介護職離職をゼロにするためには~その現状と3つの対策~

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介護の問題、それはいまや日本人全体の問題となってきました。

2015年に国は、1億総活躍社会に向けた介護離職ゼロの具体策として、特別養護老人ホームをはじめとした介護施設を増やすことを明言しました。つまり、介護を施設に任せて介護離職による経済的損失を止めようというわけです。しかし、それだけで解決する問題ではありません。

今回の記事では、介護離職をゼロにするための対策についてご紹介いたします。

1.介護離職をゼロにするには介護施設を増やすべきか

介護施設が増えることで介護離職は減る。これはつまり、受け入れる施設の数が増えれば、そこに入ることのできる対象者も増え、その対象者を介護するために離職しなくて済むという、いたってシンプルな理屈です。

しかし、そこには大きなデメリットもあります。それは介護職員の待遇悪化です。

1-1.介護施設増加に伴うデメリット(1)従業員のコストカット

介護施設とは、公的な施設を除けば、あまりに「利」に走ってはいけない施設でもあります。そこにあるのは福祉施設ですから、薄利多売で入居者を受けいれるなどあってはなりませんし、そんな施設はほとんど存在しません。

しかし、政府の方策によって、介護施設がどんどん増えればどうなるでしょうか。

もちろん需要に対する適切な供給がなされるのであれば問題はありませんが、政府の方針で決まると、一気にその方向に動き出す可能性もあり、そうなれば高齢者の奪い合いが始まりかねません。

その結果そこに待っているのは、商売としての介護施設の姿です。そして、そこで起きることは、コストカットであり、まず初めにカットされるのは「従業員の給与」なのです。

1-2.介護施設増加に伴うデメリット(2)介護職員不足からくる人手不足

介護施設が増えれば、当然介護職員の数も増えなければいけません。

しかし、介護職員の数は当然現状でも不足していますし、このように介護施設がたくさん必要になるのも介護離職が起こるのも、日本が「少子高齢化」だからです。つまり、少子高齢化が招く労働力不足は、介護職も例外ではありません。

介護施設が増えることで起こる介護職の人手不足は避けることはできません。そしてその結果、介護の現場では介護職員の負担が増え、介護の質が低下してしまいます。人手不足になれば負担が増え、なんでも雇ってしまえとなると質は落ちる、これは当然の結果といえます。

ここまでの話から、介護離職ゼロへ向けた取り組みである介護施設の増加は、効果はあるものの介護施設や介護職にある人に多大な負担を強いるということです。

結果、親の介護ではなく人手不足による業務負担増による介護離職が増えてしまうため、介護離職ゼロへの逆効果になってしまいます。

では介護離職をゼロにするためにはどうしたいいのでしょうか?

2.介護離職をゼロにするためには

先ほど、介護施設という受け皿を増やしたとしてもかえって逆効果になってしまうとお話しました。

そうなれば介護施設の中身、つまり職場環境を改善することが介護離職をゼロにとって重要だと考えられます。

2-1.介護職離職をゼロにする対策(1)教育

まず一番初めに行うべきは「教育」です。

介護職の数を増やす方策としては、いまいちと思われるかもしれませんが、しかし、過酷な職業であるほど、職員への「教育」で仕事への自信やプライドを持たせることは重要です。

施設の取り組みとしては、施設のコストで職員に教育を施すことです。

職員の技術向上と能力向上、そして誇りと自信の形成に、施設がどれだけコミットできるかは、重要な要素です。

2-2.介護職離職をゼロにする対策(2)介護という仕事の満足度の向上

介護職への就職希望者の少なさ、その一番の原因は、介護職の持つマイナスイメージです。

介護職はいわゆる「3K」=「きつい・きたない・かっこわるい」というイメージで語られ、しかもそこにもう一つKがついて「きつい・きたない・かっこわるい・給料安い」とまで言われています。

しかし、ご存知のように介護職とはそんな職業ではありません。もちろんきついですが、そこにはやりがいも達成感もあり、介護職としてのスキルを身に着けることで将来への展望を持つこともできる職業です。

大事なことは、そのイメージを払拭する唯一の方法である、現役の介護職員が満足感を持って働く姿を見せることなのです。

介護施設では、どうしても施設利用者の満足度にばかり目が行きがちです。しかし、これからの社会においては、介護職にある人、その人の満足度の向上も重要なポイントなのです。

2-3.介護職離職をゼロにする対策(3)業務の効率化

介護職や介護施設は、介護保険課で運営されているならなおさら、コンプライアンスの重視は必須です。

そしてこのコンプライアンスを重視しなければいけないという状況が、日々の仕事より煩雑にし、普通の仕事よりも多くの手間がかかることになってしまいます。しかも介護はもともと手間のかかる仕事です。

とはいえ、経営の効率化というのは、自分たちではよくわからなくても、外部の人の目を通すと見えてくることがある、ということもあります。介護職の人の数が増えないのであれば、少人数でも負担増にならないように効率化する、というのも大切な方法なのです。

3.まとめ

介護離職ゼロを目指すためには、介護職の待遇改善は不可欠だとご理解いただけたと思います。

もちろんこれは各施設の取り組みだけでなく、国による取り組みや社会のコンセンサスなども重要になってきますが、それを待っていては始まりません。

各介護施設が、先陣を切って対策に乗り出す。介護離職ゼロ社会に向けて、まず求められるのは、介護施設による介護職の従業員への待遇改善からなのです。

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