知らなかったでは済まされない!アルコール依存症の離脱症状について

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「手が震えてしまう…」
「まったく眠れない…」
「吐き気がひどくて…」

アルコール依存症の患者さんが断酒をすると、離脱症候群(以下、離脱症状)というとても不快なさまざまな症状を經驗します。手の震えは、俗に「アル中の禁断症状」と呼ばれたものですが、離脱症状は不眠や吐き気など人によりさまざまな苦痛として体に表現されます。

実は、断酒をするずっと以前から、ほとんどのアルコール依存症の方がこの不快症状を経験しています。例えば前の晩にお酒を飲み、仕事中にアルコールがきれてきたときこれらの不快症状が現れます。

それが苦痛であり、お酒を飲めばその苦痛が消えるためにますますお酒を飲む。こんな負のスパイラスが繰り返されるため、患者さんはさらにアルコール依存することになります。また、それがアルコール依存症をさらに進行させることは、私が指摘するまでもないでしょう。

こういったことから、アルコール依存症の治療において離脱症状についての正しい理解はとても重要であることがご理解いただけることでしょう。ぜひ、この記事をお役立てください。

1.アルコール依存症の離脱症状とは?

健康な方はお酒を飲んだ翌朝、お酒が残っているとダルさや吐き気などが起こります。一方で、アルコール依存症の患者さんはアルコール濃度が下がると手の震えや吐き気、幻覚等の症状が現れます。

これら自律神経症状を離脱症状と呼びますが、離脱症状は「早期離脱症状」「後期離脱症状」と大きく分けて2つにわけることが出来ます。

1-1.早期離脱症状

お酒を飲んでわずか数時間。アルコールの血中濃度が低くなっただけで現れるのが早期離脱症状で、次のような自律神経症状や情緒障害(精神状態が不安定)が起こります。

・自律神経症状:手や体の震え、発汗(特に寝汗)、不眠、吐き気、嘔吐、血圧の上昇、不整脈など
・情緒障害:イライラ、不安感、集中力の低下、幻覚(虫の幻など)、幻聴など

これらの症状には個人差があります。例えば手の震えですが、はっきりと手が震えてしまう
人もいますし、何もしていないときは気づかずコップのようなものをもった時に震えがわ
かる人もいます。これは他の自律神経症状や情緒面でも同じです。

1-2.後期離脱症状

後期離脱症状。といっても、こちらも断酒後わずか2~3日で現れます。また、後期離脱症状も自律神経症状と情緒障害が起こります。

・幻視:現実にはないもの(見えるはずのないもの)が見える
・見当識障害:自分がいる場所や時間がわからなくなる
・異常興奮
・発熱や発汗(寝汗をふくめ)、体の震え

後期離脱症状もまた、前期離脱症状と同じように個人差があります。なかには「虫が体を這いまわっている」とか「人がいて話しかけられた」など、幻視と幻覚が入り混じったようなせん妄と呼ばれる症状が出るケースもあります。

2.アルコール依存症の離脱症状がおきる理由

私たちの体では、アミノ酸やビタミン、ミネラル、酵素などを利用し、さまざまな化学反応が断続的に起きています。重要なのは、私たちの体の化学反応が、これらの栄養素が〝すべて″かつ〝十分″にあってはじめて正常に機能するという事実です。これを前提に読み進めてください。

2-1.離脱症状がおきる理由その1.お酒を飲み続けると耐性ができる

はじめは少ししか飲めなかったお酒も、付き合いを重ねるうちどんどん飲めるようになった。そんな経験をした人は少なくないでしょう。これは、アルコールを体内で処理するシステムがつくられたことが理由です。

体は異物の処理を最優先します。アルコールはもちろんですが、その代謝産物であるアセトアルデヒドは体にとって猛毒です。そのため、体はそれを排泄するシステムをどんどん強化します。その結果、お酒に強くなります。そしてこれを耐性がついたと呼びます。

2-2.離脱症状がおきる理由その2.  耐性ができると、血中アルコールははやく処理される

アルコールに耐性ができると、アルコールを代謝する速度がはやくなります。そしてアルコール依存症では、常に血液中のアルコール濃度が高くなりますから体はその処理をできる限りはやく処理しようとします。そして、これが体にとってふつうの状態となります。
このとき、お酒を飲むことをやめたとしましょう。しかし、体はアルコールの処理を最高速で続けますから、短時間で血中アルコール濃度が下がります。アルコール濃度が高い状態がふつうになっていた体にとって、これは違和感となります。そしてこれは、飛行機で考えるとよくわかります。

飛行機は高度1万メートル以上を飛んでいます。このときがアルコール依存状態で、血液中にはたっぷりとアルコールがあります。そんなとき、低気圧などで気流が乱れ突然、ジェットコースターが落ちるようにフワッと高度が落ちることがあります。

同じように、血中のアルコール濃度が急に下がると、脳や自律神経も違和感を感じます。また、脳はその情報を前提に体に指令を送りますが、このときある重大な問題が生じます。

2-3.離脱症状がおきる理由その3.  ガス欠になれば体は正常に動けない

大気が乱れ、飛行機がフワッと高度が落ちたとしてもジェットエンジンの力で通常の飛行状態に回復できます。しかし、アルコール濃度が下がったとき、脳や体は正常に運転できなくなっています。なぜなら、アルコール依存症の方はみな、極度の栄養失調だからです。

体には60兆個もの細胞がありますが、これらひとつひとつは血液中から酸素やブドウ糖、ビタミンB群などを利用してエネルギーを作り出しています。また、組織の修復や神経の働き、脳の活動にはアミノ酸やビタミン、ミネラル、酵素などが必要です。

ガス欠の飛行機は飛べません。また、灯油がなくなる寸前の石油ストーブは不完全燃焼を起こします。同じように、慢性的な栄養失調であるアルコール依存症の患者さんが断酒をしたとしても、ガス欠で脳や体は正常に動けません。離脱症状の原因のひとつは、この慢性的な栄養失調にあると考えられます。

3.アルコール依存症の人が断酒をするときの対策

アルコール依存症の患者さんが断酒をするとき、とくに早期離脱症状は強い苦痛を伴います。また、断酒を続けることができない主な原因もこの早期離脱症状にありますから、医療機関など専門家とご家族が連携して対処することが重要です。

3-1.対策その1.医療機関を受診する

早期離脱症状は断酒をして数時間からはじまり、おおよそ3日くらいで治まります。このとき、強い不安や激しい発汗があるのなら、せん妄に備えるため、安全が確保できるよう医療機関の受診が必要です。

せん妄は後期離脱症状で怒りますが、軽い意識障害とともに強い不安感や幻覚などが起こるため、精神的にとても不安定となります。

せん妄はすべての患者さんに起きるわけではありません。しかし、前述したように強い不安や発汗など、体力の消耗がはげしいケースで備えが必要です。本人の安全が担保できるよう精神科などで隔離が必要となるケースもあります。

3-2.対策その2.十分な栄養をとる

正常な体の代謝には栄養が必要不可欠です。例えば、血液は約120日、骨は90~120日で生まれ変わりますが、これもアミノ酸やビタミン、ミネラル、酵素などの栄養素が十分にあってこそのこと。アルコール依存症では、それが正常に行われた可能性はゼロです。

身体のダメージがひどいケースはもちろん、断酒前の飲酒量が多かったときや長期にわたる飲酒が続いていたのなら極度の栄養失調です。できるだけ幅広く十分な栄養をとることが、アルコールのダメージから体と心を回復させるための最善の手段となります。

まとめ

アルコール依存症における離脱症状が、断酒を妨げるもっとも大きな原因です。それほど、離脱症状は患者さんにとって苦痛なのです。また、迎え酒をすることでも離脱症状は消えます。だからこそ、断酒が難しくなります。

アルコールを飲んで離脱症状を抑えている。この堂々巡りが、アルコール依存症の患者さんが断酒できない最大の原因といっていいでしょう。

ぜひ、そんな患者さんに十分な栄養をとらせてあげましょう。このアプローチはメリットこそあれ、デメリットはありません。その結果、何が起きるのか?きっと、驚かれるはずです。

 

 
本サイトは私の実務経験に基づいた考察をご紹介しています。また、解説する病気の症状は典型的なものを紹介しています。記載された症状がその病気をもつすべての方に当てはまるわけではありません。治療法その他についても、あくまでも自分でできうる対処と医療における代表的なもののみを掲載しており、治療法すべてを網羅するものではありません。病気の診断および治療に関しては、必ず医師による説明を受けるようにしてください。 
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