アルコール依存症患者に対する家族の接し方と対応【まとめ】

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「人様にケガをさせる前に夫が死んでくれたらと…」

 ポツリとそう口にされたのは、ある40代の主婦でした。ご主人はお酒を飲んでも車を運転するだけでなく、車の中にもお酒を常備するほどのアルコール依存症。奥さんは現場を確認していないものの、「おそらく運転中にもお酒を飲んでいると思います。」とお話されました。

 「毎日、もう数年以上、主人が帰宅するまで事故を起こすのではないかと、誰かにケガをさせるのではないかと思うと苦しくて切なくて…。できればひとりで事故を起こして死んでくれたほうが…と思っています。」

 そんなご主人でしたが、幸いなことに運転中の飲酒はもちろん、家庭でも休肝日をつくるほど酒量を激減することができたそうです。それまで、「あ~言えばこう言う」といった人の上げ足をとるような口癖や暴言、暴れることもなくなりました。

 さて、このご主人にいったい何が起きたのか?ご家族のアルコール依存症でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

 1.アルコール依存症患者は家族ともコミュニケーションがとれない人たち

些細なことに反応し、グチグチと小言を言う。

他人やテレビのコメント、政治などの批判が多い。

 アルコール依存症の患者さんは一方通行の主張ばかりで、会話のキャッチボールができません。コミュニケーションがとれませんから、ご家族は次のような問題に頭を抱えていらっしゃることでしょう。

 1-1.アルコール依存症の人は家族がお酒をたしなめると屁理屈を返す

「俺の金で飲んでいるのに文句を言われる筋合いはない!」

「酒がまずくなる!」

「お前たちになんの迷惑もかけたと言うんだ…」

 患者さんに対し飲酒をたしなめると、こういった屁理屈が当たり前のように返ってきます。そして困ったことに、家族がお酒をたしなめると患者さんの飲酒量が増えます。つまり、飲酒をたしなめればたしなめるほど、飲酒の口実にされてしまいます。

 1-2.アルコール依存症の人は家族が勧めても医療機関の受診を拒否する

「いよいよアル中だ。これは病院に連れていくしかない…」

 ご家族がそう思ったとしても、患者さんはアルコール依存症を認めるケースはごくマレなこと。ほとんどすべての患者さんは自分の症状を認めることなく、医療機関の受診を拒否するのがふつうです。そのため、ご家族は「どうしたらいいのか?」途方に暮れているというのが現状でしょう。

 2.アルコール依存症の患者さんとその家族も精神的に病んでいる

「お酒さえやめてくれれば…」

アルコール依存症が進行すると、患者さんの言動にどんどん問題が増えてきます。そのため、どの家族もお酒を隠したり捨てたりといった行動にでます。しかし、それでも患者さんはお酒をやめることはできません。すると、患者さんは外でもトラブルを起こすようになります。

 ・会社で酒を飲むようになり、仕事のミスや遅刻、欠勤が増える

・会社でパワハラやモラハラ行為

・地域の集会でトラブルを起こす

 家族はそういった本人のトラブルの後始末に追われ、どんどん精神的に病んでしまいます。また、本人が仕事をしなくなったり辞めてしまうこともありますので、経済的な困窮もご家族を追い詰めることになります。

 ですが、ご家族が精神的に病んでいたら問題解決に対し適切な対処ができません。ご家族のあなたも、自分をとり戻すために。そして患者さんの回復のため、以下でご紹介する患者さんへのアプローチと同じことをお試しください。

 3.アルコール依存症患者への家族の対応と接し方

ここまでのことから、ほとんどのご家庭では途方に暮れていらっしゃることでしょう。ですが、ご家族だからできることがあります。なぜなら、アルコール依存症の患者さんはみな、極度の栄養失調が続いているからです。(詳しくは別記事、「アルコール依存症は治せる|その症状から分かる原因と対策方法」 をご覧ください。)

 3-1.家族の対応と接し方その1.十分に栄養をとらせる

ビールの注ビン1本。たったこれだけの量で、肝臓はおおよそ3時間働かなければなりません。アルコールの解毒にはそれほど時間がかかりますから、ほとんどの患者さんは24時間365日、肝臓がアルコールの処理にフル稼働していることでしょう。このとき、肝臓は大量の栄養を消費することになります。

 一方で、患者さんの食生活はとても貧しいものになります。食事が偏りますし、なかにはコンビニ弁当やカップラーメンなど、インスタント食品ばかり食べる患者さんも少なくありません。つまり、とれる栄養が不足した上で消費する栄養は増えます。したがって、アルコール依存症患者さんはみな、例外なく慢性的な栄養失調状態です。

 先ほどご紹介した別記事でお解りのように、栄養不足は情緒を不安定にします。そしてこれが、お酒を飲んでしまう一因になります。誰もが情緒が不安定な状態はイヤなものです。お酒はそれを一時的にマヒできます。また、情緒が不安定だとお酒に酔いにくくなりますから、どうしても飲み過ぎてしまうことになります。

 こういったことから、まずはサプリメントなどでアミノ酸やビタミン、ミネラルなど幅広く十分に栄養をとらせてあげましょう。なお、アルコール依存症と分子栄養学に詳しい医師や薬剤師の指導のもと、サプリメントを選ぶようにしてください。

 3-2.家族の対応と接し方その2. 飲酒量を観察する

「あれ、いつもより少ないお酒で酔いつぶれている…」

おおよそ2~3週間。私のいただいてきた相談では、十分に栄養がとれるようになると患者さんの酒量が減りはじめます。栄養がとれるようになると「酔える」ようになり、余分にお酒が飲めなくなります。

 こういった姿が観察できたら、酒量が少しずつ減ることがほとんどです。また、今までなら休日昼間から飲んでいたのなら、それをやめて夜だけ飲んでいるなど、飲酒の時間にメリハリがでてくるようになります。もちろん、その日の体調によりますが、一般的にこういった流れで飲酒量が減っていくことがほとんどです。

 3-3. 家族の対応と接し方その3.言動の変化を観察する

「あれ、今までだったらグチグチと長々と屁理屈が続いたけど…」

「いつもだったら、ここで怒ったはずなのに…」

 今までよりはやく酔いつぶれたり飲酒量が減ることと前後して、患者さんの言動に少しずつ変化が現れます。一般的には暴言を口にする時間が短くなったり、今までなら怒っていたことで怒らなくなったりと、暴言や怒りで反応する閾値に変化がみられるようになります。

 こういった変化が見られたとき、焦って「お酒をやめなさい!」とか「病院に行って!」みたいなことを堰かないように注意が必要です。こういったことを口にするのは、患者さんが「聞く耳」をもったとき。コミュニケーションがとれるようになるまで待ちましょう。

 3-4.家族の対応と接し方その4.医療機関の受診を勧める

ある程度会話のキャッチボールがでるようになったとき、本人が「酒を飲みすぎた!」とか「二日酔いだ!」みたいな話をしはじめたなら、医療機関への受診を勧めてもいいでしょう。

 ですが、栄養の摂取は続けてください。長年にわたる栄養不良は脳に限らず、体中にダメージがあります。例えば赤血球は、新陳代謝によりすべて入れ替わるのにおおよそ120日かかります。脳や臓器は、そういったしっかりした血液が酸素や栄養を運ぶことで正常な新陳代謝が行われます。

 そういった意味でも、アルコール依存症と分子栄養学に詳しい医療機関の受診をお勧めします。

 まとめ

アルコール依存症は患者さんのみならず、家族の心も蝕みます。ですが心配はいりません。このアプローチで患者さんが良い方向に変わっていったのなら、ご家族のあなたもまた同じアプローチを実行すればいいのですから。

 くり返しますが、ほとんどのご家族は打ち手がないと出口のない迷路をさまよう毎日を送っていらっしゃることでしょう。ならば騙されたと思って、ぜひこのアプローチを実行してみてください。きっと元気になります。

 
本サイトは私の実務経験に基づいた考察をご紹介しています。また、解説する病気の症状は典型的なものを紹介しています。記載された症状がその病気をもつすべての方に当てはまるわけではありません。治療法その他についても、あくまでも自分でできうる対処と医療における代表的なもののみを掲載しており、治療法すべてを網羅するものではありません。病気の診断および治療に関しては、必ず医師による説明を受けるようにしてください。 
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