エンジニアにうつ病が多い原因は?労働環境から考える。

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エンジニア うつ病

「仕事のことを考えるとひどく憂うつになる」

「気分が落ち込んだままでやる気がまったくでない」

そのような症状を抱えている人が我が国にはたくさんおられます。このような気分になることは誰しも経験があるものですが、このような症状が続いてしまう「うつ病」には十分注意が必要です。

厚生労働省のデータによりますと、長い人生においてうつ病を経験する人の割合は、3%~16%であるという高い数値が発表されています(参考:みんなのメンタルヘルス 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_depressive.html)。つまり、うつ病を経験することは、決して珍しいことではないと言い換えることができるのです。

いまエンジニアにもうつ病が多いと言われます。

過酷な長時間労働、強いストレス、睡眠不足・・・

そのような現状を打開することができずに、うつ病を発症させてしまうのです。

うつ病とはどういう病気で、どのようなプロセスによって発症するのか確認していきながら、エンジニアの労働の現状とうつ病の関係性についてお伝えします。

1.エンジニアになぜうつ病が急増しているのか

うつ病とは、日常生活に支障が生じるほどに気分が落ち込んだり、意欲がなくなったりする状態のことをいいます。どんな人でも気分が落ち込んでしまうということはありますが、なぜ重い状態にまで至るかについては、まだまだ完全に理解されていない病気です。

うつ病は、自分自身で気付くことができないことも少なくありません。憂うつな気分が続いていたり、疲れやすく何をするにもおっくうになってしまうのであれば、うつ病が始まっているサインかもしれません。

これらの症状は一時的な体調不良や疲れからくるものと捉えがちです。しかし脳のエネルギーが足りずに、欠乏した状態が続いていることから引き起こされますので、ほったらかしにしておくとさらに状況がひどくなってしまうことがありますら注意しなければなりません。

2.エンジニアになぜうつ病が急増しているのか

うつ病が発症してしまう原因はひとつのものではなく、さまざまな要因によって引き起こされるものであると考えられています。発症のきっかけはつらい出来事など生活の一場面なのかもしれませんが、実はそれ以前から少しずつさまざまなことが重なり合っていることがほとんどです。

特にエンジニアの場合であれば、発症のきっかけとなるものに「環境要因」があり、長時間労働であったり、ノルマへのストレスであったり、人間関係のトラブルなどがそれに当たります。

ただし環境だけがうつ病を引き起こすものではありません。エンジニアにはとても生真面目な人が多く、仕事熱心、几帳面、完璧主義といった、仕事に対する真摯な姿勢が環境要因を増幅させてしまっていると言えるのです。

「体がおかしい」と何気なく感じているとしても、生真面目なだけに「頑張らないといけない」「納期に間に合わせないといけない」と、さらに追い打ちをかけてしまいます。

3.エンジニアの労働環境の現状

Tech総研が行ったエンジニアへのアンケートがあります(参考:エンジニア的残業☆生態図鑑)。

このアンケートではエンジニアの退社時間について尋ねています。

回答には4パターンありますが、その以下のような結果となっています。

1、定時~19時に退社:28%

2、19時~21時に退社:41%

3、21時~23時に退社:28%

4、23時以降に退社:3%

この結果についてはいろいろな受け取り方があるかもしれませんが、退社時間が21時以降になっている人は、おおむね3割程度おられることが分かります。

定時が18時までとすると、21時~23時に退社している1日3時間以上5時間未満の残業では月間で約60時間以上100時間程度となります。23時以降に退社しているという3%の人であれば、1日5時間以上の残業となり、月間で約100時間以上となっています。

ちなみにうつ病などの精神疾患による労災申請が年々増えている状況で、2016年には1500人を超えています。労災と認められるには条件が必要となりますが、発病前の1か月に160時間以上残業していることや3ヶ月にわたって100時間以上の残業がある場合であれば、認められる条件となっています(参考:厚生労働省 精神障害の労災認定)。

これらの状況を見ると、エンジニアの多くはうつ病を発症させてしまう可能性がある労働環境にあることになり、労災認定を受けるほどの強いストレスのなかで働いている人も少なくないことが分かります。

4.健康的に働き続けるために

4-1.企業側には36協定に対して高い意識を

エンジニアは昔から過酷な労働環境にあることが指摘されてきました。現在においても、まだまだ労働環境が改善されたとはいえない現実があるようにも思えます。

しかしどれだけ仕事があるにせよ、エンジニアに無尽蔵に残業させていいはずはありません。労働基準法において、残業時間については厳しく取りきめられています。

企業側においても昔から続くエンジニアに対する労働イメージをなくすために、36(さぶろく)協定を労働基準監督署に届け出ているところが増えています。

36協定とはエンジニアと企業が結ぶ労働契約の一つで、この協定を結ぶことによって残業させることができるようになります。この協定を結ばなければ、エンジニアに原則1日8時間、1週40時間を超える労働をさせることはできません。

36協定を結んでいる場合、1か月で45時間以内、1年で360時間以内の残業をさせることができるようになります。特別条項によって1か月100時の残業が認められることもありますが、この範囲であれば健康的に働くことができるとの国の考えも分かるでしょう。

もちろん1か月に45時間以内の残業であればうつ病にならないというものではありませんが、エンジニアが健康的に働くための指標としてこの36協定の意識を高めていくということはとても大事になります。

4-2.エンジニアへのメンタルヘルスに関心を

Tech総研が行ったエンジニアへのアンケートに、企業のメンタルヘルスの取り組みについて尋ねているものがあります

(参考:エンジニアのうつ病と職場のメンタルヘルス)。

近年、うつ病を発症する人が多くなり、大企業のほとんどでは従業員の健康維持のためにメンタルヘルスに取り組んでいます。3000名以上の企業では94.6%、1000人以上3000人未満の企業では86.2%という高い数字となっています。

しかし1000人未満の企業では50.6%にとどまっている現状があり、エンジニアへのアンケートでもメンタルヘルスが実施されていると答えた人が35%となっています。

その反面、「かなり必要性が高いと思う」と答えた人が63%にのぼっており、「自分には関係ないが必要だと思う」を合わせると実に89%にまで達しているのです。

5.まとめ

冒頭にもお伝えしましたが、うつ病は自覚することができない場合や周囲の人が気が付かないということも少なくありません。

そのため、エンジニアが体から発信している信号をいかにキャッチしていくか、その取り組みが不可欠なのです。

エンジニア自身も「何かおかしい」「疲れが取れない」「意欲がわかない」など気が付いたのであれば、十分に休息を取るような働き方を考えていかねばなりません。今一度、自分自身の働き方について、見直してみるべきでしょう。

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