強迫観念と強迫行為|正しく理解したい強迫性障害の症状とは?

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強迫性障害 症状

「家の戸締まりがちゃんと出来ているのか気になって何度も確認してしまいます。先日はドアノブを動かしすぎて壊してしまいました。」と相談にいらしたのが40代の主婦(Kさん)です。

 Kさんは子供の頃から心配性だったそうですが、30代に入ってから心配性がだんだんとひどくなり、30代後半頃からは戸締まりに関しては、自分でも異常と思えるほど気になるようになりました。

 そして40代に入ってからは、ドアが閉まっているのかを確認するために、ドアノブを何度も動かして確認するようになって、ドアノブを壊してしまうまでになってしまいました。これは何とかしなくてはと思い、相談にいらしました。

 このKさんの行動は強迫性障害と呼ばれる症状です。今回は強迫性障害の症状について詳しくお話ししたいと思います。

1.強迫性障害の症状とは?

強迫性障害の特徴は、本人自身が自分の考えや行動が奇異であったり、不条理であるという自覚を持っています。しかし、本人にとってはこれらの考えや行動は高まる不安を和らげたり、打ち消すための行為です。ばかばかしい、過剰である事を自ら認識してやめたいと思いつつも駆り立てられてしまい考えたり、行動してしまいます。

 この強迫性障害の患者数と有病率は50人~100人に1人、日本人の総人口に換算すれば100万人の患者の存在が推定されています。珍しい疾患ではなく、家族、知り合いなので発症している方がいてもおかしくない人数です。

 そのためにも、この強迫性障害をよく知っていただきたいと思います。

参考文献:強迫性障害|疾患の詳細|専門的な情報|メンタルヘルス|厚生労働省

1-1.強迫観念

「人が触ったものが汚く思えてしまいます。それが他人ならまだしも家族でも同じように感じてしまい、手を触ることも出来ません。」と相談にいらした30代の女性(Yさん)がいました。

 このように、本人の意志とは無関係に頭に浮かぶ、不快感や不安感を生じる考えを強迫観念と言います。強迫観念は普通の方にもみられるものですが、普通の方はそれをたいして気にせずにいられます。しかし、強迫観念の患者さんの場合は、この思考が長く続くために強い苦痛を感じてしまいます。

1-2.強迫行為

先ほどお話しをしたYさんですが、人が触ったものが汚く思えてしまい、手洗いを一日に何十回もしていました。直接触ることも出来なり、ティッシュや手袋をして物を触る様になっていました

 不快な存在や強迫観念を打ち消すために行動をしてしまう事を強迫行為と言います。これをやめると不安や不安感がともなうために、なかなか止めることは出来ません。周囲からみても全く理解が出来ない行動でも、本人には何かしらの意味があります。

2.強迫性障害の原因

強迫性障害では、その原因や発症に関わる特異的な要因は、いまだに特定はされていません。

 しかし、多くの患者さんが、対人関係や仕事上のストレス、妊娠・出産などのライフイベントが発症の契機となっているようです。これらによってセロトニン・ドーパミンといった神経伝達物質とする神経系に機能異常が推定されています。

 私は長年の相談の経験から、神経伝達物質の機能異常が「脳の栄養不足」と「体調不良」からおこると考えています。

2-1.脳の栄養不足

神経伝達物質であるセロトニン・ドーパミンは脳の感情物質です。そしてこれらの感情物質は食べたものから作られています。

 脳の感情物質には、興奮・抑制(リラックス)・調整感情物質の3つがあります。そしてこの3つの感情物質がバランス良く働いている時に私達の感情もうまく働くようになっています。逆に、このバランスが崩れる事で脳は興奮しやすくなります。そしてこのバランスが崩れる原因が栄養不足です。

 患者さんでご来店された、Kさんの場合は、30代前半に出産を期に症状が悪化していきました。また、Yさんの場合は結婚して食事内容が変わってから症状が発症しました。二人共ライフイベントが発症の契機となっています。

 また、ライフイベントである出産では乳児の世話で特に母親などは食事は適当になりがちです。また結婚することで食生活がガラッと変わってしまうことも不思議ではありません。それによって今までとれていた栄養が不足することもあります。

 栄養が不足することで、作られなくなるものが脳の感情物質の抑制感情物質と調整感情物質です。興奮感情物質は、栄養が不足することでストレスとなり逆に多く作られるようになります。

 そのため、脳が興奮しやすくなり、ノルアドレナリン・ドーパミンといった感情物質が多く作られます。ノルアドレナリンは不安・緊張をおこします。そしてドーパミンは依存やこだわりが強くなります。

 この2つの感情物質が強く出ることで、強迫性障害になると考えられます。

2-2.体調不良

強迫性障害の方の多くの人達は体調不良を持っています。その体調不良とは病院で検査をおこなっても原因不明・ストレス・自律神経失調症などといった病院では対処の出来ない体調不良がほとんどです。

 この体調不良が強迫性障害をさらに悪化させることになります。というのもちょっとした倦怠感でも人はイライラしたりしてストレスを感じます。このストレスに対抗しようとして、脳の興奮物質であるノルアドレナリンやドーパミンが放出されます。

 倦怠感だけでも脳の興奮物質が放出されるのですから、さらに多くの体調不良があればどれだけ脳の感情物質は放出されることでしょうか。

 実際に私が相談を受けたことがある患者さんたちの代表的な体調不良をあげますと

・慢性疲労
・倦怠感
・胃腸障害
・頭重頭痛
・めまい
・睡眠不足

などがあります。

 これらの体調不良によってさらに強迫性障害が悪化していると考えています。

3.強迫性障害を改善する

ここからは私のもとに相談にいらした患者さんたちをどうやって改善していたのかをお話ししたいと思います。

3-1.栄養を過剰に補給する

私達の感情が正常に働くためには栄養が必要です。特にアミノ酸・ビタミン・ミネラルは脳の感情物質をつくる時に必須のものです。これらの栄養補給をすることがとても重要だと考えています。

 病院で強迫性障害に使われるSSRI剤、クロミプラミンといったものがありますが、これらの薬は脳の中のセロトニンを外に出さないようにする薬です。この薬で効果があまり出ない方もいるのですが、その理由は身体の中のセロトニンが少ないからではないかと考えています。

セロトニンは生体リズム・神経内分泌・血管の緊張を調整する物質です。脳の調整感情物質です。感情がコントロール出来れば脳の暴走は少しでも治まります。そのためも、リラックスする感情物質と調整感情物質であるセロトニンを身体に作る必要があります。

 だからこそアミノ酸・ビタミン・ミネラルを多くとることが重要だと私は考えています。食事内容はアミノ酸が多く含まれている発酵食品をとることをおすすめしています。ですから特に発酵食品の多い和食中心の食事がお勧めで、中でも味噌汁は重要だと考えています。

しかし、食事だけで栄養を取り切れないのが事実です。というのも強迫性障害の方たちは胃腸の働きは低下しています。食欲があまりなく、胃腸が弱くなっています。普通に食事をとっても栄養が吸収される率は少なくなります。

 そのため、私はお客様にこの食事を続けていただいた上で、さらにサプリメントで栄養を補っていただいています。コップに水を入れても、それが溢れだすまで水はこぼれません。長年にわたる栄養不足の影響は、ある瞬間にパニック障害としてあらわれます。私は、そういったことの積み重ねが体に大きなダメージを与えていると考えています。

3-2.体調不良を改善する

さきほどもお話ししましたが、強迫性障害の方は様々な体調不良で苦しい思いをしています。この苦しい思いがストレスとなってさらに強迫性障害を悪化させることになります。そのためにはこの体調不良を改善することが重要になります。

 この体調不良は病院の薬ではなかなか改善されません。私はこの体調不良を漢方薬で改善しています。

漢方薬は症状よりも体質に合わせることの方が重要と言われています。例えば胃腸虚弱に効果のある漢方薬といっても様々な種類の漢方薬が存在します。同じ胃腸虚弱でも、むくみの症状がある人と、ない人だけでも漢方薬は変わってきてしまいます。

私が漢方薬を選ぶためにしていることは、

◯望診 患者の顔色、肌の状態、動作、舌の状態を診る
◯聞診 しゃべり方、口臭、体臭
◯問診 患者さんの話、訴えを聞く
◯切診 脈、腹部の状態、その他身体の状態を触診(薬剤師は患者さんの身体をさわれないのでご本人にやってもらいます)

の4つです。

 上記4つから得られた情報から、その患者さんに最も適した漢方薬を処方しています。少なくとも上記の事を踏まえた上で選んでくれる医師、薬剤師等に相談されるのをおすすめします。

4.まとめ

強迫性障害の症状は本人にとってはこれらの考えや行動は高まる不安を和らげたり、打ち消すための行為です。ばかばかしい、過剰である事を自ら認識してやめたいと思いつつも駆り立てられてしまい、考えたり行動してしまいます。

 家族や友人などのその方の周りの方は、本人の意志ではどうしようもない事だということを理解していただきたいと思います。周りの方は振り回されている事で苦しむこともありますが、それ以上に苦しんでいるのが本人だからです。 

本サイトは私の実務経験に基づいた考察をご紹介しています。また、解説する病気の症状は典型的なものを紹介しています。記載された症状がその病気をもつすべての方に当てはまるわけではありません。治療法その他についても、あくまでも自分でできうる対処と医療における代表的なもののみを掲載しており、治療法すべてを網羅するものではありません。病気の診断および治療に関しては、必ず医師による説明を受けるようにしてください。

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