハラは治らない病気みたいなものだから。でも、さんざん苦しめられたんだから、もしできるなら少しぐらい仕返しや復讐をしたいですね。(20代/女性/パートアルバイト)

・モラハラ夫は離婚して、一切の関係を断つ。そのようなことが許される環境に育ってきているということなので、意識改革は難しいと思う。もちろん、復讐や仕返しは難しいと思います。そんなことしたらもっとひどい仕返しのモラハラが降りかかってくると思います。(40代/女性/専業主婦)

・夫のモラハラ行為と全く同じ事をやり返し、どれだけ非常識で嫌な事か身を持って分からせる。と、思うものの、実際に復讐や仕返しをするとなるとできるかどうかわかりません。(20代/女性/会社員)

・きちんと言い返して自分が弱い立場じゃないと言うところを示すことが重要です。モラハラ夫に弱みを見せるとつけあがりますから、復讐とか仕返しではなく、毅然とした態度で接することです。(30代/女性/会社員)

・自分ひとりで考えていると正常な判断が出来なさそうなので、周りの人に相談してみる。復讐とか仕返しってそれがモラハラですから、そんなことしたらもっとひどいモラハラで仕返しされちゃうと思います。(30代/女性/会社員)

・モラハラをする人を治療してくれる施設に相談してみる。エスカレートしてきたら親に相談。彼からモラハラをされたことあるんだけど、少し言い返しただけでもっとひどいことを言われたことがあるので、とても復讐や仕返しなんてできません。(10代/女性/パートアルバイト)

モラハラは治らないという意見が目立ち、早く離婚した方がいいと考える人が多いようです。これが一般的な世間の認識ですが、モラハラ治すことができます。これも別記事「【保存版】モラハラを治したい人がまずは取るべき3つの対策」で詳しくご紹介していますのでお役立てください。

アンケートでも、モラハラを我慢する必要はないという事がうかがえます。実際、我慢しても自分が辛いだけですよね。同じ事をやって、どれだけ嫌な事か分からせるという意見も挙げられました。言葉だけでは伝わらなくても、この方法なら相手に分かってもらえるかもしれません。

誰かに相談するという人も少なくありません。自分一人で考えると正常な判断が出来ないという意見もあるように、モラハラを一人で抱え込むのは止めた方がいいと言えるでしょう。

1-1.もし、夫からのモラハラに復讐や仕返しをしたら…

「なんだ、疲れて帰ってきたのに俺の夕飯はないのか!」
と言うので夕飯を作っておくと…
「ハァ~。こんなに疲れているのに油っぽいもの作りやがって。胃がもたれてかえって具合が悪くなる。」
そう言ってカップ麺を食べる。そこで、「夕飯は何にしましょうか」と聞くと、「それを考えるのはお前の仕事だろ!」そう怒られてしまう。

このように、オウム返しのような物言いに終始するのがモラハラ夫です。また、言い返したり口答えをしたりすれば、わけのわからない理屈や関係のない話を持ち出しさらに不機嫌に振舞います。

したがって、モラハラ夫に復讐や仕返しをするのなら、それ以上に不機嫌な言動が繰り返されることを覚悟する必要があります。

1-2.復讐や仕返しを考えるなら、あなたもモラハラの気があるのかも?

「あの時、あなたのお母さんが…」
「あなただって先週服買ってたじゃない。」
夫婦喧嘩をした時、「おいおい、それはこの喧嘩とは関係のない話だろう…」と言ったことを口走ってしまうことがあります。

このように人は興奮すると、誰もが揚げ足を取るような言動をしてしまいがちなります。そしてこれは、自己防衛本能が働いた結果であり、正しくモラハラ行為です。理不尽なモラハラ行為は確かに腹立たしいものですが、復讐や仕返しもまた理不尽なもの。それが負の連鎖を生むことに疑いはありません。

2.モラハラ夫が家では不機嫌で外では愛想が良いのは?

怒鳴ったり無視をしたりと、いつも家では威圧的な態度に終始するモラハラ夫。そんな彼らですが、一歩外に出るととても親切で愛想が良い人がほとんどですが、それは次のようなことが理由です。

2-1.モラハラ夫は人に嫌われるのが怖いから外面が良い!

「お宅のご主人、本当にやさしいわね~」
「うらやましいは親切なご主人で…」
「PTA の会長ですって?さすがね~」

家ではムスッとした怖い表情で不機嫌に振る舞う一方で、一歩外に出ればとても明るく優しく振る舞うモラハラ夫。そのギャップに戸惑う奥さんがほとんどだと思います。そして、このギャップはモラハラ夫が怖がっていることが原因であり、それは本能的な行動です。

これは野生のサルを見れば明らかで、サルは自分よりも弱いサルが近づくと強い態度に出ますが、自分より強いサルが近づくと弱いものとして振舞います。そしてこれが、集団の中でうまく生き延びる本能的な行動であることは明らかです。それはモラハラ夫も同じなのです。

2-2.人は出会っている人に応じて無意識のうちに態度を変えている!

兄弟や親しい友人とは馬鹿な事を言ったり、あっけらかんとした態度で接する。その一方で、仕事先や地域の集まりなどでは誰もが言葉遣いや態度を変えます。

このように、人は時と場合により無意識のうちに態度を変えています。また、よく考えればわかりますが、会う人によっても少しずつですが態度を変えています。例えば、私には2人の娘がいますが、やはり少しずつですが接し方が違います。

ですが、モラハラ夫のような横暴な態度はとりません。それは、前頭葉の「理性の声」が聞こえているからです。

したがって、モラハラ夫は理性の声に従うことができないこと。人の脳(動物にはない人特有に発達した脳)ではなく、動物の脳で反応してしまっていることがわかります。

なお、これは別記事「モラハラの2大原因!脳の栄養不足と体調不良を理解しよう!」をお読みいただくとよく理解できますのでお役立てください。

2-3.モラハラ夫の不機嫌な態度は脳内物質が原因です!

前述したモラハラの原因をお読みいただくとわかりますが、交感神経が緊張しているからこそ外では気を使う一方で、家庭では横暴に振る舞います。

交感神経が緊張すると副腎からアドレナリン(不安・恐怖)とノルアドレナリン(怒り・イライラ)が分泌されます。

不安(アドレナリン)だからこそ人に気を使い、イライラ(ノルアドレナリン)だからこそ気を使わずに済む妻に不機嫌に振る舞うのです。

そしてこれらの脳内物質により、野生のサルもまた、先程ご紹介したような上下関係を維持していることはもうおわかりでしょう。

「窮鼠猫を噛む」という言葉のように、猫を目の前にしたネズミも限界になれば猫に襲い掛かります。同じように、モラハラ夫はとても怯え(不安)ているからこそ不機嫌(イライラ)な態度をとるのです。

3.モラハラ夫の弱点とその弱点をうまく利用してモラハラを解決するには?

猫が目の前にいるネズミのように、怯え(不安・アドレナリン)て不機嫌(イライラ・ノルアドレナリン)な態度に終始するのがモラハラ夫です。そんなモラハラ夫ですが、私がモラハラの相談をいただいてきた経験から、次のような弱点があることに気づきましたのでご紹介しましょう。

3-1.モラハラ夫が相談に来るのは妻が家を出た時のみだったという事実!

私はモラハラという言葉が世に知られるずっと以前、おおよそ20年前からモラハラの相談をいただいてきました。また、そういった経験からモラハラの著書を出版することができました。

そんな私の経験では、加害者である夫から相談をいただいたとき、そのほとんどが共通した状況でした。それが「妻が家を出た!」と言う時です。これが、モラハラ夫の弱点です。

3-2.怯え(不安・アドレナリン)ているからこそ1人になると冷静になる!

怯えているからこそついつい無意識に、イライラと妻に対して不機嫌に振る舞ってしまう。そんなモラハラ夫も、妻が家を出てしまえば当たり散らすことができません。それどころか、不安な気持ちでいっぱいになります。

おそらく、そこで初めて事の重大さに気づくのでしょう。事実、相談に来店されたモラハラ夫は例外なく憔悴しきっていました。

このように、モラハラ夫は不安を抱えているという弱点があります。また、この弱点があるからこそですが、次のような事実もあります。

3-3.離婚が決まると自分の問題は棚上げにする!

夫からのモラハラに耐えかね、妻が家を出る。このとき、ほとんどの妻は離婚を決めています。

相談に来てされた当初は、自分の問題を改善しようとしていたモラハラ夫ですが、離婚が決まったり、妻が自分のもとに帰らないとわかると、ここでもまた共通した行動に出ます。

「もういいです。」

と、自分の問題点を棚上げにします。

こういったことから、私はモラハラ被害者に次のようにお勧めします。

限界まで我慢するのはやめましょう。むしろ、できるだけ早く実家などに帰りましょう。

その上で、モラハラが治るように適切な対処をしてください。なお、モラハラは治すことは可能ですので、詳しくは別記事「【モラハラは治せる】諦めないで!今日から出来るモラハラの治療方法まとめ」をお役立てください。

まとめ

モラハラ夫だった場合は離婚するという人が多く、復讐するよりも弱点を利用し、できるだけはやく一度距離を置くこと。家出・実家に帰ることが有効です。

そもそもモラハラ夫が嫌がらせをしてきているわけですから、復讐したらそれ以上の攻撃が繰り返される恐れがあります。

モラハラを性格や人格の問題と思い込んでしまうと、治るものも治りません。また、復讐は負の連鎖を生みますから、それ以上の仕打ち、モラハラ攻撃がパワーアップして返されることになります。ですが、モラハラは解決できる問題です。ぜひ、この記事を参考に問題解決に取り組んでください。

モラハラは被害者の人生を台無しにするほど、とても大きな問題です。一人で悩んでいても解決できませんから、真剣に解決を望んでいる方は以下の小冊子をお役立てください

■調査地域:全国
■調査対象:【性別】女性
■調査期間:2015年10月06日~2015年10月20日
■有効回答数:100サンプル

社会人必見!新年会シーズン前に確認しておきたいアルハラ対策

アルハラ

「新年会くらい飲め!」

「シラフだと腹わって話せないだろ!」

「飲めなくても新年会くらい参加しろ!」

上記のようなこころない一言はまさにアルハラ発言です。

このような上司の圧力から新年会を断りたい思う方も多いのではないでしょうか?

例えば、家族の都合で行けない・・、予定が先に入っていて・・など各々都合もあり参加できない場合もあるからです。

さらに、全くお酒が飲めないのにお酌をさせられたり、上司から注がれたお酒を無理矢理飲まされたり、大変な思いをされている方も多いと思います。

そうは言っても、新しい年を迎える新年会は、会社で重要な位置づけと考えている社長、上司の方もいらっしゃいます。

・都合があるのに、なかなか断りにくい

・アルハラ上司の発言で行く気がしなくなる。

・飲めないのに飲まされる

このようなお悩みを抱えている方は、ぜひご活用下さい。

1.アルハラ上司の特徴

「あれはお酒の席だから」

「酔っていたから無礼講だよ」

やってしまった後にあれこれ言い訳をしてくる上司もいます。被害者であるこちら側としては、ひどい仕打ちを受けても何も言い返せません。

新年会で楽しくお酒を飲めるようにはどうすればよいか?

それは、まずアルハラ上司(加害者)の特徴をおさえ、情報を集めましょう。

1-1 バブル世代の部長、課長クラス

この世代の方々は、自分の価値観を押し付けてしまいがちです。若者を『ゆとり世代』と決めつけて飲み会の席で説教を始める人もいます。

また、「俺の若い頃は・・・」と自分の昔話を始める上司も少なくありません。

挙句の果てに、「俺の酒が飲めないのか!!」と無理やり部下にお酒を強要してしまう・・・

さらに、部下は、次の日二日酔い。

会社の飲み会とはいえ、これが毎回だと部下も行きたくなくなります。これでは、悪循環です。

飲み会に誘われる → 上司の話は毎回同じ → お酒の強要 → 二日酔い → さらに、行きたくなくなる → また同じ話・・・。

この世代の方は部下に自分の価値観を押し付けて来る者もいますので、特にアルコールが入っている時は注意が必要です。

1-2 ノリの軽い上司

「カラオケで点数低い人がイッキ飲み」

「じゃんけんで負けたらイッキ飲み」など

ノリの軽いアルハラ上司は、ゲーム感覚で部下にお酒を飲ませる傾向が強いようです。

また、“イッキコール”をいくつも知っていて飲まないといけない雰囲気を作るのが得意です。

部下が「明日用事がありまして・・・」と言ってもそんなのお構いなし。

イッキで飲むまで帰さない。

相手に飲ませること以外で飲み会が楽しめたら、親しみやすい上司になれるのにもったいないです。

1-3 お酒が入ると性格が変わってしまう上司

普段は温厚で優しい方でも、お酒を飲むと全く性格が変わってしまう上司もいます。何かスイッチが入ったように変わってしまいます。

饒舌(じょうぜつ)になって永遠と語りだしたり、急に怒りっぽくなったり、泣き出したり、時には極端にアルハラに変わってしまう方もいます。

このような方は、こちらの事情は全く聴いてくれません。当然相手も酔っぱらっているからです。

「今日は飲めません。理由は・・・」と理由を話してお断りしても、

「俺の酒が飲めないのか?」「そんなの関係ない」などと言って絡んできます。

(その理由が例え、車や家族の事であってもです)

あの上司は「お酒を飲むと人が変わる」「飲み会で別人ですね」と前もって情報が入手できているのであれば、飲み会でできるだけ近づかない方が得策でしょう。

1-4 独身でさびしがり屋の上司

「仕事がひと段落したから飲みに行こう」

「月末だからお疲れ様で飲みに行こう」

「誕生日だから飲みに行こう」 など

事あるごとに何かしら飲みに行きたがる方は要注意です。

飲みに行きたいと思っているのはこのタイプの上司だけで、実は部下は迷惑している可能性が高いです。

・飲みに行こうと常に言っている。

・めずらしいお酒がある!と言って無理に飲み会をひらこうとする。

たまに誘われるならいいですが、頻繁となると部下の方も断るのに勇気が必要です。

1-5 新入社員に集団で飲ませる上司

新しい環境にまだ慣れていない新入社員に飲ませようとする上司は注意です。

右も左も分からない状況で上司から飲まされたら、断ることができません。さらに、上司から嫌われないように!!という心理も新入社員には働いています。

もっとやっかいなのは、集団で来られる場合です。上司が複数で来られると飲めないのに飲む雰囲気になってしまい飲まざるを得ない状況になってしまいます。さらに、同僚も盛り上がり、先輩に認められたくて、あおる者も出てきます。

「この場をシラケさせてしまうのでは?」と考えてしまい飲んでしまう・・。とても危険です。

新入社員の心理を利用した悪質なアルハラです。飲めない方は本当に少量でもアルコール中毒になりかねませんので注意が必要です。

 

以上、アルハラ上司の特徴でした。思い当たる上司がいれば、アルハラである可能性は非常に高いとお考え下さい。

次の章で具体的に気を付けたいアルハラ対策をご紹介いたします。

2.男女別でみる新年会でアルハラ行為に嫌な経験をした事例

男性、女性で悩みはそれぞれ違うようです。それぞれ嫌な経験をした事例を上げておりますのでぜひ、お役立で下さい。

 

2-1 女性版

2-1-1 新年会くらい参加しろ!

①新年会に参加する予定でいましたが、急遽娘が熱を出してしまって行けなくなった・・・

その旨を、上司に話したところ「年に1度の会社の行事に参加するのが当然だろ」みたいな口調で言われてショックでした。

お酒も飲めないし、二度と参加したくないと思いました。

 

②半年くらい前からとても大事な飲み会が入っていました。同じ日に会社の新年会が入ってしましました。悩んだ末に、今回だけ私用を選び相談しやすい上司に新年会を出席できない旨をお伝えしました。

すると、いつも優しかった上司が「使えない女」と言って舌打ちをしてきました。

新年会はそんなに大切な行事なのですか?

このように新年会を重要視する企業は多いようです。社長のお言葉や上司との顔合わせなど親睦を深める一大行事に位置づけられております。

私用や家族の行事で行けないこともしばしばありますが、お酒の席を大切な場所だと考えている上司はこちらの都合は考えていただけないことも多いようです。

2-1-2 シラフだと腹割って話せないから飲め!

①私は、お酒が全く飲めません。上司もそのことはわかっているはずなのに新年会だから!

という理由で「シラフだと腹割って話せない!君も(お酒を)口つけるくらいしなさい」と言われました。お酒が飲めない事をわかっていてお酒を強要されて困りました。飲み会中にシラフでいることはイケない事なのでしょうか?

 

②私は、お酒を飲むと真っ赤になって頭がガンガンして飲み会どころではなくなります。ですから、毎回ウーロン茶を飲んで食事だけ楽しむようにしています。ところが、私の上司は年に1度の新年会というのを理由に「シラフだとつまらない。1度くらい酔ったところ見せてよ~」とアルハラ+セクハラ行為で近寄ってきます。

直属の上司なので対応に困りました。

酔っ払っている方からすると、飲んでない方(シラフの方)は同じフィールドにいないように感じられるのでしょう。

しかし、それは飲めない方からするとお酒の強要、つまりアルハラ行為に当たります。

日本人の1割の方は『全くお酒を受け付けない』という方もいらっしゃるので、この事実を

お酒を勧める方は知っておく必要があるでしょう。

2-1-3 お酒とたばこの匂いが苦手

①昨年新年会に参加しましたが、今年は参加したくありません。なぜならば、お酒の独特の匂いとタバコの匂いで気分が悪くなったからです。昨年は妊娠初期も重なったので余計に気持ち悪かったです。それが、脳裏によぎって今年は絶対参加したくありません。

 

②上司に気に入られている同僚から『新年会もちろん参加だよな!!』と言われました。本当は行きたくないです。理由は、キャラクター的にお酒を飲まされるからです。同僚は面白がり、上司も笑って女である私を潰そうとしてきます。もともと、そんなにお酒は飲める方ではありませんし、持病の気管支喘息もあります。

さらに、新年会では上司がすぱすぱタバコを吸っていて、寒いので換気もできません。外で吸って下さいとも言えません。毎年、お酒とタバコの匂いで翌朝発作が出て1日寝込んでます。アルハラとタバコの匂いをどうにかして欲しいです。

お酒だけではありません。タバコも嫌な思いをさせている原因の1つのようです。

お酒を飲める方は、飲めない人を気遣う。タバコも吸わない人を気遣うようにして欲しいものです。

2-1-4 女性なのにお酌もできないのか!

①新年会に出席したくありません。理由は、去年の新年会で嫌な思いをしたからです。

私の会社には、「女性ならお酌をしろ!」としつこく言ってくる有名なA上司がいます。

(しかも、酔うとその行動はエスカレートします。)

その情報を前もって知っていたので、新年会が始まって社長、上司の方にお酌に回りました。

一通り終わったので自分の席についていたら、そのA上司が「あの方の所には行ってないだろ!!」と言ってきました。細かくどこを回っていたのかチェックしていたようです。仕方なく、言うことを聞いて我慢しましたが、ほかの女の子に話を聞いたら「座ってる暇があったらお酌にいけ!!」と言われた子もいたようです。

おそらく、A上司は今年の新年会でも同じことを言うので新年会には行きたくありません。

女性だからお酌をするって・・・アルハラです。

これは、比較的年齢が上の上司がする傾向にあります。

今では、新年会でお酌に回るのは禁止!!と定めている企業もあるくらいです。

2-1-5 酒癖の悪い女の同僚がいる

①普段は大人しく仕事もきっちりするA子さんですが、忘年会や新年会になると気合を入れてお酒を飲みます。厄介なことに、酔っぱらうと何でも言いたい放題。本人の目の前で平気で言いたいこと言って笑っています。周囲は冷や汗状態です。しかも、近くに座っている子の飲み物に焼酎入れたり、お酒を飲ませたりとても困ります。(男性からはウケが良いです。)帰り際には、タクシーに乗りたくない、帰りたくないと大騒ぎして一人で飲みに行きました。周囲が心配しており、(なぜか?)歳が近い私と同僚が一緒に付き添って、家に帰りついたのは夜中の3時でした。2次会でもそのA子さんに飲まされました。

もう、酒癖の悪いアルハラ同僚はおなかいっぱいです・・・。

アルハラは上司だけではありません。同僚にもいる場合があります。

普段は大人しいのに、お酒を飲むと人格が変わってしまう。しかも、周囲に迷惑をかけることを喜びとしている人もいます。このような人は扱い方が非常に難しいです。なぜならば、アルコールが原因で脳が働いていないからです。普段溜め込んだストレスをお酒に酔って解消している場合が多いです。親切に注意したり、こちら側がキレてしまうと収集がつかなくなります。相手の思うつぼです。お酒は丁寧に断るようにしましょう。

巻き込まれないように、ゆっくり離れていく、ニコニコしてかわすのが対策としてあります。

2-1-6 酔っぱらった上司がプライベートな事をしつこく聞いてくる

①本当に嫌です。飲み会のたびに上司がプライベートな質問ばかりしてきます。「彼氏はいるのか?」「どこに遊びにいくのか?」などなど

しかも、アルコールが入った時だけ。普段は真面目に働いている上司で、親位年齢も離れています。あまりにもしつこいので、最近は飲み会を断っていました。

しかし、忘年会には参加するように社内の案内文がまわってきました。正直、参加したくありません。困っています。

 

②新年会の2次会で酔っぱらった上司からいきなり『生い立ちから自己紹介しろ!!』とプライベートな事も含め無理やり話させられました。新人だったので断ることもできずに言われるがまま話してしまいました。後で聞いたら、アルハラ上司らしくあまりみんなが近寄らない上司だったようです。

酔っぱらって相手に不快な思いをさせるのもアルハラ行為ですので、覚えておいてください。

2-2 男性版

2-2-1 お前つまらないヤツだな!付き合い悪い!

①私は最近産まれたばかりの娘がいます。最近調子が悪く、熱、中耳炎もありました。いつも妻に任せていたのですが、妻も熱を出して寝込んでしまいました。

娘の面倒を誰も見れなくなったので、新年会の当日にキャンセルできないかA上司に相談しました。すると、「お前つまらないヤツだな。」と言われてしまいました。

どういう事か意味が分からずに、「はい」としか言えませんでした。結局、新年会には少し顔をだしましたが、別のB上司から「無理するなよ」と言って頂き助かりました。

しかし、その翌日A上司が「お前つまらん!!」と注意を受けました。

忘年会も大切なのはわかりますが、それより家族の事情を優先するべき時もあると思います。非常にストレスです。新年会は行きたくなくなりました。

 

②新年会の翌日に前もって予定が入っていました。ですから、一次会で帰ろうと心に決めていました。しかし、有名なアルハラ上司に捕まってしまい二次会に誘われましたが、なんとか断りました。すると、その上司から「付き合い悪いわ!!つまらんヤツだな。」と言われてしましました。酔っていたので次の日は覚えていないだろうと思い我慢しましたが、翌日いきなり「お前、俺の誘いを断ったな」と説教されました。

毎回、誘われて困ります。

自分の価値観を押し付ける上司は多いです。特に、同じ男の上下関係ならば自分の経験を教えてやろう!!という態度の上司も多いです。

『吐くまで飲んで付き合って、上司から学べ!!』という言葉も昔はあったようです。

その頃の悪しき風習が今でもはびこっているようです。

2-2-2 最近の若いもんは・・・

①新年会に行きたくありません。なぜならば、酔っ払った上司がみんなを立たせて、来年の豊富を言わせるからです。毎年恒例です。声が小さいと「気合が足りない」「若いもんは元気がない」と言われ恥ずかしいし、腹が立ちます。それが理由で忘年会に行きたくありません。

 

②飲み会になると、ある上司がいつも口癖のように「最近の若いもんは・・・」と私たちに説教をしてきます。苦痛なのは、「俺が若い頃はもっと死ぬ気で働いた!」「考えが甘い!」と説教の内容はいつも同じです。さらにこの上司はお酒が入ってくると、同じ話を何度も繰り返します。

そして、自分が飲んでいる同じお酒を飲ませようとしてきます。飲めないので断ると、「俺の酒が飲めんのか!」と怒られるので、口だけ付けて飲むふりだけします。

毎回同じ話で正直つらいです。

『ゆとり教育』などそれらしい言葉を並べて若者に説教してくる上司はおおいです。

しかも、酔っ払っている上司は前頭葉(人間脳)が働いていないのでなおさら説教は加速します。迷惑な話ですね。

2-2-3 カラオケやゲームで負けたら飲まされる

①新年会の二次会は毎年恒例でカラオケです。歌いたくないのにカラオケに連れて行かされて、無理やり歌わされます。そこまでは付き合いで仕方ないと思いますが、そのカラオケが地獄『点数が低いとアルコール度数が40度以上のお酒』を飲まされます。歌も下手でお酒も飲めない私はとても苦痛でゲロを毎年吐いています。

権力がある上司なので誰も逆らえません。今年は思い切って二次会を断ろうと思います

できるでしょうか・・・

 

②毎年、新年会の二次会を同期で集まってワイワイするのが楽しいです。しかし、一人アルハラ野郎がいて空気が読めません。「ゲームをして負けたらイッキ飲み」や「アルコールの高い度数のお酒を混ぜて飲んでみたり」と大学生のノリで飲もうとします。ただ同期とワイワイしているだけで楽しいのに、昨年そいつのせいでみんなベロベロに酔って周囲に迷惑ばかりかけてしまいました。

今年はそんな雰囲気になったら止めようと考えています。

“上司という権力”を使ってカラオケやゲームなどで飲ませようとするのは危険ですし、言うまでもなくアルハラです。上司の心理としては、『立場の弱い者で遊んでいる』と言ったところでしょうか。こんな危険な事に付き合う必要はありません。きっぱりとNO!!と言ってやりましょう。

2-2-4 おごってやってるのに飲まないとはどういうことか!

①私はスタッフ総勢30名くらいの小さい中小企業で働いています。新年会は毎年社長がお金を出して頂いてパーッと飲むのが恒例です。

しかし、昨年、子供が入院しており新年会で飲まないようにしていたら、

「おごってやるのにどういうことか!年に1回の締めくくりだぞ!家族と仕事どちらが大事か考えろ!」と怒られました。嫌な気分だったので仕方なくお酒を飲みました。

社長は上機嫌でしたが、嫁はすごく不機嫌でした。

自分でお金を払うのでそこは自由にさせてくださいと正直思います。

 

②新年会の二次会を上司に『おごるから行くぞ!』と言っていただきました。しかし、アルハラ上司であることは知っていたので「申し訳ありません。明日家族と予定が・・」と断りました。すると、その上司がカンカンに怒って『おごるのに断るとはどういうことだ!!』と怒鳴られました。おごりでも絶対に行ったら飲まされて潰されるのがわかっていたので、「申し訳ありません」と丁寧にお断りしました。最後は『舌打ち』され気分は良くなかったですが、翌日連れて行かれた部下の話を聞くと「潰されました!」と言っていました。

おごるのがそんなに偉いのでしょうか?疑問です。

あと、何回断れるか不安でもあります。

おごっている方は「おごってやっているのに!」という思いが強いようです。

「おごるけど飲む、飲まないは自由にしていいよ~」くらいの上司の気持ちの余裕が欲しいですね。

2-2-5 体型で「お前飲めそうだな!」と言って飲まされる

①私は学生時代ラクビーをしていました。身長、体格も人より大きく筋肉質です。

この外見からか、社会人になってから飲み会で先輩から「お前飲めるだろ!」と言われてお酒を飲まされます。外見から想像もできないほど内気な私は、本当は少ししか飲めないのに先輩のアルハラを断れずにいつも飲み会では吐いています。

そのうち、体がおかしくなってしまうのではないかと心配しています。うちの会社は新年会を派手にやると聞いています。とても恐ろしいです。何か対策はないか模索中です。

 

これは、男性にも女性にも共通して言えることですが、「飲めそうに見えるのに飲めない」という方もいらっしゃいます。

当たり前な事ですが、外見とアルコールを分解する体質は全く別の話ですので、外見だけでアルハラ行為をされている方がいたら助けてあげましょう。

3.事例から考える新年会前に確認しておきたいアルハラ対策

1章でみて頂いた事例にあったらどのように対応するか?もしくは事前にどのような対策があるのか?

ぜひ参考にされてみてください。

 

3-1 会社単位で考える

3-1-1 アルハラ防止ステッカーを会社に貼る

特定非営利活動法人アルコール薬物問題全国市民協会(アスク)では、無料でアルハラ防止グッズとして、『アルハラしま宣言ステッカー』というのを無料で配布しています。

ぜひ、新年会で飲み会の機会が多いこのシーズンにお役立て下さい。

・忘年会、新年会くらい参加しろ!

・女性になのにお酌もできないのか?

・シラフだと腹割って話せないから飲め!

と無茶なことを言ってくる上司にこちらの意見を言えるチャンスです。

飲み会の前に幹事や女性社員が配ったり、会社にステッカーを貼ったりなどするとより効果的かもしれません。イッキ飲みアルハラ防止キャンペーン

3-1-2 社内研修でハラスメントのことを学ぶ

アルコールハラスメント、通称『アルハラ』ですが、他にも様々なハラスメントがあります。

例えば、『パワハラ』『セクハラ』『マタハラ』が代表的なもので、全32種類あると言われています。(参照HP:社会人の教科書

これらの事が世の中で認知されてきている中、アルハラに至っては4割の方が知らないという実情もあります。

アルハラがいけない行為であり、法律で罰せられる可能性があることを知ることによって社内のアルハラが減ることは間違いありません。

ぜひ、社内研修でハラスメント対策としてセミナーをされることをおススメしております。

・プライベートをしつこく聞く上司

・女なのにお酌おできないのか!と言ってくる上司

・忘年会を無理やり来させる上司

・おごってやってる!と言って無理やり飲ませる上司

これらの行動を繰り返すことはアルハラです!と上司に理解してもらう良いチャンスでしょう。このような研修会をしてもらうように会社に提案書を提出するのも1つの手でしょう。

より働きやすい環境になることは間違いありません。

3-2 相手のペースに巻き込まれない

アルハラをしてくる上司は、自分のペースに巻き込もうとしてきます。

「負けたらイッキ飲み」や「乾杯しよう!飲みなよ」と心無い言葉をかけてきます。

必ず相手のペースに乗っては行けません。

・カラオケやゲームなどの一気飲み始まった

・見た目で飲まされそうになった

女性の方も

・上司から無理やり飲まされたり

・酔っ払いの同僚から絡まれたり

以下、このような場合の対処方法として参考にされてください。

 

・笑顔で飲めませんと逃げ続ける。

・トイレに逃げる。

・電話がかかってきたフリをしてその場を離れる。

・気持ち悪いと言って外に逃げる。

・気が利くふりをして、注文をとったり、片付けたりする。

・タバコを吸う人は、タバコを吸いに外に出る。

“自分の身は自分で守る”

とても大事なことなのでしっかり頭に入れておきましょう。

3-3 飲めない理由を説明する

「私、体質的に飲めません」

「今日は車で来ていまして・・・」

「明日、子供との約束がありまして・・」

これはすべての事例で通じることですが、近寄ってくるアルハラ加害者に飲めない理由を説明しましょう。相手の雰囲気や態度に押し負けないようにしっかり説明すれば分かってもらえる事がほとんどです。中途半端に言えば説得力がなくなりますので注意が必要です。

また、体質的に飲めない、お酒やタバコの匂いが苦手な方は思い切って忘年会を早めに切り上げることも大切です。幹事や上司には「お先にしつれいします」と言って無理せずに帰りましょう。

そして、最近は様々な種類のノンアルコールビールが発売されました。飲めない方やハンドルキーパーの方が乾杯の時によく頼まれるようです。飲めない方はノンアルコールビールやノンアルコールカクテルを上手に頼んではいかがでしょうか?

3-4 アルコールを飲んだ時の話をする

ウソも方便とよく言ったものです。

「以前、アルコールを飲んだら過呼吸で倒れました。」

「真っ赤になって、吐いて救急車で運ばれました。」

「口つけるだけで全身蕁麻疹がでます。」

・シラフだと腹を割って話せない!

・若もんは飲め!

・俺の酒が飲めないのか!

・ゲームで負けたらイッキ飲みさせられる・・。

と事例のようなしつこいアルハラ加害者の場合は、自分のエピソードをマジメな顔をして話して見てください。多少話を大きくしたくらいが良いです。

相手に「責任とれますか?」というくらいの強い口調で言うともっと効果的です。

すると、ほとんどの方は「飲ませるとキケン」と感じて飲ませる対象から外してくれます。

さらに、周囲の人にも知ってもらえるので周りの方が止めに入ってくれる可能性もありますので力強い味方になってくれます。

注意して頂きたいのは、“飲めない”と会社で言って、別の機会にアルコールを飲んでいたら話が食い違ってきますので、そこには注意が必要でしょう。

3-5 酔う前に事前に伝えておく

アルハラ加害者は酔っぱらうと人に飲ませたくなる人がほとんどです。

特に

・若もんは飲め!

・おごってやっているのに飲まないとはどういうことだ!

・お前付き合い悪いぞ。飲め!

・体型で飲めそうだ!

このようなことを言っている上司の方には特に注意が必要です

対策としては、飲み会が始まる前の相手が冷静な時に「今日は飲めません」と一言いっておきましょう。すると、冷静な時の記憶が残っているのであれば、飲ませてくるのを減らせることができるでしょう。

また、アルハラ加害者が言いにくい上司であれば、相談しやすい上司、もしくは飲み会の幹事に助けをもらって一緒に飲み会前について行ってもらうと言いやすくなるでしょう。

それでも、飲ませてくるようであれば、真顔で冷静にゆっくりとしたトーンで「さっき飲めないとお伝えしましたが・・・」

と言ってやりましょう。勇気が必要ですが、かなり効果的です。

4.まとめ

年が明けると、新年会シーズンです。毎回嫌だった新年会が、少しでも楽になり、問題が解決できることにお役立ていただければと思っております。

“1年を走り出す新年会”が楽しいものに変わることを願っております

なお、私は企業におけるハラスメント対策もまた、本質的な解決が可能だと考えています。メンタルケアおよびハラスメント対策をお考えの企業の方は、以下に無料相談のご案内をしておりますのでご利用ください。なお、私は企業におけるハラスメント対策もまた、本質的な解決が可能だと考えています。メンタルケアおよびハラスメント対策をお考えの企業の方は、以下に無料相談のご案内をしておりますのでご利用ください。

 

4つの大学の事例から学ぶアカハラ加害者にならないための対策

ハラスメントといえば社会に出てから受けるセクハラやパワハラをイメージしがちですが、大学内で学生に対して行われるハラスメントも数多く存在します。これをアカハラとよび、このようなハラスメントは最近ニュースで取り上げられ、各大学でのハラスメント防止に対する意識が高まってきています。

そのため学生に対する教員の言動にも監視の目が厳しくなってきているのが現状です。

「そんなつもりで言ったわけじゃないのに」

「うかつに話すと学生に何を言われるかわからない」

このように、学生に対してどのように接したら大丈夫なのかという悩みを抱えている先生方も少なくはないようです。

この記事では実際に大学で起きたアカハラの事例をもとに、自分がアカハラの加害者にならないための対策をご紹介していますので、ぜひお役立てください。

1.アカハラとは

アカハラ(アカデミックハラスメントの略称)とは、教育活動又は研究活動上、指導的又は優越的な立場にある者が、その優位な立場や権限を利用し、又は逸脱して、その指導等を受ける者に対して行われる以下の行為のことを指します。

教育活動又は研究活動上で、不当な言動又は指導を行うこと

正当な理由なくして教育活動又は研究活動を阻害する言動を行うこと

例えば、卒業・修了の判定基準を恣意的に変更して留年させるなど卒業・進級を妨害するなどの行為がこれに該当します。

アカハラが行われる原因には、現在の大学における階層構造、研究費や人事権の集中、研究室内での長年にわたる悪しき習慣、研究室の密室性・相互不干渉などさまざまなものがあります。

2.アカハラの実例

2-1.アカハラの実例(1)奈良県立医科大学

 

奈良県立医科大学医学部の助手が、同教授から、教室主任たる地位や権限を濫用、越権した嫌がらせ(アカハラ)を受け、人格的利益を侵害されたとして、教授と県に損害賠償を求めるとともに、県に対してはさらに、雇用者として働きやすい職場環境を提供すべき雇用契約上の義務があるにもかかわらず、これを尽くさなかったとして損害賠償を求めた事案です。

第一審(大阪地裁)では、助手の主張のうち、廃液容器を助手の部屋の前に移動させた行為、研究室内の助手の私物を了承なく移動させた行為、研究費の不当配分、専門外の他大学教員公募への応募を迫り大学から追いだそうとした行為、非常勤講師の兼業許可の書類に押印しなかった行為について違法と認定し(ただし、廃液容器を移動させた行為については時効によって消滅するとした)、県に対して55万円の賠償を命じた。

これに対して原審(大阪高裁)では、上記の行為のうち、非常勤講師の兼業を妨害した点のみを違法と認定して、県に対して11万円の賠償を命じ、これが最高裁でも維持された(最高裁第一小法廷平成14 年10月10日決定)。

2-2.アカハラの実例(2)琉球大学

 

琉球大学医学部助教授が、同教授から、物品購入・事務機器利用を妨害され、講義・実習を取りあげられるなどの嫌がらせを受け、また、大学の措置にも問題があったなどとして、教授と国に対して損害賠償を求めた事案です。

判決では、助教授の主張のうち、教授が講義・実習の取りあげを行い、これに対して大学も適切な指導を怠った点、大学が助教授の所属を当該講座から外した内容で職員録を発行した点についてのみを違法と認定し、国に対して55万円の賠償を命じた(那覇地裁平成15年2月12日判決)。

2-3.アカハラの実例(3)愛媛大学

 

愛媛大学医学部の講師から受けたアカデミックハラスメント(教員の立場を利用した嫌がらせ)を訴えた後に雇い止めされたのは見せしめだったとして、元非常勤契約職員の40代女性が大学と加害者の元男性講師、女性が所属していた研究室の男性教授に対し、慰謝料など計720万円を求めた訴訟は22日、地方裁判所で和解が成立した。原告側代理人によると、被告の男性2人が女性に100万円の解決金を支払う。

2-4.アカハラの実例(4)鹿児島大学

 

アカデミックハラスメント(教員の立場を利用した嫌がらせ)があったとして、鹿児島大学が農学部の50代の男性教授の諭旨解雇を決めた問題で、鹿大は19日、この教授から退職願が提出され、28日付で退職すると発表した。この問題をめぐって、男性教授はアカハラの事実を否認し、代理人弁護士が民事裁判で鹿大を訴える方針を示していた。

鹿大によると、男性教授は1998~2010年度、大学院生や学生ら9人に暴言を浴びせたり、論文を放置したりして精神的苦痛を与えた、とされている。アカデミックハラスメント(教員の立場を利用した嫌がらせ)があったとして鹿大から諭旨解雇の方針を示された農学部の50代男性教授が事実を否認していた問題で、鹿大は29日、教授の諭旨解雇を決定したと発表した。これに対し教授側は、処分取り消しを求める訴訟を近く鹿児島地裁に起こす方針でいる。

鹿大によると、学長や理事、学部長ら約30人でつくる教育研究評議会を18日に開き、教授から「アカハラはしていない」と処分見直しを求める意見陳述を受けた。これを踏まえ、25日に再び評議会と役員会を開いて処分を決めたという。

処分の決定に対し、教授の代理人弁護士は「アカハラの事実はない」として提訴する方針であることを明らかにした。一方、鹿大の○○労務調査室長は「意見陳述で大学の調べを覆す事実は出てこなかった。訴訟になった場合は大学の判断が正しかったことを主張していく」と話した。

鹿大の発表によると、教授は1998~2010年度、大学院生や学生ら9人に暴言を浴びせたり、論文を放置したりして精神的な苦痛を与えたとされる。退学や休学に追い込まれたりうつ状態になったりした学生もいたという。教授への処分をめぐっては、学生ら68人から見直しを求める嘆願書が鹿大に提出されている。

2-5.アカハラの実例(5)大分大学

大分大学(北野正剛学長)は17日、医学部の40代の男性准教授が講義中、学生をばかにするような発言を繰り返すなどのアカデミックハラスメントをしたとして戒告の懲戒処分にしたと発表した。

発表や関係者によると、この講義は看護学科3年の必須科目の臨床心理学。准教授は昨年度前期(4~9月)、「試験で落ちたら終わりと思って下さい」と言ったり、実習着姿の学生に「うろうろされると不快だ。汚い」「それはコスプレか」などと看護学科を蔑視するような発言を繰り返したという。また、中傷するコメントを付けた学生1人の実名のリポートを2度、廊下の掲示板にはり出したという。

当時の3年生約60人が受講していたが、うち約50人が昨年9月、学内のハラスメントについて調査するイコール・パートナーシップ委員会に苦情を申し立てた。委員会が学生や准教授本人から聞き取り調査をし、アカハラと認定した。

3.アカハラ加害者にならないためには

アカハラ被害において、今回アカハラ事例でご紹介した事例のように、これは誰の目から見てもアカハラだと判断できる事例もあれば、アカハラであるのかの判断が難しいときがあります。そこでこのようなアカハラ被害において重要視されるのが、被害者の気持ちです。

被害者が「精神的に非常に傷ついた」と主張すれば、訴えられた側は、自分はそのようなつもりではなかったといってもアカハラになってしまう可能性があります。恐ろしいことに、これを利用して学生が先生をアカハラの加害者に仕立て上げようとした事例もあります。

もし、そこでアカハラであると判断されてしまった場合には、裁判に発展して賠償金の支払い義務が生じたり、最悪退職に追い込まれることも考えられます。このようなアカハラ加害者にならいないようにするためには、アカハラと判断されてしまうラインの線引きをし、そのような言動を控えることが重要です。

また大学だけでなく国もこういったハラスメントを大きな問題と捉えており、国は積極的にハラスメントの研修を受けるように指導しています。大学としても、学内でハラスメント行為があることは好ましくありませんので、ハラスメントの研修を導入するように促しましょう。

実際に、ハラスメントの教育を取り入れてから、ハラスメントの発生件数が減っているというデータもあります。NAAH(アカデミックハラスメントをなくすネットワーク)が行っているセミナーも参加されると良いでしょう。

ハラスメントに対し、きちんとした意識を教員全員で持つことができれば、ハラスメント発生の抑止力となり、学内全体の雰囲気も良くなるはずです。

3-1.アカハラに該当する行為

以下にアカハラに該当する行為についてご紹介します。

3-1-1.アカハラに該当する行為(1)学習・研究活動への妨害

・文献・図書や機器類を使わせない。

・実験機器や試薬などを勝手に廃棄する。

・研究に必要な物品の購入や出張を、必要な書類に押印しないという手段で妨害する。

・机を与えない。また机を廊下に出したり、条件の悪い部屋や他の研究室員とは別の部屋に隔離したりする。

・正当な理由がないのに研究室への立ち入りを禁止する。

・研究費の応募申請を妨害する。

・学会等への参加を正当な理由なく許可しない。

3-1-2.アカハラに該当する行為(2)卒業・進級妨害

・卒業研究を開始して間もないのに、早々に留年を言い渡す。

・理由を示さずに単位を与えない。

・卒業・修了の判定基準を恣意的に変更して留年させる。

・「不真面目だ」、「就職活動をした奴は留年だ」といって留年を宣告する。

・卒業研究は完了しているのに“お礼奉公”としての実験を強要し、それを行わなければ卒業させない。

3-1-3.アカハラに該当する行為(3)就職・進学の妨害、望まない異動の強要

・(指導教員を変更したいと申し出た学生に)「俺の指導が気に入らないなら退学しろ」と言う。

・指導教員を途中で変更したら自動的に留年させる。

・本人の希望に反する学習・研究計画や研究テーマを押しつける。

・就職や他大学進学に必要な推薦書を書かない。

・就職活動を禁止する。

・会社に圧力をかけて内定を取り消させる。

・他の研究教育組織への異動を強要する。

・「結婚したら研究者としてやってはいけない」などと言って、結婚と学問の二者択一を迫る。

3-1-4.アカハラに該当する行為(4)指導義務の放棄、指導上の差別

・「放任主義だ」と言ってセミナーを開かず、研究指導やアドバイスもしない。

・研究成果が出ない責任を一方的に学生に押しつける。

・論文原稿を渡されてから何週間経っても添削指導をしない。

・測定を言いつけるが、その試料がどんな物で何が目的なのか尋ねられても説明しない。

・嫌いなタイプの学生に対して指導を拒否したり侮蔑的言辞を言ったりする。

3-1-5.アカハラに該当する行為(5)不当な経済的負担の強制

・実験に失敗した場合、それまでにかかった費用を弁償させる。

・研究費に余裕があるにもかかわらず試薬を買い与えない。

・学生の卒業論文に必要な実験の試薬等を自費で購入させる。

3-1-6.アカハラに該当する行為(6)研究成果の収奪

・加筆訂正したというだけなのに、指導教員が第一著者となる。

・実験を行う・アイデアを出すなど研究を主体的に行って、その研究に最も大きな貢献をした者を第一著者にしない。

・第一著者となるべき研究者に、「第一著者を要求しません」という念書を書かせる。

・著者の順番を教授が勝手に決める。

・その研究に全くあるいは少ししか関わっていない者を共著者に入れることを強要する。

・「俺の名前を共著者に入れろ。場所代だ。」と迫る。

・学生が出したアイデアを使って、こっそり論文を書く。

3-1-7.アカハラに該当する行為(7)暴言、過度の叱責(その場に本人がいるいない関係なく)

・「お前は馬鹿だ」とけなす。

・「(論文を指して)幼稚園児の作文だ」とバカにする。

・「(研究を指して)子供の遊びだ」と言う。

・「こんなものを見るのは時間の無駄だ」と言う。

・「セミナーに出る資格がない。出て行け」「死んでしまえ」と言う。

・「お前は実験はやらなくていい。掃除だけやっておけばいい」と言って、大学院生に研究テーマを与えない。

・「君は(出来が悪いから)皆の笑い者だ」と言う。

・学生や部下が持ってきた論文原稿をゴミ箱につっこむ、破り捨てる、受け取らない、きちんと読まない。

・学生や部下が出したアイデアに全く検討を加えず、それを頭から否定する。

・ささいなミスを大声で叱責する。

3-1-8.アカハラに該当する行為(8)不適切な環境下での指導の強制

・午後11時からなど深夜に指導を行う。

・指導するからと言ってホテルの一室に呼びつける。

・他人の目が行き届かない状況で個人指導を行う。

・演習・セミナーの時間が他研究室と比べて異様に長く、くどくどと叱責を行う。

3-1-9.アカハラに該当する行為(9)権力の濫用

3-9-1-1.不当な規則の強制

※以下のようなことを強制する

・他の人や先輩に実験手法を教えてもらってはいけない。

・研究に関して人と相談することを一切禁止。

・先輩のデータ作りは手伝わなくてはいけない。しかし、自分の実験はどんなに時間がかかっても一人でやるべき。

・日曜日に研究室に来ないと留年。

・夏休みは指定された3日だけ。それ以外に休んだら留年。

・スキー禁止。テニス禁止。アルバイト禁止。

・「○○とは一切口をきくな」

3-9-1-2.不正・不法行為の強制

・空バイト・空謝金(アルバイトをしたという架空の書類を学生に作成させ、不正に研究費を引き出すこと)などの金銭的不正行為を強要する。

・研究データの捏造・改ざんを強要する。

3-1-9-3.その他の権力の濫用

・プライベートな行動に付き合うことを強制する。

・送り迎えを強要する。

・教授が行う学会発表のデータ作りを、共著者でない学生に徹夜で仕上げることを強要する。

・会議や行事など、必要な情報を故意に教えない。

・物品等の管理を過剰なまでに厳格に行う。試験管1本まで厳密に管理して、不足する度にいちいち取りに来させる。

3-1-10.アカハラに該当する行為(10)プライバシーの侵害

・家族関係・友人・恋人のことなど、プライベートについて根掘り葉掘り聞く。

・交際相手のことをしつこく聞き、「そういう人はやめたほうがいい」などと勝手なアドバイスをする。

3-1-11.アカハラに該当する行為(11)他大学の学生、留学生、聴講生、ゲストなどへの排斥行為

・(担当者の了解をとり、ゼミに参加した他大学の学生に向かって)「外部の人間は出て行け」という

・「ここはあなたのようなレベルの低い人がくるところではない」と言う。

・「自分のゼミに帰れ」と言う。

・属性や身分(留学生、社会人学生、聴講生、科目等履修生、研究生、研修生など)によって差別的な待遇をしたり、それを正当化しようとしたりする。(例:「聴講生は発言を控えてほしい。」)

参照HP http://www.naah.jp/harassment.html

4.アカハラに課せられる罪とは

アカハラに課せられる罪には大きく分けて、民事上と刑事上の2つあります。
以下に詳しくご紹介します。

4-1.民事上の責任

アカハラは、教員や学生の研究を行う権利や教育を受ける権利を侵害する行為であり、不法行為(民法709条)に該当するものとして、それによって発生した損害(経済的損害、精神的損害を問わない)を賠償する責任が生じます。

この場合、アカハラを行った本人に加えて、使用者である大学(国立大学法人・学校法人など)も損害を賠償する責任を負うことがあります(民法715条)。ただし、独立行政法人化していない公立大学の場合、教員は公務員となりますので、公権力の公使としてアカハラが行われた場合には、地方公共団体のみが責任を負うことになります(国家賠償法1条1項)。そして、これらの損害賠償請求権については3年で時効消滅します(民法724条)。

アカハラの態様によっては、単に研究を行う権利や教育を受ける権利の侵害に留まらない場合もあります。たとえば、研究成果を奪う行為について見てみると、研究成果は当然、研究を行った人の知的財産ですから、知的財産権の侵害として損害賠償の対象となります。

また、人がたくさんいる教室などで侮辱的な言動を行った場合は、名誉棄損として損害賠償の対象となります。さらに、アカハラが行われた場合、契約上の義務違反が発生することがあります。すなわち、生徒と大学とのあいだには、生徒は学費を支払い、大学は教育を提供する契約関係があり、他方、教員と大学のあいだには、雇用あるいは委任の契約関係があります。

教員が生徒に対して指導を拒否した場合は、教員の指導拒否により生徒が教育の提供を受けられなければ、生徒との関係で大学は契約上の義務を果たしていないことになり、他方、指導を拒否している教員は、大学との関係で雇用あるいは委任契約上の義務を果たしていないことになります。

したがって、生徒が教員から指導拒否を受けた場合、生徒は大学に対して教育を提供するよう求めることができ、また、生じた損害の賠償を求めることができます。他方、指導拒否を行った教員については、大学から教育を行う義務の履行を求められるとともに、場合によっては、雇用契約あるいは委任契約を解消されることも考えられます。

4-2.刑事上の責任

アカハラに対する刑事上の責任については、その態様ごとに異なりますが、刑事責任を追及される場合は非常に限定されています。たくさんの人がいる教室などで、侮辱的な言動を行った場合、名誉毀損罪(刑法230条)や侮辱罪(刑法231条)に該当する可能性があります。また、「単位はやらない」「卒業させない」などといって、私的な雑務を強要したり研究発表を妨害したりする行為などは、場合によっては強要罪(刑法223条)に該当することがあります。

5.アカハラ加害者にならないための対策

第3章で、アカハラ被害において重要視されるのが、被害者の気持ちであると述べました。そのため、被害者の主張次第でアカハラの加害者になってしまう可能性があります。

このことから、アカハラに該当する行為(3-1.アカハラに該当する行為を参照)を控えること、ハラスメントの研修を導入することの2つがアカハラ加害者にならないために重要です。

アカハラに該当する行為を控えることはもちろん、ハラスメントの研修を導入することでハラスメントに対するきちんとした意識を学校全体で持つようになり、その意識がアカハラ発生の抑止力となります。

6.まとめ

近年アカハラによる被害がニュースで取り上げられることによって、アカハラというものが世の中で認知されてきました。今回ご紹介した事例の内容はどれも許されるものではありませんし、その処罰もそれ相応に厳しいものとなっています。

しかし、中には被害者という立場を利用して学生が先生をアカハラの加害者に仕立て上げるような恐ろしい事件も起きています。もしこのようなことが起きた場合に、どんなに「自分はそんなつもりじゃなかった」と主張してもアカハラの加害者になってしまう可能性があります。

そうすると最悪の場合、裁判に発展し損害賠償を支払うことになったり、退職しなければならないというような金銭的にも社会的にも大きなダメージを負ってしまう可能性があります。このようなことにならないようにするには、アカハラに該当する行為についてきちんと理解し、そのような行為を学生に対して一切やらないようにすることが重要です。

今回の記事がアカハラ被害に関してお悩みの先生方のお役にたてれば幸いです。

参照HP http://www.naah.jp/harassment.html

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眠れないには原因がある!不眠の原因と睡眠の新しい常識とは

「あなたは最近眠れていますか?」

 

今、この文章を読んでいる方は、「自分は眠れていない」「眠れていなくて辛いんだ」と思っている方が多いでしょう。

現在、日本人のおよそ5人に1人は不眠症であると言われています。不眠は現代人にとって、非常にポピュラーなものと言えるでしょう。

眠るということは、人間や動物にとって最も基本的なことであるのに、なぜ眠れないということが起こるのでしょうか?

また基本的なことだけに、それだけ悩んでいる人も多いのが現状です。不眠は人により原因は様々であると言われますが、実際にはどのような原因があるか、また良い睡眠を取り戻す方法を見ていきましょう。

 1、なぜ睡眠が必要なのか

眠れないという相談を友人や家族にするとよく言われるのが、

「あんまり気にすんな!眠たくなったら寝ればいいじゃないか。」

「少し眠れなくても、大丈夫!考えすぎると余計眠れなくなるよ」

というような言葉です。

健康な人であれば、これでいいのでしょう。しかし、眠れずに疲れが溜まっている。また、生活リズムが完全に崩れてしまい、昼間に眠気が強く出て、仕事にならないなどでは通用しません。悩んでいる本人にとっては無神経な返事となるでしょう。ではどうすれば良いのでしょうか?

 1−1、睡眠の意味

一般に睡眠というのは「脳が疲れて機能が低下するために起こる」と考えられがちですが、そうではありません。

睡眠は「脳が脳自身を休息させるために積極的につくり出す現象」なのです。

ですので、脳が健全で活力に充ちていないと、よい眠りがつくり出せません。先ほどの例であげた高齢者にみられる不眠は、睡眠を起こさせる機能やそれを維持したり、管理したりする機能が低下していると言えます。そのため、熟眠できない、睡眠が維持できない、睡眠時間が短くなるなどは、脳の機能の老化現象なのです

また、睡眠は脳で発生した老廃物の除去をするためとも言われています。睡眠不足であれば、老廃物が除去できずに頭が正常に働かないというのはこのためであるという文献もあります。

いずれにせよ、脳の正常な機能を保つためには睡眠は欠かせないものでは間違いありません。なるべく睡眠を改善できるように行動しましょう。

 1−2、不眠症とは

では、不眠症とはどういうものを指すのでしょうか。日本睡眠学会によると、定義としては下記の3つこと全てを満たすことのようです

1、 下記のどれかに当てはまること

入眠障害・・・夜間中々入眠出来ず寝つくのに普段より2時間以上かかる

中途覚醒・・・一旦寝ついても夜中に目が醒め易く2回以上目が醒める

熟眠障害・・・朝起きたときにぐっすり眠った感じの得られない

早朝覚醒・・・朝普段よりも2時間以上早く目が醒めてしまう

2、上記の様な不眠の訴えがしばしば見られ(週2回以上)、かつ少なくとも1ヵ月間は持続すること。

3、不眠のため自らが苦痛を感じるか、社会生活または職業的機能が妨げられること。 

なお精神的なストレスや身体的苦痛のため、一時的に夜間によく眠れない状態は、生理学的反応としての不眠ではありますが不眠症とは言わないようです。

参照:日本睡眠学会

専門家の間では、不眠と不眠症は違うことですが、短期間でも不眠の状態はストレスですよね。

しかも次の日が大事な商談の仕事だったり、子供のお弁当を作るのに早起きしないといけなかったり。「早く寝ないといけない!」と思うと余計にプレッシャーになり、ますます眠れない・・・。

このように感受性が強い方は、寝つきが悪い傾向が強く、またそのことが続くことで不眠症になってしまう恐れがあります。

不眠をそのままにしないほうが、体にとって重要なのではないでしょうか。なぜなら、不眠症であれ、それに当てはまらない不眠の状態であれ改善する必要があるからです。また、短期間の不眠でもそれが続けば、不眠症となるからです。

 2、不眠症の原因とそれぞれの対策

不眠をはじめとする睡眠障害を引き起こす原因は、人によって様々です。また、似たような症状でも原因が異なると、治療や対処法が全く変わってきます。

不眠症の原因として考えられるものは6つです

上記についてそれぞれ細かく見ていきましょう。

 2−1、身体的原因

さまざまな身体的疾患や、その症状が原因で起こる不眠です。

例えば、外傷や関節リウマチなどの痛みを伴う疾患。湿疹や蕁麻疹などの痒みを伴う疾患。喘息発作や頻尿、花粉症、発熱などがあります。

(対策)

こちらは疾患からくる症状を改善する必要があります。痛みや痒み、咳、頻尿、熱などに対して対処する必要があるので、必要に応じて薬などを利用したり、病院に通院しましょう。

 2−2、薬理学的原因

服用している薬の影響や、アルコール、カフェイン、ニコチンなどが原因で起こる不眠があります。

代表的な薬には、抗がん剤、自律神経・中枢神経に働く薬、ステロイドなどがあります。また降圧剤、アレルギー薬でも起こることがあります。

(対策)

服用しているお薬、飲酒、喫煙、カフェイン摂取の習慣がないかを確認することが大切です。

薬などの影響に関しては、必ず不眠の症状をかかりつけの病院や薬剤師に伝えましょう。勝手に中止すると治療のさまたげになる恐れがあります。薬を変更することで、不眠の症状が軽くなる可能性もありますので、必ず相談しましょう。また、飲酒、喫煙、カフェイン摂取に関しては、自分の注意でコントロールできます。疲れたと言って飲むドリンク剤などにもカフェインが多く、注意が必要です。

 2−3、精神医学的原因

精神病や神経症には、不眠を伴うことが少なくありません。アルコール依存症、不安、パニック障害、うつ病などが原因で起こることがあります。

そのなかでも不眠になりやすいのは、不安と抑うつです。

憂うつな気分が続いたり、これまで楽しかったことが楽しめなかったりするのは、うつ状態です。それが原因で眠れなくなったりします。

慢性的な不眠症では、約半数は、何かしらの精神医学的な疾患を持っているとも言われています。落ち込んだり憂うつな気分が続いたりする時は注意が必要です。

(対策)

精神病や神経症などは最終的に精神科に行かないと軽くならないと考えている方も多いようですが、それ以前に体調や生活習慣などを改善することで良くなる事例も数多くあります。

詳しくは下記の記事を参照してください。

2−4、心理学的原因

ストレス、重篤な疾患、人生の大変化などが原因で起こる不眠がこれにあたります。仕事上での問題やパワハラ、モラハラでのストレスであったり、家族や友人との関係が気まずくなったり、また家族や親友、ペットの死によるものは影響が大きいでしょう。

(対策)

心理学的原因は精神学的原因と近いものがありますが、より生活に身近なものと認識して良いでしょう。

ストレスなどによる心理学的原因は体調を整えたり栄養をしっかりとることで、気持ちの切り替えがスムーズに行えることがわかっています。

3章の不眠の改善を参考にしてください。

 2−5、生理学的原因

海外旅行や出張による時差ボケや、受験勉強、短期の入院や職場の勤務シフトなどによる生活リズムの昼夜逆転など、ライフスタイルが大きく変わると、眠ろうとする機能が低下し、眠る機会が妨げられることがあります。

(対策)

海外旅行や出張などによるものは短期的なものですので、体調不良でなければ、時間とともに体も慣れ、不眠の症状はなくなります。しかし、昼夜逆転が続くような環境からくる不眠に関しては、個人差もあり、慣れないようであれば職場環境などの改善をすすめます。こちらも体調や栄養管理を行うことで、改善する例はあります。

 2−6、それ以外の原因

上記以外にも睡眠に対し原因となるものがあります。

それは以下の2つです

  • 年齢によるもの
  • 男女の性差によるもの

 2−6−1、年齢によるもの

年齢が上がると睡眠時間が短くなると言われます。実際に、高齢になると睡眠時間が短くなったり、睡眠時間が長くても満足感が少なったりするといったデータもあります。d09

ヒトの24時間の睡眠-覚醒パターン

2−6−2、男女の性差によるもの

また性差では、男性より女性の方が
睡眠の質を確保する機能が高いと言われていますが、睡眠に対する不満や不眠を訴えるのは女性に多く、睡眠の質が悪いと言われる男性の方が訴えることは少ない。また、呼吸機能も女性の方が高く、睡眠中の呼吸確保に有利と言われています。睡眠時無呼吸は男性に多く、睡眠中の呼吸障害と考えられる新生児突然死症候群も男児に多いのはこの呼吸機能の違いによるものです

 3、不眠の改善

睡眠は老化現象であるということから考えると、身体の老化と同じように対処することができます。アンチエイジングという言葉は聞いたことがあるでしょう。脳のアンチエイジング、つまり、脳の老化を改善することで不眠の改善が可能であるということです。

不眠の改善に必要なものは3つあります。

  • 睡眠に悪影響を及ぼすものを摂らない
  • しっかりとした食事(栄養)を摂る
  • 適度な運動を行う

 3−1、睡眠に悪影響を及ぼすものを摂らない

睡眠に影響があるものには、先ほどの「薬理学的原因」になるものを摂らないようにしましょう。しかし、降圧薬やステロイドなど、病気の治療で止めることができないものに関しては、無理があります。

カフェインや飲酒、喫煙に関してはある程度、制御ができるので、それが原因と考えられれば、摂取を控えましょう。

また、脳の機能に悪い影響を与えるものには普段の食生活の中にも潜んでいます。特に錆びた油、甘いものの摂りすぎ、保存料などの添加物です。コンビニ弁当やお惣菜、お菓子で済ませるなどの多い方は、その習慣をできるだけやめてみてください。その習慣を断ち切るだけで、睡眠の質が改善する可能性もあります。

現在の食事や生活習慣を振り、上記のことに思い当たる方は是非改善してみてください。

3−2、しっかりとした食事(栄養)をとる

脳の機能を高めるのに重要なのが、栄養素をしっかりとること。脳の栄養とは糖分であると思っている方も多いのですが、糖分だけでは脳は働くことはできません。必要なのはアミノ酸、ビタミン、ミネラルです。その必要な栄養素が幅広く十分に摂取できていれば、脳の神経細胞の隅々に栄養が行き渡ります。その結果、脳の神経細胞である軸索がネットワークを組み、脳の活動が正常に働き食生活がしっかりしていれば、良い影響が出ることは明らかですが、これには個人差があります。現在の食事はより安く、より美味しくという追求がなされている結果、必要な栄養素であっても、味の問題、手間の問題から削除されているものがあります。

これでは通常の食事では必要な栄養分が取れないため、いくら食事を改善しても、十分な効果が期待できないことがおきます。

そのためには必要な栄養素をサプリメントのようなもので補うことが必要となってきます。その時に重要なのは、幅広く、量が多いものを摂ること。栄養に精通している専門家に聞いて見るのが一番でしょう。

 3−3、適度な運動を行う

運動は激しいものではなく、体の全体を動かすものが理想です。

外で行うのは、ウォーキングが良いでしょう。おすすめは家の中でも行えるラジオ体操です。1日1回ではなく、1日3回でも。朝に行うと体の動きが良くなり、夜に行うと寝つきが良くなる効果も期待できます。

逆に激しすぎたりすると交感神経が活発になりすぎて、特に寝る前に行うことは逆効果になりかねません。運動をして、疲れたら寝るというのは非常に健全ですが、もともと運動をしていて運動に慣れている方以外は、あまり強い運動はお勧めできません。

 4、まとめ

不眠は心身ともに良くない影響を及ぼします。

脳の活力を生み出すためには、先ほどあげたしっかりとした食事、栄養補給、運動が必要です。体の機能がしっかりしていないと心にも影響が出てきます。

「体と心は繋がっている」

不眠であれば病院にかかって薬をもらうということが一番早い方法かもしれません。今がきついからすぐに楽になりたいと思うかたには苦しいかもしれませんが、できれば睡眠薬に頼る前に自分でできることをやってみましょう。

また、体質を改善するということでは漢方薬を使うこともおすすめです。漢方に詳しい医師、薬剤師に相談するのも良いでしょう。

最後に、知っていることと実際に行動に移すことは全く別物です。知っているだけで何もしないのは、知らないことと一緒です。今回得た知識を実際に行動にうつすようにしてください。

更年期障害の頭痛・吐き気に対処する方法は

「ここ数ヶ月頭痛が酷くて吐き気もあります。」と相談にいらっしゃったのが40代後半の女性Sさんです。

 Sさんは更年期障害の典型的な、のぼせ・ほてり・倦怠感・冷え・頭痛・イライラといった症状を持っていました。

 今回は、更年期障害の症状の中で体調的に一番酷くなりやすい頭痛と吐き気についてお話しします。

 1.更年期障害の頭痛の原因

更年期障害の原因は女性ホルモンの減少によるものだと考えられています。そして、女性ホルモンが不足してしまっていても、脳からの司令でホルモンを分泌させようと働き続けます。その結果、身体が過労状態となり自律神経の働きが悪化してしまいます。この自律神経の働きが悪化することが頭痛の原因と考えられます。

 1-1.緊張性頭痛

自律神経の働きが悪化することでリラックスする副交感神経の働きよりも、興奮する交感神経の働きが優位になることが多くなります。これはバランスが崩れることでストレスを感じるようになり、アドレナリンやノルアドレナリンといった興奮物質が出やすくなるためです。

それによって身体は緊張するようになり、頭部の筋肉が過度に緊張するために頭を周りからぎゅっと締めつけられるような痛みや、頭がずっしりと重く感じるようになります。

1-2.偏頭痛

偏頭痛は、脈拍にあわせズキンズキンと痛むのが特徴です。階段の昇り降りや、激しい運動のあと、緊張がとけてほっとしたときなどに痛くなったり、太陽の光や音で痛みがひどくなったりします。脳血管の収縮と拡張で引き起こされると考えられています。

血管の収縮と拡張は自律神経の働きによって行われます。交感神経の働きが活発になれば血管は収縮します。そして副交感神経の働きが活発になれば血管は拡張します。

そして、この2つの自律神経の働きが低下している人ほど偏頭痛がおこりやすいのは事実です。自律神経のバランスが崩れ血管の拡張と収縮が極端になることでおこるのではないかと私は考えています。

参考 頭痛|身体面の症状|症状から知る|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省

2.更年期障害の吐き気の原因

東洋医学の考え方から吐き気の原因は、胃の働きが低下している事と、過剰な水分により胃腸が弱っていると考えられます。

2-1.胃腸の働きの低下

自律神経の働きが乱れると、交感神経の働きが優位になりがちになります。交感神経は、危険からの逃走に備えていざという時に素早い動きが出来るように筋肉や脳へ積極的に血液をまわし、その分消化器官への血流を止めて消化器官の活動は低下させます。

しかし、強いストレスがかかると身体は胃腸の内容物を輩出して身軽になり、危険に備えようとするため、胃腸を急激に動かすことになります。これが吐き気の原因となります。

胃腸の働きが通常通り動いていれば問題ないことが、自律神経の働きが低下することで急激に胃腸が動くことで吐き気となります。

2-2.水毒

東洋医学の考え方から、体内を循環しているはずの水がうまく流れずに止まっている。あるいはあるところに留まっている事を水毒と言います。

水毒はむくみ・下痢・頭痛といった症状が出ますが、吐き気やめまいもよく見られる症状となります。

空腹時に仰向けに寝そべって、胃からおへそあたりを軽く叩いて、ポチャポチャと水の音がする場合は水毒と判断できます。

3.更年期障害の頭痛と吐き気の対処法

更年期障害によっておこる頭痛と吐き気は自律神経のバランスが崩れることで発生しています。そのため、自律神経の働きを正常に戻すことが重要です。病院での治療では、頭痛薬や吐き気止めでの対応となっているようです。

頭痛や吐き気はの症状はなかなか改善しませんので生活に支障を感じているようでしたら根本治療をおすすめします。今回オススメする2つはどちらが良いというものはないと思います。片方の方法でうまくいかなかったらもう片方の方法をやる、もしくは2つの方法を併用することも視野に入れる事をオススメします。

3-1.ホルモン補充療法

更年期障害の原因であるエストロゲンの急激な低下に対して、必要最低限のホルモンを補充する治療法です。ホルモンを補充することにより、その急激な変化をゆるやかにすることができ、閉経したあとのホルモン環境に体を適合させていくサポートをするための療法になります。

副作用は体が治療に慣れてくる1~2ヶ月程度で治まるものがほとんだと言われています。代表的な副作用としては、不正出血・乳房のハリ・下腹部の痛みなどがあります。

参考 【医師監修】更年期障害のホルモン補充療法の効果や種類、副作用とは | ヘルスケア大学 

3-2.漢方薬

更年期障害の症状は病院で検査をしてもはっきりとした原因が見つからないものがほとんどです。そのため、漢方薬での治療が最適だと私は考えています。

漢方薬は更年期障害という病名から選ぶのではなく、症状や体質から選びます。

私が漢方薬を選ぶ際には

◯望診 患者の顔色、肌の状態、動作、舌の状態を診る

◯聞診 しゃべり方、口臭、体臭

◯問診 患者さんの話、訴えを聞く

◯切診 脈、腹部の状態、その他身体の状態を触診(薬剤師は患者さんの身体をさわれないのでご本人にやってもらいます)

の4つです。

上記4つから得られた情報から、その患者さんに最も適した漢方薬を処方しています。そのため、漢方薬を選ぶだけでも20~30分近くはかかります。少なくとも、上記の事を踏まえた上で選んでくれる、医師や薬剤師等に相談されるのをおすすめします。

4.まとめ

更年期障害の頭痛・吐き気の原因は女性ホルモンの働きが低下したことで、自律神経のバランスが崩れたものだと考えられます。 

その根本的な治療方法としては、ホルモン補充療法と漢方薬の2つが考えられます。ご自身の体にあった治療方法を選ぶことが必要です。

 

ここまでいったらパワハラです!パワハラ判例種類別16事例

パワハラいうものは、線引きが非常に難しいと言われています。

実際裁判になり、判決が出ても微妙な状況の変化により判決が変わったりします。

どこまでがパワハラと認定されるのか。また、どのような状況であれば、パワハラと認められないのか。実際の裁判の判例を見て、その違いを検証しましょう。

 1、パワハラ判例・事例種類別16例

次にあげる判例・事例を8つの内容に分け、それぞれに2事例あげました。

単純なパワハラだけではない例もありますが、参考になれば幸いです。

その8つの事例内容とは以下のものです。

 では実際に、どういうパワハラが起こっているのか見ていきましょう。

参考書籍:ここまでやったらパワハラです!裁判例111選(労働調査会)

1-1.能力の低さを理由とするパワハラ事例

 1-1-1.能力の低さを職場全員にメールで送信〜損保会社メール叱責事件

(概要)

損保会社の課長代理としてサービスセンター(SC)に勤務する原告は、その部署のリーダーから所長(被告)に対し、力不足である旨のメールを送信され、これを受けた被告は、次の本件メールを原告及び職場の数十人全員に対し送信した。

「意欲がない、やる気がないなら会社を辞めるべきだと思います。当SCにとって迷惑そのものです。あなたの給料で業務職が何人雇えると思いますか。これ以上迷惑をかけないでください」

これに対し原告は、本件メールは名誉毀損を害するパワーハラスメントにあたるとして、被告に対し慰謝料100万円を請求した。

(判決)(第一審、控訴審)

本件メール内容は、退職勧告とも取れる強い口調であり、会社にとって不必要な人間とも取れる内容である。上司の叱責としては相当強度のものと理解でき、侮辱的、表現において許容限度を著しく超えるため、不法行為と言える。

また、本件メールの目的は叱咤督促する趣旨で、その目的は是認されるものであり、パワハラの意図があったとまでは認められない。

不法行為の精神的苦痛を鑑みて、5万円が相当である。

(解説)

同じ職場にいながら、メールで叱責するのはやはり見せしめの趣旨が強いと思われる。しかし、パワハラの意図に関しては認められないとのことだが、名誉毀損にあたるとしているので、やはり違法には間違いはない。

面と向かって、個人に対して叱責するのが筋であると考えられる。

 1-1-2.人事考課の低さを理由とする雇止め〜航空会社客室乗務員雇止め事件事例

(概要)

期間1年の労働契約を2回更新している客室乗務員(原告)は、立ち放しの地上勤務後の乗務では安全上問題があると課長に抗議して翌日欠勤したが、その後抗議と欠勤について始末書を提出し、さらに業務安全読本を紛失して始末書を提出した。原告は面接において、欠勤日数が多いこと、始末書を二度提出していることを指摘され、「135人中107位、ランクC」と評価され、新年度契約を更新しない旨通告された。

原告は被告に対し、「会社都合により一方的に契約満了とされたから退職する」旨の退職届を提出したものの、被告は原告の抗議に対する報復として業務評価を意図的に低く抑えて雇い止めを断行したものであるから、同雇い止めは無効であるとして、被告における賃金と再就職後の賃金との差額及び慰謝料100万円を請求した。

(判決)

原告が疲労状態での乗務に不安を感じたという点は理解できなくもないが、だからといって抗議目的で欠勤までするのは行き過ぎであり、一定のマイナス評価を受けてもやむを得ないものと考えられる。原告の評価について

  • カウンター業務支援に抗議して欠勤したことを提出したこと
  • 業務安全読本を紛失して始末書を提出したこと
  • 年間の欠勤日数は18日に及んでいたこと
  • 被告が契約更新に当たって重視している社会人的資質項目の評価では135人中134位であったこと
  • 雇用契約更新の基準は妥当でないとは言えないことの
  • 各項目についての評価が恣意的になされたとは認められないこと

これらのことから原告は一定のマイナスの評価を受けざるを得ないとしている。そのため被告の不法行為は成立しない。

(評価)

疲れなどがでやすい業務であるならばやはり安全面には充分考慮する必要があるが、抗議の意味での欠勤は社会人としては許されることではない。

判決の通り、契約更新にあたって、原告がその資質を欠いていると判断せざるを得ない状況ではあったのであろう。よってパワハラとは断定できない

 1-2.仕事上の失敗を理由とする事例

 1-2-1.実績、業務上の違反の発覚を苦に自殺〜北海道(銀行員)自殺事件事例

(概要)

被告銀行で入行10年目の行員甲は、投資信託の販売目標に達せず、会議の場で販売実績の質問に答えられなかったため、支店長から厳しい注意を受けたほか、引継書を提出せずに休暇を取ったとして上司から注意を受けた。甲は、他社からファームバンキングサービスの解約の申し出を受けたにもかかわらず、禁止されている立て替え払いを行ったところ、それが発覚して必要書類を求められたことから、そのまま銀行立ち去り、その3日後に自殺した。

甲の父親(原告)は、帰国における業務が甲に過重な負担を強いるものであり、甲はその負担に耐えきれずにうつ病に罹患して自殺したとして、被告に対し、総額1億3,000万円の損害賠償を請求した。

(判決)

支店長等が甲に対して会議で行った指導は相当厳しいものと推認されるものの、甲に対して限度を超えた過剰に厳しい指導を行った事実を認めることができない。また甲の業務や言動に関して特に異常な点は見受けられなかった事からうつ病に罹患していたと認めるのは困難であった。

甲が社会通念上相当な範囲を超えた過剰な業務を負担していたとまでは認められず、本件立替え払いの発覚について悩み、自殺に至ったとしてもあくまでも甲の個人的な考え方や受け止め方によるものであり、業務自体との相当因果関係をみとめることはできない。

甲が軽度のうつ病に罹患し、それも自殺の一因であるとしながら、被告において甲の自殺の危険性まで認識し得なかったとして原告の控訴を棄却している。

(解説)

入行して10年目の中堅行員に実績を求める。これは通常のことであり人格を攻撃するような言動は認められず違法性はない

部下に対する叱責、どこからがパワハラにあたるかというのは非常に難しい問題である。部下によりどれだけ傷つくかが違ってくることは予想されるが、それを正確に予見することは非常に困難である。

よって今回はパワハラとは認識されず、支店長等の指導の範囲内にあったとされるが、自殺に至ってしまっている点は、情に苦しむところである。

1-2-2.接触事故を理由にバス運転士が炎天下で除草作業〜神奈川(バス会社大和営業所)制裁事件事例

(概要)

バス事業を営む被告会社に運転士として勤務する原告は、路線バスを運転中に接触事故を起こしたために、営業所長(被告)から営業所内の除草作業を命じられ(第一業務命令)、8月に14日間これに従事した。被告はさらに四日間、原告に対し研修を行い、その中で服務規程の読習、書き写しをさせた上、添乗指導をうけることを命じた。(第二業務命令)原告は翌月、独車試験に合格し通常業務に復帰した。

原告は、本件接触事故について自分に責任がないにもかかわらず、十分な調査をせずに原告の責任と決めつけ、第一業務命令を発したこと、勤続5年以上の運転士である原告に対する第二業務命令は、見せしめ、嫌がらせであることを主張して、被告らに対し慰謝料200万円を請求した。

(判決)

原告には交通法規違反がないことを考慮すれば、本件事故における過失はないと認められる。自家用車の運転手がドアをロックしないで路肩に駐車したまま席を離れたために、ドアが開いてバスがこれに衝突したものであるが、接触に気づかなかった点については、原告にも過失があるとして、下車勤務の命令自体は違法とは言えない。本営業所の相当の面積に渡り雑草が生えており、また除草作業専従作業員もいないことから、下車勤務の除草作業は必ずしも認められないものではない。

しかし、炎天下での作業であり、また作業を終了するまで期限や作業範囲を指定したことはなく、また、校内の除草作業は必要ではあったとしても、事故の再発防止に役立つとは思えず、むしろ恣意的な懲罰の色が強い。

被告所長としての裁量の範囲を逸脱した違法な業務命令で不法行為であるとし、慰謝料60万円が相当である。

第二業務命令は、運転技術の矯正を目的としており、適法妥当なものである。

(解説)

運転士が事故を起こした場合は、一旦下車勤務をさせ、研修を行うことは必要な処置であると言えるだろう。過失を認め、下車勤務自体は適法とされたが、下車勤務の中身は炎天下の中での作業により、熱中症の危険を伴うものであり、また、事故の再発防止には到底繋がるとは思えず、パワハラ不法行為は妥当と判断されたのは当然であろう。

 1-3.協調性の欠如、ルーズな勤務等に対する事例

 1-3-1.勤務態度の悪さ、協調性の欠如を理由とする退職〜損保調査会社叱責退職事件事例

(概要)

損害保険の調査、損害額の査定等を業とする被告会社(反訴原告)に勤務する原告は、顧客との査定のトラブルにより、部長(被告)から直接注意を受けた。

原告は、日頃から協調性に欠けるとの評価を受けていたところ、査定をめぐるトラブルの際、被告から「テメェ、一体何様のつもりだ、責任を取れ」、「親父にも迷惑がかかるぞ」などと恫喝されて退職を迫られたこと、被告は、原告が大阪の研修部署に異動してからも仕事を与えず、消防法違反の内部告発を妨害し、昇進試験の受験を妨害したこと、数ヶ月後にさらにサービスセンター(SC)移動を命じ、それに絡んで誹謗中傷をしたことなどのパワハラ行為を行い、それによって原告は給食を余儀なくされ、休職期間の満了をもって退職させられたとして、被告会社との雇用関係存在の確認と、被告らに対する賃金1053万円余、治療費39万円余、慰謝料500万円、弁護士費用200万円の支払いを請求した。

(判決)

原告の研修部署への異動が、対人折衝のない部署への異動を図ったことは明らかであるが、それなりの課題は与えられており、原告作成の資料を社内で活用したことが認められるから、全く仕事を与えなかったとの原告の主張は認めがたい。

消防法違反となる量の塗料が研修部署に保管され、これを原告が上司や被告に進言したこと、原告が上記法違反や作業結果を被告会社や親会社に送付したこと、これを対し被告会社社長が直接原告に電話をかけて原告の精神的疾患を気遣ったことが認められ、事実を握り潰そうとした事実は認められないから、原告に対する不法行為は認められない。

原告を研修部署から5ヶ月でSCに移動させたのは、退職者補充の必要があったこと、研修部署では上司が原告の対応に参っていたことによるものであるから、懲罰的意図は一切なかったと認められる。

原告のSCAの異動の内示に際し、被告は原告のおよそ上司に対すると思えない態度に腹を立て、翌日SC次長に、「あの馬鹿」「あんなチンピラ」という表現のメールを送付しているが、原告を特に陥れようとする内容ではなく、パワハラとは認められない。

したがって、上記異動は充分合理性が認められ、不合理な差別的取扱いを行なったとは認められず、その他不法行為等を構成するような実は認められない。

(解説)

原告は入社試験の成績は非常に良かった反面、激昂しやすく協調性に欠けるとの評価をうけ、行く先々でトラブルを起こすことから、上司はその扱いに苦慮していた模様である。ただ人事評価では被告は原告に対し「良いものを持っており時間をかけて教育したい」とコメントしており「論外」といった存在とまでは見ていなかったようである。

唯一正当性をうかがわせるものは、消防法違反についての通報であるが、違反の程度が不明であるし、正義感に基づくものか、不満の会社のあら探しなのかの判断が難しい。

原告は、被告らのパワハラによってPTSDに罹患したとして、休職し、休職期間満了をもって退職となったが、原告のトラブルメーカーぶりと異動の内示にあたり、イスにあぐらをかき、飲み物を飲みながら話を聞く。また内示に怒って捨て台詞を吐くなどの態度が続き、被告らの叱責は基本的には正当と考えられる。パワハラではないとの判決である。

 1-3-2.ずぼらな部下への叱責でも行き過ぎれば違法〜電気会社F工場反省書強要等事件事例

(概要)

電気機械器具製造等を業とする被告会社に勤務する原告は、サークル活動等のため次第に残業しなくなったところ、製造長である被告や作業長らから、ビラの配布、機械等の片付けの不備、作業日報の不記載、作業中の居眠り、作業手順の誤りによる機械の故障、連休の取り方等について叱責され、反省書の作成を求められるなどしたことから、心因反応と診断され、半月の間欠勤した。

原告は、被告らの言動により欠勤を余儀なくされたとして、賃金の不払い分及び慰謝料500万円を、被告及び航空会社に請求した。

(判決)

製造長は、その所属する従業員に対し、始末書等を求めていることもできるが裁量権の濫用にわたる場合は、違法性を有すると解される。

原告はスポット溶接機の使用方法を教わりながら、その手順を覚えずにバルブを締め、これによって溶接機が故障し、被告会社は数十万円の損害を受けたが、その責任は原告にあるからに、被告が原告に反省書を求めたのも当然である。

原告は、年休を当日取得する場合、被告は自分に直接承諾を得るよう指示し、これについて原告に始末書を求めたが、それまで原告は年休の取り方を注意された事はなく、被告の指示に従って態度を改めたのであるから、執拗に始末書の作成を求めたのは行き過ぎであり、裁量の範囲を逸脱したものである。また、被告が作業長の報告を受けて、原告の後片付けの時間を計ろうとし、前日の後片付けの再現を求めたのは、裁量の範囲を逸脱したものである。

以上、過誤について執拗に反省書等を求めたり、後片付けの再現を求めた被告の行為は、その心情には酌むべきものがあるものの、裁量の範囲を逸脱し、違法性を帯びるものと言わざるを得ない。

原告の心因反応の原因は、被告の違法行為にあると解されるから、被告及び被告会社は、これによる原告の精神的損害を賠償する義務がある一方、原告は仕事に対して真摯な態度で臨んでいるとはいい難いところがみられ、このため被告の過度の叱責や執拗な追及を自ら招いた面もあることは否定できないから、慰謝料は15万円が相当と認められる。

(解説)

原告の勤務態度には相当な問題があり、上司である被告がこれについて非常に苛立ちがあったことがみれる事例である。

本件では、心因反応に罹患して休業し、その慰謝料を請求したものであるが、自分が蒔いた種である印象が強い。

しかし、被告に対し裁量権の逸脱を認め慰謝料の支払いを命じている。いかなる叱責でも許されるわけではなく、過ぎると違法となることを示した事例であり、不真面目な態度をとる部下を持つ上司は参考にすべき事例であると言える。

 1-4.使用者や上司に対する批判事例

 1-4-1.電話対応をめぐるトラブルによる肉体労働の配転〜自動車タイヤ等販売会社女性従業員配転事件事例

(概要)

自動車タイヤの輸入販売を業する会社(被告)で事務作業に従事する原告は、電話の応対をめぐって社長と口論になり、解雇を告げられた。

原告はこれに納得せず、労働組合に加入して仮処分の申し立てをするなどした結果、解雇は撤回されたが、原告はこれまで女性が就いたことのないタイヤ梱包作業等の肉体労働に配転されたほか、机と椅子をタイヤ梱包場に移され、事務所の出入りを禁止された。

原告は、本件配転命令は原告に対する報復措置であって無効であるとして、タイヤ梱包作業等に従事する義務を負わない地位にあることの確認と、精神的損害に対する慰謝料を請求した。

(判決)

主としてパソコン作業に従事していた原告について、電話対応の手際を理由に配転する必要性はそもそも乏しく、原告の対応に殊更問題があったとも認められない。原告の配転の業務上の必要性を見出すことはできない。

タイヤの梱包作業や積み下ろし作業は体力を要し、女性である原告には困難な面があることは否めず、業務上の必要性を肯定することは困難である。

被告としては原告に対する嫌悪感が収まらず、できるだけ警告を事務所から遠ざけ、不本意な仕事を与えて、あわよくば孤立感を感じた原告が自主退職することも意図して本件配転を命じたというべきであり、このような不当の動機をもってなされた本件配転命令が権利の濫用として無効というべきである。

被告の行為は、指示命令権の範囲を超え、社会的に許容された範囲を逸脱する行為として不法行為を構成し、慰謝料として50万円、弁護士費用として5万円を認める。

(解説)

配転にあたっては業務上の必要性が存在しない場合または業務上の必要性が存在する場合であっても、当該配転が他の不当な動機・目的をもってなされたものであるとき、もしくは労働者に対して通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであるとき、権利の濫用に当たるとされる。

この事件は、女性を外作業の肉体労働に配転したものだが、現在では妊産婦を除く女性については、ごく一部の業務を除いて就業制限がなくなっているから、女性を本件のような肉体労働につけること自体が法律上可能である。

特定の従業員の席を他の従業員から隔離する事例はかなり見られるが、こうした行為は、通常見せしめ・嫌がらせと受け止められ、よほどの事情がない限り正当とは認められないので、注意が必要である。

 1-4-2.労基署への申告等を理由とする深夜勤務への配転〜運送会社女性従業員配転・懲戒解雇事件事例

(概要)

運送会社(被告)で事務管理業務に従事する女性従業員(原告)は、女性従業員の年齢給についての賃金規定の定めが男女差別であるとして労基署に申告し、同署は被告に対し、賃金規定の改定と賃金の遡及是正を勧告した。その後、被告は原告を事務管理業務から外し、以前従事していた2トントラックの乗務に配転し、さらにその2年半後、原告を午後6時から午前3時までの深夜勤務を常態とする係に配転を命じた(本件配転命令)が、原告がこれを拒否したことから、原告を懲戒解雇処分とした。

これに対し原告は、本件配転命令は労働契約に違反すること、労基署への申告に対する制裁という不当な動機・目的でなされたものであることから無効であり、その拒否を理由とする本件懲戒解雇も無効であるとして、従業員の地位の確認と賃金の支払いを請求した。

(判決)

原告が正社員に登用された平成9年1月当時、改正前の労働基準法は女性労働者の深夜勤務を原則として禁止していたから、労働契約の内容として、原告を深夜勤務に従事させないとの合意が成立していたと認めるのが相当である。したがって、本件配転命令は、原告の同意がない以上その効力を有しない。

原告は被告の賃金規定が男女差別であるとして労基署に申告し、労基署が被告に是正勧告したこと、原告が申告したとの疑いを持たれて被告との間で軋轢が生じたこと、原告は年齢給の遡及是正に係る請求権の放棄を強く迫られてこれに応じたこと、その直後に被告は原告を事務管理業務から外したこと、その頃から被告の役員や幹部社員が原告に厳しい態度をとるようになったこと、その後被告が原告に本件配転命令を発したことが認められる。この事実に照らすと、被告は原告が労基署に申告して以降原告に厳しい態度で対応してきたことが認められ、喫煙についての原告の申し入れに対する「そういう人は夜勤に行くか辞めてもらうしかない」旨の発言を勘案すると、本件配転命令は、労基署に内部告発したり、権利主張をしたりする原告に制裁を課する動機・目的による人事と推認される。

原告は、従前短期間夜勤に就いた際、健康を害する恐れを実感したことがあって本件配転命令を拒否したと認められるから、本件配転命令は原告に対し社会通念上甘受すべき程度を著しく超える不利益を課するものといえ、無効である。

(解説)

本件の争点は、本件配転命令が原告の労基署への申告に対する報復の目的でなされたものか否かという点であるが、配転命令が他の不当な動機・目的をもってなされたとの要件に該当することから、無効となることは当然と思われる。

原告は、日頃から職場の喫煙について是正を求めており、そうしたことも含めた日頃の確執が本件配転命令さらには懲戒解雇につながったものとみられるが、原告の主張内容は真っ当と思われる。本件配転命令及び懲戒解雇の正当性を窺わせる余地は認められない。パワハラ認定。

 1-5.具体的な業務命令違反を理由とする事例

 1-5-1.ノルマ不達成を理由とする転勤命令拒否および解雇〜コンピューター販売等会社転勤拒否解雇事件事例

(概要)

コンピューターの販売、リース等を業とする会社の京都支社に勤務する原告は、支社長Aと考えが合わず、Aから無理なノルマを命じられたほか、有給休暇を申請すると、結果を出してから休めと却下され、その後Aに暴言を吐いたとして自宅待機を命じられた。

原告はその4ヶ月後、メニエール病で休業し、2ヶ月後に職場復帰したが、めまい発作を防ぐため残業しないようにしていた。その1年余り後に赴任した新支店長Bは、原告の売り上げが伸びないのは意欲や努力が欠けているからであり、他の従業員との協調性もないと判断し、原告に大阪支社の転勤と主任からの降格の発令をしたところ、原告は辞令の受け取りを拒否し、京都支社に出勤し続けた。そこで被告は、原告に即時解雇を通告し、解雇予告手当を提供したが、原告がこれを拒否したため、業務命令違反等を理由に原告を解雇した(本件解雇)。

これに対し原告は、勤務地を京都に限定する条件で採用されたこと、長時間通勤は無理であって、転勤拒否を理由とする本件解雇は無効であることを主張して、地位の確認等を求めた。

(判決)

原告は、ここから法的根拠がないのに自宅待機命令を受け、その間にメニエール病に罹患したため、職場復帰した後はめまい発作が起こらないよう注意していたこと、メニエール病のため仕事に支障が生じるかもしれない事は周知されていたこと、被告が原告につき、飛び込みによる会計事務所の新規開拓の仕事に専任させており、この売り上げはもともとわずかしか期待できなかったものであったこと、大阪支社の通勤は1時間40分以上要するが、病気のためこのような長時間通勤に耐えられるか疑問であることの諸点を勘案すると、本件勤務命令は、転勤命令権の濫用であって許されない。原告は、本件転勤命令後も大阪支社に出勤しなかったが、右命令が許されない以上、無断欠勤とは言えないから、これを理由とする本件解雇も無効である。

控訴審では、本件転勤命令及び本件解雇を権利濫用に当たり無効としている。

(解説)

原告は、以前の大阪支社勤務時には、社長らから表彰を受ける等の優秀な業績も上げていたが、異動後の京都支社で支社長との折り合いが悪く、業績の期待しにくい飛び込み営業活動と達成困難なノルマを命じられ、有給休暇取得の妨害や、これに対する暴言を理由とした自宅待機など立て続けの嫌がらせを受け、それもメニエール病の一因になったものと思われる。

原告は、その後は仕事に消極的で、協調性に欠ける面があったようだが、元々は優秀な業績をあげていたことからすれば、こうした原告の姿勢は、上司の嫌がらせによる面が大きいと思われる。

新支社長も、前任者同様、業績不振の責任を専ら原告にかぶせ、京都支社から追放することを主たる目的として大阪支社の転勤を命じたものとみられ、権利の濫用として無効であると思われる。

 15-2.男女別トイレを求めて転勤拒否〜即席飲料製造会社等配転拒否事件事例

 (概要)

被告会社の女性タイピスト(原告)は、A出張所の配転を打診されたが、同所にはこれまで女性がいなかったこと、狭隘であること等を理由にこれを拒否した。その後、係長は原告に仕事を与えず、原告に対し「トイレ以外はうろうろするな」、「今週は一体何をするのか」等繰り返し嫌味をいい、原告の席を課長席の前に置くなどした。

原告は、本件仕事の取り上げおよび嫌がらせの差し止めを求めて仮処分を申し立て、その申立書の中で、配転拒否の理由としてA出張所には男女別トイレがないことを挙げた。被告は、当初の打診から約1年後、原告にA出張所への配転を命じたところ、原告は、本件配転命令は業務上の必要性がなく、原告に不利益を与える意図で行われたものであって無効であると主張するとともに、違法な配転命令、嫌がらせ行為等により精神的苦痛を受けたとして、被告に対し慰謝料500万円を請求した。

 (判決)

使用者が労働者に対し、いかなる業務を担当させるかについては裁量が認められ、正当な理由に基づき一時的に業務をさせない措置をとることも、雇用関係当事者間の信義則に照らし合理的な範囲にとどまる限りは適法と解すべきである。

しかし、業務を指示しない措置が不法な動機に基づき、又は相当な理由もなく、雇用関係の継続に疑問を差し狭める程度に長期にわたる場合等、信義則に照らし合理的な裁量を逸脱したと認められる場合は違法性を帯び、不法行為を構成するものと解される。

被告の原告に対する当初配転予定日以降1年近くにわたる本件仕事取り上げ及び嫌がらせは、原告に対する加害の意図をもってなされ、合理的な裁量を逸脱していることは明らかであるから、不法行為を構成し、原告が被った精神的苦痛に対する慰謝料としては、60万円が相当である。

当初の配転内示当時、資材課では女性社員2名中1名の余剰人員は生じ、他方A出張所から女性事務員の配置が要望されており、原告が同所に赴任して以降、事務所不在による顧客の苦情が解消するとともに、男子もセールス活動により多くの時間を取ることができるようになったことからすれば、同所において女性事務員を必要とする状況が続いていたと認められ、本件配転命令には業務上の必要性があったと認められる。

A出張所のトイレは男女の別がなかったが、男子従業員は日中外出しているため、原告にとってトイレの使用をはばかられる状況ではなかったから、A出張所において、社会通念上許される範囲を超えて原告に不利益が生じたと認めることはできない。

(解説)

本件のポイントは、仕事はずし及びいやがらせの言動が不法行為を構成するか、配転命令が正当と認められるかの2点である。

仕事外し及び課長らの言動は、配転に応じない原告に精神的苦痛を与えることを目的とした措置であるとして不法行為を認めているが妥当な判断であろう。

本件配転命令自体は、業務上の必要もあり、不法な動機・目的も見られないことから正当と認め、この点では原告の請求を退けているが、これも妥当とみられる。一部のみパワハラ認定の線引きがされた例である。

 1-6.身だしなみ、服装を理由とする事例

 1-6-1.「女性の容姿で出勤」を理由に懲戒解雇〜性同一性障害者解雇仮処分申し立て事件事例

(概要)

性同一性障害の診断を受けた債権者は、勤務する会社(債務者)に対し、①女性の服装で勤務したい、②女性用トイレおよび更衣室を使いたい旨申し出、これを拒否されたことから配転拒否と回答し、出社を拒否した。債権者は債務者から送付された配転辞令を破棄し、抗議文とともに債務者に送付したが、その後辞令に従う旨の謝罪文を送付した。

その約2週間後、債権者は女性の服装、化粧をして配転先の席に着いたところ、債務者から自宅待機命令を受けた。その後も女性の容姿で出社する債権者に対し、債務者は女性の服装をしないとする命令に従わない場合は懲戒処分を検討する旨通知したが、債権者は裁判所に懲戒処分の差し止め命令を求め、女性の容姿で出社し続けた。

債務者は債権者に対し、懲戒解雇通知書を送付したところ、債権者はその無効を主張し、雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認と賃金の支払いを請求した。

(決定要旨)

債権者は本件申し出が受け入れられなかったことを主な理由として配転を拒否したもので、正当な理由がなく、懲戒解雇事由に該当するが、債権者は謝罪文を送付し、配転先で在席しているのみならず、債権者の性同一性障害に関する事情に照らすと、配転命令拒否が懲戒解雇に相当するほど重大かつ悪質な企業秩序違反と言うことはできない。債権者は、従前は男性の容姿をして就労していたが、初めて女性の容姿での就労を申し出、突然女性の容姿で出社したものであり、社員はこれにショックをうけ、強い違和感を抱いたものと認められる。そして、社員の多くが債権者の行動の理由、性同一性障害についてほとんど認識がなかったであろうことに照らすと、社員や取引先等の相当数が嫌悪感を抱く恐れがあることが認められ、債務者が社内外への影響を憂慮し、当面の混乱を避けるために、債権者に対して女性の容姿で就労しないように求めること自体は一応理由がある。

しかし、債権者は本件申し出をした当時には、精神的・肉体的に女性としての行動を強く求めており、他社から男性としての行動を要求されると多大な精神的苦痛を被る状態にあったということができるから、債権者が債務者に対し、女性の容姿での就労を求めることは相応の理由があると言うべきである。そして、債務者において、本件申し立てに基づき、双方の事情を踏まえた適切な配慮をしてもなお女性の容姿をした債権者を就労させることが、企業秩序又は業務遂行において著しく支障をきたすと認めるにたる疎明はない。

以上によれば、債権者による本件服務命令違反行為は、懲戒事由に当たり得るが、懲戒解雇に相当するまで重大かつ悪質な企業秩序違反と認めることはできない。 

(解説)

これは平成14年の裁判例であるが、性同一性障害に対し裁判所の判断に苦慮したことがうかがえる。双方の言い分も一定の合理性があり、服務規律命令違反ではあるものの懲戒解雇に相当するほどではないと結論付けているが、会社としては相談を受けやすい雰囲気を作ること、また債権者も早めに自らの障害について相談はできなかったかということを感じさせる一件である。

 1-6-2.長髪、ひげを理由とする窓口業務外し〜郵便局身だしなみ基準事件事例

(概要)

原告は、口ひげ(唇の幅)およびあごひげ(唇の幅で約1cm)を生やし、引っ詰め髪にしていたが、灘郵便局へ配転が決まるまでは、これについて注意をうける事はなかった。原告が灘局に赴任すると、A課長及び後任のB課長らは、髪を切り、ひげをそるよう執拗に指導したが、原告はこれに応じなかった。郵政公社(被告)では、統一的な「身だしなみ基準」を定め、「長髪は避ける」、「ひげは不可とする」とした。

郵便課(内勤)の業務内容は、「窓口」、「発着」、「特殊」、「通常」の4種類、勤務時間帯は、「早出」、「日勤」、「夜勤」、「深夜勤」の4種類があったところ、原告は「特殊」業務の「夜勤」のみ命じられた。

原告は、身だしなみ基準に違反していないこと、「特殊」業務、「夜勤」のみに就かせることは人事権の濫用であり、違法な人事評価により職能資格給を停止させれたとして、被告に対し、手当て損害額のほか、慰謝料150万円を請求した。

 (判決)

被告が新たに身だしなみ基準を定めた事は一定の合理性が認められるが、労働者が自己の髪型やヒゲ等に関して行う決定は、本来個人の自由に属する上、これに対する制約が勤務時間を超えて私生活にも影響を及ぼすものである。

郵便窓口での利用者は、職員が特別に身なりを整えて応対することまでは期待していないから、男性の長髪、ひげを不可とするのは「顧客に不快を与えるようなヒゲ及び長髪」に限定すべきである。したがって、整えられた原告の長髪及びひげは、いずれも公社身だしなみ基準が禁止する男性の長髪及びひげには該当しない。

被告が原告を「特殊」業務の「夜勤」にのみ担当を指定したことは、裁量権を逸脱した違法なものと言うべきである。また、課長らの原告への指導は長髪及びひげは一切認めないとするもので、この指導は違法というべきである。

原告に「特殊」業務のみ担当させることは、職務経験を広げる機会を喪失させ、加えて原告は上司からひげをそり、髪を切るよう繰り返し求められたことにより、一定程度の精神的苦痛を受けたと認められるから、慰謝料は30万円が相当である。

 (解説)

男性の長髪及びひげを禁止することを再三にわたって執拗に指導したことの是非が争われた事例である。そのひげ及び長髪が整えられたものか否かを判断基準とし、原告のそれは整えられたものであるとして、原告の上司らの対応の違法性を認めている。すなわち、パワハラ認定である。

髪型やヒゲなどについては服装と異なり、勤務時間と私的な時間とで区別できない点で判断の難しい問題であると思われる。両者の接点として「整えられた髪型、ひげ」を許容される要件としてあげているものと考えられる。

 1-7.会社の指導や体質の改善がなされなかったための事例

 1-7-1.安全点検作業に抵抗して炎天下作業〜JR西日本吹田工場(踏切確認作業)事件事例

(概要)

従前、被告会社吹田工場では安全意識に問題があると指摘されたことから、同工場の各職場で安全点検したところ、踏み切り通行において安全確認が励行されていない事象が5件報告されたほか、立て続けに労災事故が月間3件ずつ発生していた。

こうしたなか、被告会社の職員で国労組合員である原告甲および同乙は、警報機の稼動中に踏切を渡ったところ、安全衛生を所管する総務課長(被告)に、「わたるな、危ないやろう」、「あほかお前らは」などと制止され、これを無視して横断したところ、原告甲は被告に腕を掴んで強引に引っ張られ、これを振りほどこうとして手首に擦過傷を負った。被告は注意の仕方に好ましくない点があったとして支社長から注意受け、原告甲に対して謝罪したが、その後原告らは、それぞれ数日間、8月の炎天下での作業(本件作業)に従事させられた。

原告甲は本件作業の強要と手首の負傷、原告乙は本件作業の強要を理由として、それぞれ被告らに対し165万円、110万円の損害賠償を請求した。

(判決)

本件作業は、真夏の炎天下で、日よけのない約1メートル四方の白線枠内で、終日踏切り横断者の指差し確認状況を監視、注意するものであって、著しく過酷なもので、労働者の健康に対する配慮を欠いたものと言わざるを得ない。また本件作業が、従前おこなわれていた定点監視作業とは、監視時間等の点で内容を異にするものであること、原告らの本件作業の実施実績は支社に報告されていないことなどをあわせ考慮すれば、原告らの本件作業は、使用者の裁量権を逸脱する違法なものであったと言わざるを得ない。

被告の行為は、上司に対する原告甲の態度を質すためのものであるが、嫌がる同原告の腕を3回もひっぱって事務所に連れていこうとする行為は正当な業務指示とは言えない。被告による本件暴行は、原告甲の「あんた」と言う発言に起こったことから発したものであること、本件障害は比較的軽いこと、被告は原告甲に謝罪していることなどを総合的に考慮すれば、本件暴行による慰謝料としては5万円が相当である。また、本件作業内容が過酷であること、本件作業に従事した期間を総合考慮すれば、慰謝料等は15万円が相当であり、原告乙についても、本件作業の内容に加え、原告甲よりも1日多く従事していることなどを総合考慮し、慰謝料等20万円が相当である。

(解説)

鉄道外車にとって安全の確保は最優先の課題であるから、被告会社がこうした点検の作業に取り組むこと自体は当然正当といえる。原告らは稼動中の踏切を横断する許可を受けていたことを主張し、互いに譲らず負傷、さらにはこれを契機とした本件作業の命令につながり、話が大きくなったものである。

本事件の根底には、労使間の対立、相互不信感があったものと思われるが、双方聞く耳を持たずといった調子で罵倒しあう姿は、職員同士の対立だけにとどまらず、乗客の安全にまで及びかねないことを十分に認識してほしいものである。

 1-7-2.女性従業員の無能ぶりをからかい解雇〜大阪(運送会社)女性従業員いじめ退職事件事例

(概要)

運送業を営む被告の社長は、入社まもない女性従業員Bと面談し、原告から仕事ができないと言われたこと、経理事務3級を持っているのにどうしてそんなことがわからないのかと馬鹿にされたこと、ことあるごとに顎で指示され、露骨に邪魔者扱いされたことを訴えられ、退職の申し出を受けた。また同社長は、女性従業員AとBから、原告に「他の人が断ったので仕方なく採用された」などと言われたと訴えられた。その後同社長は、原告、AおよびBを読んで仲良く仕事をするよう促したが、Aはこれまで原告にさんざんいじめられてきたこと、Bは原告からあまりに失礼な振る舞いにあったことから、共に我慢が出来ないとして退職した。

被告は、原告がAおよびBをいじめによって退職に追い込んだこと、ジムのスキルが低いことなどの理由で普通解雇したところ、原告は本件解雇を無効であるとして、労働契約上の地位の確認と未払い賃金の支払いを請求した。

(判決)

原告とAおよびBとの間に感情的なトラブルがあり、その原因の一端が原告の両者に対する言動にあったことがうかがわれるが、原告は両者の苦情に関わる事実を否定し、あるいは歪曲されていると主張していること、苦情に関わる事実関係審議について、被告は原告あるいは他の職員に対して確認をしたとはみとめられず、上記苦情に係わる事実があったことを証する的確な証拠があるとはいいがたいこと、原告の直属上司も、AおよびBからの苦情について、原告に注意指導等を行ったとは認められないことが認められ、これらの点からすると、原告のAおよびBに対する言動に多少配慮に欠ける点があったことは否定できないものの、原告が両名に対していじめ等の行為を行っていたとまで認めることができない。

また、仮にAおよびBの申し出に係る原告の言動があったとしても、被告は当該事実について、AおよびBの言い分と原告の言い分を十分聴取したうえで、原告の態度および職場環境の改善等を図るべきであるところ、被告において、原告や他の職員に対して事実関係の調査等を行ったとは認められず、また原告だけを個別に呼んで、苦情の内容をあげ、同人の言い分を徴収した上で、注意指導する等の措置を取った事は認められない。また、原告の事務のスキルが低いことも認められない。

以上からすると、本件が少人数の事務所におけるいじめが問題となった事案であること、原告の行動に苦情を訴えていたAおよびBが入社後短期間で退職したことを考慮してもなお、本件解雇には合理的な理由があるとはいえないから、無効と言わざるを得ない。

(解説)

原告は、女性従業員のA、Bにたいし、いじめや失礼な言動を繰り返し、その結果両者とも入社3ヶ月程度で相次いで退職したものであり、退職の原因を原告が自ら作ったことは間違いないと思われる。ただ、直属の上司からのいじめとはことなり、A、Bにとっては逃げ場があり、社会通念上、退職にまで追い込まれるほどのいじめかどうか疑問が残る。

本件の場合、被告が原告を解雇するにあたって十分な調査や原告に対する注意・指導を行っていなかったことが、解雇無効とする主な原因となっている。したがって、使用者は従業員に対し何らかの処分をするにあたっては、その事実関係を正確に把握し、必要な注意・指導を行うことが不可欠で、それを怠った場合には処分が無効とされることを本判決は示している

 1-8.職場の仕事から離れたところの事例

 1-8-1.市議会傍聴での非礼行為を理由に懲戒解雇〜ごみ収集会社記者会見等解雇事件事例

(概要)

新聞に、「営業廃棄物を不正搬入」との見出しで、市の廃棄物運搬業者が、処理手数料が有料である営業廃棄物を一般家庭廃棄物に混入し、市に支払うべき手数料を免れていたとの記事が連日掲載された。

廃棄物の収集。運搬及び処分を業とする会社(被告)の労働者(原告)らは、市議会を傍聴した後議長と会見し、翌日記者会見をして、市役所や警察がゴミ混入問題を取り上げない旨発言した。その翌日、被告は原告らが欠勤し、営業妨害ともとれる言動で被告を罵倒し、市や市議会に迷惑をかけ、会社の信用を失墜させたとして、原告ら3名を懲戒解雇した。さらに被告は予備的に、原告らは無断で他の組合員を扇動して職場放棄したこと、不正なゴミ収集をビデオ撮影して新聞社にもちこんだこと、議会で非礼な発言をして会社の信用を毀損したこと、記者会見を行って虚偽の事実を陳述し、会社の信用を毀損したこと等を理由として普通解雇を通知した。

これに対し原告らは、懲戒事由の事実は無いこと、即時解雇は労基署長の認定が必要であるところ、被告はこの手続きをしていないこと、原告らに弁明の機会を与えていないことなどを理由に、従業員としての地位の確認と賃金の支払いを請求した。

(判決)

議会閉会直後の発言の趣旨は、市長がゴミ混載問題を放置して逃げているというものであり、市長に対する侮辱的な趣旨を含む上、傍聴席から大声を発するという態様であって、非礼と言わざるを得ない。

原告らはその発言をしたものでないにせよ、その一連の行動を総合的に見ると、被告の従業員としてはいささか軽率、不適当であったと言わざるをえない。しかし、原告らの議会傍聴の目的は、ゴミ混入問題の報道があった後、市の対応を知ることにあったのであるから、いわば偶然の結果と言うべき市長ないし市に対する非礼の責任を原告に負わせるのは酷というべきである。

記者会見では、被告が本件混入を指示したとか、本件混入について口止めした等、被告の不正を誇張して記者に伝達したことがうかがわれるが、これら発言の主体は原告らではなく、原告ら自身は記者会見に列席したに留まるものであるし、ゴミ混入及び不正の利益については事実の伝達と言わざるを得ない。そうすると、原告らの上記各行為は、いささか軽率な面があったものの、混入を回避すべき体制を作ってこなかった被告にも責任の一端があると言うべきであり、また新聞報道以来、結果的には被告の営業実態が是正、改善された面も否定できないから、解雇に処すべき非違行為があったとまで言うことができない。

(解説)

原告らは、自らが勤務する会社(被告)が、営業廃棄物を一般家庭ごみに混入し、不正な利益を得ていることを疑い、これを被告に確認しても納得いく説明がなかったことから、市議会傍聴により真実を知ろうとしたものと思われ、その動機において批判されるべきいわれはない。

被告は原告ら個々の言動を十分に調査することなく解雇を言渡したものであり、その手続き、被告自身のゴミ購入の関わり等からすれば、本件解雇が無効とされたことは妥当な判断といえる。

会社としては、正面から向き合って事情説明し、改善すべき点は改善することが必要である。不正を指摘した従業員を不利益取り扱いすることは許されない。

 1-8-2.「タバコ臭い」と扇風機で送風〜消費者金融会社部長いじめ事件事例

(概要)

原告A、同Bおよび同Cは消費者金融を業とする被告会社で債権回収等に従事する従業員、被告は原告らの上司(部長)である。

被告は、原告Bを激しく叱責し、その上司に対しても「てめえ、このやろう」、「責任をどう取るんだ」などと叱責したうえ、原告Bに、今後の過失についてはいかなる処分もうける覚悟である旨の文章を提出させたほか、雇用契約を更新しない旨通告した(結局1年単位が3ヶ月単位に短縮され、雇用契約は更新された)。

被告は原告Cに対し、その妻について「よくこんな奴と結婚したな、物好きもいるもんだ」と揶揄し、事務所の席替えの際、「うるさい」と言いながら原告Cの背中を突然殴打した。さらに被告は、原告Cに貸付金の回収を迫り、イスに座った原告Cのひざを蹴った。

被告は心臓発作を避けるためたばこのにおいを避けていたところ、原告Aおよび同B(原告Aら)をたばこくさいといって扇風機を原告Aらにむけて送付し続けた。被告は1ヵ月後、さらに扇風機2台ないし3台を原告Aらに直接当て、原告Aが出勤すると「ニコチン臭い奴が来た」などと言って送風し続けた。原告Aは次長に対し送付をやめるよう訴えたが、次長がこれに取り合わなかったところ、原告Aはその直後に抗うつ状態により一ヶ月の自宅療養を要する旨の診断を受け、1ヵ月間休職した。

原告らは、被告および被告会社に対し、原告Aについては治療費、休業損害、慰謝料合計336万円余を、原告Bおよび同Cについては、それぞれ慰謝料200万円を連帯して支払うよう請求した。

(判決)

  • 原告A及び同Bにたいして扇風機の風をあてた行為について

被告が両原告に対し、時期によってはほぼ毎日扇風機の風を当てていた行為は被告が心臓発作を防ぐため、タバコの匂いを避けようとしたことを考慮しても、喫煙者である両原告に対する嫌がらせの目的を持って、長期間にわたり執拗に体に著しい不快感を与え続け、両原告に著しく大きな精神的苦痛を与えたものであるから、両原告に対する不法行為に該当する。

  • 原告Aに対するその他の行為について

被告は、自分の提案した業務遂行方法を原告Aが採用していないことを知って、弁解の機会を与えずに強く叱責したうえ、どのような処分にも異議を唱えない旨の始末書を提出させた。また被告は、原告Aの発言に対し、「お前はやる気がない、明日からは来なくていい」などどなり、これは業務上の怠慢に対する必要かつ相当な注意である旨主張するが、これらの行為は原告Aに雇用に対する著しい不安を与えたものである。また被告は、他の従業員が多数いる前で、部下を大声で、ときには有形力を伴いながら叱責したり、手当なしの残業や休日出勤を強いるなどして、著しく一方的か威圧的な言動を部下に強いることが常態となっており、被告のもとで働く従業員は退職を強要されることを恐れ、それを受忍することを余儀なくされていたことが認められる。

このような背景事情に照らせば、被告による原告Aに対する上記行為は、社会通念上許される業務上の指導を超えて、原告Aに過重な心理的負担を与えたものとして、不法行為に該当すると言うべきである。

  • 原告Bに対するその他の行為について

被告は、顧客の信用情報に係る報告が信用情報機関に行われていなかったことについて、「馬鹿野郎」、「給料泥棒」などと原告Bおよびその調子を叱責し、さらに原告Bに「給料をもらっていながら仕事をしていませんでした」との念書を提出させた。これらの行為は、原告Bに多大な屈辱感を与えたと言うべきである。そして、従業員が被告の一方的かつ威圧的な言動に強い恐怖心や反発を抱きつつも、退職を強要されることを恐れて、それを受忍することを余儀なくされていたという背景事情にも照らせば、被告による原告Bに対する上記行為は、社会通念上許される業務上の範囲を逸脱して、原告Bに対する不法行為に該当する。

  • 原告Cに対する行為について

被告が事務所席替えの際に原告Cの背中を殴打した行為、面談の際に原告Cの足をけった行為は、何ら正当な理由もないまま、その場の怒りにまかせてしたものであるから、違法な暴行として不法行為に該当する。また被告の原告Cの配偶者に関する発言は、被告の言動を恐れて受忍を余儀なくされていたことに照らせば、原告Cにとって自らとその配偶者が侮辱されたにもかかわらず何ら反論できないことについて大いに屈辱を感じたと認めることができる。そうすると、被告による当該発言は、昼食時の会話であることを考慮しても、社会通念上許容される範囲を超えて、原告Cに精神的苦痛を与えたと認められるから、原告Cに対する不法行為に該当する。

原告Aは被告から扇風機の風を頻繁に当てられ、自重が真摯に対応しなかったことから抑うつ状態により一ヶ月間休職した経緯に照らせば、原告Aの心療内科等への通院及び休職は、被告による扇風機による風当てによるものとして相当因果関係が認められ、治療費及び休業損害のほか、慰謝料は60万円を持って相当と認められる。原告Bは被告から扇風機の風を不法に浴びせられるとともに、念書の提出を強いられたところ、これらの不法行為の態様等を総合すると、被告の不法行為による慰謝料は40万円をもって相当と認められる。原告Cは被告から2回にわたって殴打されるとともに、侮辱的な中傷を受けたものであり、これらの不法行為の態様等を総合すると、慰謝料は10万円を持って相当と認められる。上記被告の不法行為は、被告会社の事業の執行に際して行われたものと認められるから、被告会社は被告の不法行為について使用者責任を負う。

(解説)

被告は、元来パワハラ傾向の強い人物とみられ、被告は原告ら3人にとどまらず、原告らの上司を含め相当多数にのぼるようである。

原告らの行為のうち、叱責に値すると思われるのは原告Bによる顧客に関する信用情報の報告を怠ったことぐらいのもので、しかし「給料泥棒」との罵倒や、念書の提出などは、原告Bの人格を傷つけるものとして到底許されるものではない。

業務上の必要よりもいじめ自体が目的ではないかとさえ感じられる。また原告Cに対しては、物理的な暴力を加えているだけでなく、その妻について揶揄している。ほかの事件でも配偶者等近親者に絡む罵倒、揶揄等の行為が見られるが、こうした行為は特に本人の人格を傷つけるものであることを、部下を持つ立場にあるものは深く認識すべきである。

さらに被告は、真冬に扇風機で送風し、特に原告Aの心身を傷つけたが、体がニコチン臭いという理由で、職場という逃げ場がない中で、嫌がる部下に送風しつづけることは、場合によっては傷害罪にすらなりかねない重大な不法行為といえる。

1連の行為を見ると、業務上必要な要素は非常に希薄であり、もっぱらいじめを楽しんでいると感じられるところ、その上司らが被告の狼籍について注意をした形跡が見られないことは、会社の体質を表しているようで恐ろしい。

 2.実際パワハラを受けたらどうしたら良いのか

パワハラを受けた後でどのような行動をしたかという質問に対し、「何もしなかった」が46.7%で一番多い回答でした(参考:職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書)。「何もしない」ではまず解決に向かいません。自分自身のことを考え、勇気を持って行動を起こしましょう。以下のことを行いましょう。

 2-1.どんなことをされたのか記録を残す。

パワハラと思われる行為をされた場合は、いつどこで誰が何を何のためにしたのかを記録しましょう(5W1H)。後々の事実確認などで有効なので、メモや録音など最適な方法で記録を残すことをお勧めします。

 2-2.身近な周りに相談する

 パワハラは我慢していても解決しません。それどころかエスカレートする可能性があります。一人で悩まず、まず同僚や上司に相談しましょう。周りの協力を得ることで、パワハラを行う本人が自らの行為に気づく場合があります。

 2-3.会社の窓口や人事担当者に相談する

上司に相談できない場合は、人事部や社内相談窓口に相談しましょう。会社等の組織は、相談者が不利益にならないよう、プライバシーの確保を配慮することを求められています。

 2-4.外部の相談窓口に相談する

社内に相談窓口がない場合や、社内では解決できない場合は、外部の相談窓口に相談しましょう。参考までに、相談機関を上げておきます。

 

メンタルヘルスケア

 まとめ

様々な裁判事例を見ていただきました。気になる裁判はあったでしょうか。中には完全にパワハラであるものから、一見パワハラと言えそうだが、内部事情によりパワハラとは言えなかったり、そのまた逆もあります。

今回は第一審の判決のみのものでしたが、控訴審で逆転しているのもあり、裁判官や証拠によって、判決が変わるものもあります。それだけ、パワハラというものは判断が難しいと言えるでしょう。

もしあなたが、パワハラを受けていると感じるのであれば、我慢する必要はありません。

しっかりと記録をとり、上記の相談窓口に相談しましょう。なお、職場におけるハラスメントでは、モラハラとパワハラを混同しているケースがほとんどですので、詳しくはパワハラとモラハラの違いとは?職場で確認したい特徴と対策を参考にしてください。

なお、私は企業におけるハラスメント対策もまた、本質的な解決が可能だと考えています。メンタルケアおよびハラスメント対策をお考えの企業の方は、以下に無料相談のご案内をしておりますのでご利用ください。なお、私は企業におけるハラスメント対策もまた、本質的な解決が可能だと考えています。メンタルケアおよびハラスメント対策をお考えの企業の方は、以下に無料相談のご案内をしておりますのでご利用ください。

モラハラ夫と離婚する前に!後悔しないよう失うものを確認

モラハラ夫に離婚調停で慰謝料や養育費をごねまくられ、とにかく離婚したかったの『すべていらない!』と放棄したのですが、二人の子供を抱えての生活は困窮しています。解放されたとともに後悔しています。」

「モラハラ夫から生活費ももらえない結婚生活でしたが、離婚しても母子家庭では100均の化粧品がやっとです。ただ、嫌がらせをされないのだけが救いかな?」

「結婚してすぐから友達はもちろん、外で姉と会うことも実家に帰ることも許されないモラハラ夫で監禁生活のような状態が7年も続きました。離婚後、幸いなことに実家で生活ができましたので、私は後悔することなどまったくありません。今は自由です!」

夫からモラハラを受けたことが原因で離婚することも出来ますが、離婚したことによって得たものと失ったものがあると言えるでしょう。

モラハラ離婚後にはモラハラによる被害が一切なくなるので束縛されない自由な時間や自分の生活を手にすることが出来るでしょうが、モラハラを受けたことによる傷など様々なものが残ることもあるでしょう。

そこで今回のアンケートでは、モラハラで離婚した後に失うものと得たものは何かうかがってみました。

1.モラハラ夫との離婚で得るものと失う(後悔)もの!

アンケートの結果によると、ほとんどの人がモラハラ夫との離婚で自由を得ることが出来ますが、失うもの、後悔するものは様々だと回答していました。

・得るものはすっきりとした気持ちと自由な感覚。失うものは正直何もないから離婚をしようと思うのだと思います。(40代/男性/パートアルバイト)

・得るものは自由で、失うものは、子供がいるとすれば子供との絆。(50代/男性/会社員)

・得るものは自由と心の安定。モラハラをしたほうが失うものは周りからの信頼。(20代/女性/会社員)

・得るものは、自由な環境で、失うものは、だれかが一緒に暮らしているという安心です。(20代/女性/会社員)

・得るものは精神的な自由と、怯えなくていい日々、自分らしさを取り戻せることなどだと思います。失うものは結婚に対する信頼感、生活の安定、世間体などです。(40代/女性/パートアルバイト)

・得るものは精神的安心と自由だと思う。失うものがあるとしたら経済的安心。(20代/女性/専業主婦)

・心の自由と引き換えに、社会的不自由を得る。どちらにしても地獄。(30代/男性/会社員)

日常的にモラハラを繰り返す夫と離婚した時、常に辛い言葉をかけてくる日常から脱却することが出来るので精神的にも自由になれますが、その代わりに失うものは様々だと言えるようです。

夫はモラハラをしたことで周囲からの信用などを失うことになるでしょうが、子どもがいない場合だと離婚したら一人になってしまう恐れがあるので誰かと一緒にいる安心感や経済的な心配などかえって不安なことが多くなる恐れがあるかもしれません。

しかし、それ以上に誰にも束縛されたりしない自由な環境を得ることが出来るので新たな生活を始めることが出来るのではないでしょうか。

2.モラハラ夫と離婚するとき覚悟すべきこと!

「もう、夫からのモラハラに耐えられない!」

そう思ったとして、モラハラ夫と離婚するのは容易なことではありません。離婚を切る出したとき次のような試練が待ち受けています。

2-1.責任転換をして妻を追い詰める

「馬鹿じゃねぇの。お前の稼ぎで離婚したら生活できるわけないだろ!」

「今まで誰のおかげでこの暮らしができたと思ってるんだ…。恩を仇で返すのか!」

「これだから女は困る。ヒステリーもいい加減にしろ!」

 妻が離婚を口にしたとき、モラハラ夫は責任転換したり論点をずらしたりします。また、いつも以上に支離滅裂な言動に終始します。例え離婚のような真剣な話であったとしても、モラハラ夫と話し合いなどできないことを改めて承知してください。

2-2. 露骨に追い詰めてくることもある!

「離婚を口にしてから夫は生活費をくれません。」

「子供と実家に逃げ帰ったのですが、養育費をメールでお願いしても無視されます。」

 このように、離婚を切り出したことに対しモラハラ夫は露骨な報復処置をとります。生活費を渡さず経済的に追い詰める。そして前述したように「今まで誰のおかげで生活していたのか…」と妻を追い詰め、離婚を撤回するように仕向けます。

2-3.離婚に応じない!

「絶対に離婚はしない!」

 私のいただいてきた相談でも、ほとんどのモラハラ夫は「離婚をしない!」という一点張りです。もちろん前述したように話し合いはできませんから、今後、離婚を望むのならば淡々と次のような行動を起こすしかありません。

 3.モラハラ夫との離婚調停から裁判中における試練!

夫婦間の話し合いでモラハラ夫が離婚に応じることは、ほぼありません。そこで、離婚調停から裁判という流れになりますが、ここでも次のような試練が待ち受けています。

3-1.調停員がモラハラ夫に言いくるめられる!

「奥さん、ご主人は反省しているようですよ!」

「ご主人、良い人じゃないですか…」

 モラハラが広く知られるようになってからは少なくなりましたが、ほんの数年前まで、私がいただいた相談では「調停員が主人の味方になってしまって…」とか「どこのお宅でもよくあることですよ!」など、外面の良いモラハラ夫に丸め込まれているケースがありました。

 このように、モラハラに対する認識が足りない調停員にあたることもあります。

3-2.モラハラ夫は離婚裁判になるといろいろとごねる

「親権はゆずれない!」

「子供には毎週末会いたい!」

「財産分与はこうでなければ…」

 裁判になったからと言って弁護士におんぶに抱っこはできません。なぜなら、弁護士を通じて理不尽な要求が次々と届くからです。私の経験でも…

 「家は妻の希望で建てたのだから俺はいらない。残りの住宅ローンは妻が払ってほしいし、今まで払ったお金を返してほしい。」

「親権は妻で仕方がないが、子供たちは毎週末こちらで過ごすのが条件だ!」

 財産や子供がいる場合は親権、面会などで理不尽と思える要求が次から次へと弁護士からとどくことになります。そのため、裁判が長期化し、気持ちが休まることがないでしょう。

4.モラハラ夫と離婚後の試練!

離婚してモラハラ夫と離れることができたとしても、次のような試練と現実が待ち構えていますから、後悔する女性も少なくありません。

4-1.生活水準が低下する!

一般に、家庭の収入の多くはご主人の稼ぎで成り立っています。また、結婚後の女性の場合、パートなど扶養者控除の範囲内で働いているケースが多く、収入は月に7~8万円程度。このように、ほとんどの女性は夫の経済力に依存して生活をしています。

したがって、離婚後の女性はほぼ間違いなく生活水準が下がります。この現実を前提にすると、生活の困窮(貧乏生活)を送るなら「モラハラ夫との生活をガマンしたほうがマシ!」という選択肢もあります。

ただし、私はモラハラが解決できる問題だと考えております。解決を願う方は別記事「【モラハラは治せる】諦めないで!今日から出来るモラハラの治療方法まとめ」 をご覧ください。

4-2.子供との面会でもめる!

「今日は部活に行くって言ったじゃない・・・」

「風邪をひいたんだから仕方ないでしょ・・・」

離婚してもモラハラ夫は相も変わらず不機嫌です。そのため、子供の都合で面会ができなかったとしても、それをガマンできません。そのため、元妻に対し「約束と違う!」など、嫌がらせをすることがあります。

したがって、離婚時の面会などの取り決めも、子供の成長に応じて柔軟に変えることをお勧めします。

まとめ

このように、モラハラ夫との生活はもちろんですが、離婚後も茨の道であることに変わりはありません。そして、最終的にはご自分で決断をしていなければなりません。ただ、どちらを選ぶにしても後悔しないよう、覚悟を決めることがとても大切です。ふらふらした状態ですと、相手の圧力に屈してしまい、ますます状況を悪化させてしまいかねません。

例えば、離婚をしよう、と思って離婚を切り出したにもかかわらず、結局相手の圧力に屈して離婚ができなかったとします。この場合、相手は、ますますこちらを軽く見ますから、モラハラは益々ひどくなってしまいます。

また、一緒に暮らすと決めた場合にも、耐えきれなくなって、暴力などを振るってしまえば、今度はこちらがDVの加害者扱いをされるなど、ますます状況は悪化してしまうことは明らかです。

いずれにしても、状況を改善していくためには、強い覚悟が重要です。

 なお、モラハラで離婚をお考えの方は別記事「モラハラは離婚をするしかないの?悩んでいたらぜひ読んで欲しいモラハラ離婚まとめ」をお役立てください。

モラハラは被害者の人生を台無しにするほど、とても大きな問題です。一人で悩んでいても解決できませんから、真剣に解決を望んでいる方は以下の小冊子をお役立てください

■調査地域:全国

■調査対象:年齢不問・男女

■調査期間:2015年10月06日~2015年10月20日

■有効回答数:100サンプル

 

パチンコ依存症の原因と対策・治療方法とは?【まとめ】

「パチンコに勝って帰るととてもご機嫌!

パチンコに負けたとき、すごく不機嫌!

だから、パチンコに行ったかどうか?すぐにわかります。

わかりやすいんですよ。パチンコ依存症ですから。(笑)」

 こんなコメントをくれたのはある40代の男性のお母さん。息子さんは20代でパチンコにはまり、20代後半からサラ金で借金を重ねました。ご家族が借金をしてまでパチンコに行っていたことに気づいたのは、息子さんが30歳のとき。あまりの金額に、この男性は自己破産をしたそうです。

 しかし、それでもパチンコ通いは止まりません。もちろん、ご家族は何度も息子さんと話し合いをしました。なぜなら、パチンコ依存症の原因は「気持ちの問題」だと思っていたからです。

そういった話し合いをしたとき「もう行かない!」と、その場では口にするもののパチンコに通い詰める息子さんに、このご家族は殺伐とした毎日を過ごしていたそうです。

 そんなとき、「知人から紹介された」と私を訪ねてきたわけですが、今もこの男性はパチンコに通っています。ただし、冒頭のようにお母さんが笑って「パチンコ依存症ですから…」と言えるレベルになりました。

 なぜなら、男性は給与がでるとそれをすべてご両親に預け、毎日1,000円の小遣いを受けとっています。そしてその範囲で飲み食いや交際費を使い、残ったお金で0.5円パチンコに通っています。

 「前のように、仕事帰りにパチンコ通いをすることはありません!」

「休日、何もやることがなくてヒマだと、どうしてもパチンコに行っちゃうんですよね。」

 さて、パチンコ依存症の原因は何なのか?また、パチンコ依存症でお悩みの方、ご家族の方はこの記事をお役立てください。

 1.脳が原因!誰もがパチンコ依存症になる可能性がある

フトしたきっかけでパチンコに通い、パチンコにはまってまった人がほとんどである。この事実から、誰もがパチンコ依存症になる可能性がありますが、それは次のような脳の働きが原因です。

 1-1.パチンコ依存症の原因その1.パチンコに勝つと快感物質ドーパミンが放出される!

パチンコに勝つと、脳ではドーパミンが放出されます。このドーパミンは「快感物質」と呼ばれ、おいしいものを食べたり、趣味を楽しんだり、快楽を強める薬物(麻薬など)を摂取するとき必ず放出されます。

 重要なのは、このドーパミンは「予期報酬」が働くとより多く分泌されること。そして薬物などの摂取でも放出されるという事実です。

 パチンコをして儲かった。この快楽を経験すればするほど、「パチンコに行けば儲かるかもしれない!」と想像するだけでドーパミンがドバっと分泌されますから、その強力な欲望に負けてしまうことになります。パチンコにはまるのは、このドーパミンによる強い快感が原因です。

 1-2.パチンコ依存症の原因その2.ドーパミンは勝った記憶を呼び覚ます

梅干しを見ていると、口の中に唾がたまります。

甘いものが好きな人なら、ケーキを見てもよだれがこみあげます。

 このように、ドーパミンは何かを思い出す「合図」と結びつきます。パチンコ屋さんで流れる軍艦マーチ、騒がしい音などはもちろん、ありとあらゆる情報によりドーパミンの分泌量が増え、パチンコの情報を記憶から呼び覚まします。

 そしてまた、「パチンコに行けば儲かるかも…」と想像しただけでドーパミンの分泌量はさらに増えることになります。つまり、ドーパミンの分泌量が増えることで、それが記憶と結びついてパチンコのことを呼び覚ますことになる。これが、些細なことでパチンコに行きたくなる原因となります。

2.欲望を抑えられないのがパチンコ依存症の原因

ドーパミンは、その快楽の経験回路を刺激します。「パチンコに行けば儲かる(かも)。」という行動を強いるため、その欲望は意思の力だけでは簡単には太刀打ちできません。「意思<欲望」意思が欲望に勝ることがパチンコに依存する原因となります。

 2-1.前頭葉から発せられるのは「理性の声」

人間以外の動物にはない、論理的な思考ができる部位は前頭葉にあります。ここは自分に害を与えるものについて「やめなさい!」という意見を発してくれます。

 パチンコ依存症の人もまた、誰もが「パチンコは良くないこと!」だとわかっているのも、この前頭葉の「理性の声」があるからです。

 2-2.理性の声と欲望の力関係

「パチンコに行けば儲かる、こともある。しかし、パチンコをやり続けたらお金をドブに捨てることになるし、このままでは生活に支障が出る。」

 前頭葉は、儲かるという報酬を得た場合にもたらされる結果をシミレーションできます。そのため、「やめなさい!」という理性の声を発するのですが、パチンコ依存症の人はその声を無視します。つまり、理性の声を欲望が上回るからパチンコ依存症になります。そして、それは次のことが原因です。

 2-2-1.若者がパチンコに依存しやすいのは前頭葉が未成熟だから

前頭葉の発達は幼児期からはじまりますが、その成熟は20代半ばまで時間がかかります。そのため、パチンコをはじめる年齢が若ければ若いほど「理性の声」をうまくコントロールできず、ドーパミンの欲望に負けてしまうことになります。若ければ若いほど、理性を欲望が勝ることになることもパチンコ依存症の原因のひとつです。

 2-2-2.栄養が不足すると欲望に溺れる

あまり知られていないことですが、栄養が不足すると情緒が不安定になります。餓えた獣がイライラしているように、人間もまた栄養が不足するとアドレナリン(不安・恐怖)とノルアドレナリン(怒り・イライラ)が分泌されることで、気分に浮き沈みが現れます。

 日中、パチンコをしている人は昼食をジャンクフードやコンビニ弁当、パンなどで済ませる傾向があります。また、仕事帰りなら、空腹も満たすことなくパチンコに夢中になります。

 こういった食生活の乱れや睡眠不足は栄養不足につながりますから、情緒が不安定になり「理性の声」をコントロールできなくなります。そのため、欲望が理性の声にまさってしまい、これもまたパチンコ依存症の原因のひとつです。

 3.パチンコ依存症になる人の3つの特徴

パチンコに依存する人には、大きく次の3つの特徴があります。

 3-1.ヒマを持て余していることも原因の一つ

・友達が少ない

・他に楽しみがない

 友達が少なかったり趣味がない人にとって、休日はヒマです。楽しみがないので、たった一度でもパチンコで勝ってしまうと、ついフラフラとパチンコ屋に足が向いてしまうようです。そしてヒマだからこそ、フトしたきっかけでドーパミンがパチンコの記憶を呼び覚ますことになります。ヒマで他に楽しみがないこともまた、パチンコにはまる原因のひとつになります。

 3-2.パチンコ屋が近くにあることも原因のひとつ

・近所にパチンコ屋がある

・帰宅途中にパチンコ屋がある

 パチンコ屋さんがなければパチンコはできません。また、車で1時間以上かかるような遠方なら、そうそう足を運ぶことができません。逆に、簡単に通えるところにあるからこそ、パチンコにはまることになります。環境要因もパチンコ依存症の原因のひとつになります。

 3-3.不安や不満、イライラしているのも原因のひとつ

・やたらと不平不満を口にするヒト

・夫婦仲がうまくいっていない人

・仕事などで強いストレスを感じている人

 ふだんから強いストレスを感じていると、どうしても現実から目を背けたくなります。イヤなことを考えずにすみ、大当たりが期待できるパチンコに通いたくなります。また、こういった方々は、パチンコを続けるため、ジャンクフードやカップラーメンなどで食事をすませる傾向があります。

家庭環境や仕事のストレスもまた、パチンコ依存症の原因のひとつです。

 4.パチンコ依存症の治療方法

前頭葉の「理性の声」が欲望(ドーパミン)に勝れば、「遊び」の範囲でパチンコを楽しむことができるようになります。また、他に楽しみをもてればパチンコをやめることもできます。

 冒頭の男性は、パチンコのために夕食はコンビニでカップラーメンやコンビニ食という生活を続けていました。そのため、サプリメントで栄養を補うようにしていただきました。

 その結果、ご家族から「息子が落ち着いてきた」という報告をいただき、今後について話し合いをしていただきました。すると、本人から「お金の管理をお願いしたい!」という申し出があり、また自分で「1日1,000円しか持ち歩かない」と決めました。

 栄養が満たされると、この男性の言葉遣いや態度はとても落ち着きました。そのため、ふだんは仕事のため一切パチンコに行くことなく、家庭でも明るく元気にすごせています。ただし、この男性の仕事は休みが不定期なため、どうしても1か月に2~3日はひとりで過ごすことになります。

そんな日は、スポーツジムや日帰り温泉などで過ごすようにしていますが、それだけではどうしても時間を埋めることができず、0.5円パチンコに出掛けてしまうそうです。

 食生活に問題がある方は、十分に栄養をとるようにしてください。なお、パチンコ依存症の方は「仕事ではやる気がなくミスが多い反面、パチンコに行く時間になると元気になる」といった新型うつ病とよく似た傾向があります。

 したがって、その治療方法は別記事「新型うつ病5つの特徴と対策方法」 を参考にしてください。

 まとめ

パチンコ依存症の原因が単に性格の問題でないことは、この記事でお解りいただけたことと思います。そして「パチンコに勝った!」ことによるドーパミンの放出とその経験があれば、誰もがパチンコ依存症になり得ます。

 

すでにパチンコにはまってしまった人。そのご家族は、ぜひこのアプローチをお試しください。きっと、パチンコ依存症を解決できます。